〈BD〉8ボール×ファーゴレートのアマリーグ『JCL』6月始動! クラウドファンディングも開始

 

6月、日本に新しい

アマチュアビリヤードリーグが誕生します。

 

それが『JCL』(Japan CSI Pool League)。

 

ポイントは、

 

・種目は8ボール

・ハンデ設定には「ファーゴレート」を採用

・4人vs4人のチーム戦(1チーム最大6人)

・同一ディビジョンの他チームとリーグ戦形式で競う

・第1シーズンは6月6日開始

・日本代表チームを選出しラスベガス大会へ派遣

 

となっています。

 

JCLは、

アメリカで人気の2つのアマリーグ、

「USAプールリーグ」

「BCAプールリーグ」を

運営・統括している

CSI』(CueSports International)から

日本での開催権利を取得しています。

 

リーグマネージャーは関浩一氏。

関氏は東京『Alvis』のオーナーであり、

NBAビリヤード普及指導員、

ビリヤード書籍執筆など、

様々な活動に携わっています。

 

近年ではYouTubeチャンネル

『東大卒たっくんと黒子のビリヤードch』の

「黒子」としても知られています。

 

 

今回のJCL立ち上げは、まず初めに

『東大卒たっくんと黒子のビリヤードch』で

「重大発表」と題して公表されました(↑)。

 

この回(とその続編)を見ていた

ビリヤードファンも多かったと思います。

 

 

5月上旬にはJCLの公式サイト(↑)が

開設されて、全容が明らかになりました。

 

第1シーズン&第2シーズンの日程も決まり、

現在は参加チーム(店舗)の募集中です

(5月31日まで)。

 

 

また、運営費を募る

クラウドファンディング(↑)も

5月18日に始まりました。

→ プロジェクト紹介ページはこちら

 

公式サイト/クラウドファンディング/動画。

この3つに「JCLとは?」

「ルール」「日程」「リーグ」が

網羅されていますので、

ぜひご覧ください。

 

BDは、JCL立ち上げまでの道筋や、

「8ボール」「ファーゴレート」を

軸にしている理由を、

JCLリーグマネージャーの関氏に聞きました。

Q&A形式でお届けします。

アシスタントの平田さん(たっくん)も

同席してくださいました。

 

左=JCLリーグマネージャーの関氏、右=関氏のアシスタントを務める平田さん(たっくん)
左=JCLリーグマネージャーの関氏、右=関氏のアシスタントを務める平田さん(たっくん)

 

――早速ですが、JCL立ち上げの動機とは?

 

関:様々な理由がありますが、根底にあるのは「ビリヤードを盛り上げたい」「ビリヤード場に元気になってもらいたい」という思いです。どうすれば日本でビリヤードが盛り上がるのかと考えた時に「初心者から楽しめるアマチュアリーグを立ち上げること」が自然と思い浮かびました。そして、“初心者から”となると、種目として適しているのは8ボールではないかと。

 

――なぜ8ボールなのでしょう?

 

関:ビリヤード場(東京『Alvis』)をやっていて常日頃感じていますが、9ボールは決してとっつきやすいゲームではないですよね。狙える球が一つしかないし、クッションから当てないといけない場面も多い。日本では皆さん当たり前のように9ボールをやっていますが、果たして初心者が9ボールをやって「ビリヤードって面白い」と思ってくれているのだろうかというのは常々疑問でした。

 

――日本は9ボール率が高い国の一つです。一方、特に北米などはアマチュアの種目として8ボールがスタンダードですね。

 

関:そうですね。日本以外の国の人には8ボールは馴染みのある種目で、実際うちのお店に来る海外のお客さんはだいたい8ボールをやってます。

 

平田:先日僕が一緒に撞いたアメリカ人の方も「8ボールでビリヤードを始めた」と言ってましたね。

 

関:そういう人が多いし、しかも皆さん結構上手いですよね。球をよく入れるのはもちろん、ゲーム性をわかっていて、戦略を考えながら撞いてるなと感じています。

 

――エニーボール競技の面白さと奥深さですね。

 

関:8ボールはどのボールから入れてもいいし、初心者には初心者の、上級者には上級者の戦い方があるので、ビリヤードの魅力に触れてもらうのに最適だと思います。なので、特に初心者には「8ボールをやりましょう」と勧めたいのですが、なかなか今の日本でその流れを作るのは難しい。でも、アマチュアリーグで8ボールをやれば広めやすいのではないかと思いました。

 

平田:僕自身、今までほとんど8ボールをやったことがなかったんですけど、やってみてすぐ面白さに気付きました。9ボールで初級者と上手い人が戦うと、上手い人ばっかり撞いていて、下の人にはつらい時間が続くことがありますけど、8ボールは上の人が1球ミスした瞬間にコロっと展開が変わることがあって、勝つチャンスも十分にあるなと感じました。

 

関:そう。9ボールだと初級者は3球連続では入れられないですよね。でも、8ボールだと、仮に上級者がマスワリの8番を外したら、初級者はテーブル上の全ボールを狙える状況になっている。近い球から入れて行くだけで8番までたどり着けるかもしれない。あと、上手い人が初級者にコーチングをする時も、8ボールは選択肢が多くて戦略性があるので、レベルに応じた戦い方を伝えることが出来て教えがいがあります。9ボールだと初級者に高度な出しを求めても出来ないので、「まず入れようか」しか言えない時が結構あります。

 

――8ボールと並ぶもう一つの特色である「ファーゴレート」は?

 

関:ベトナムに住んでる知り合いから、ベトナムではファーゴレートを使ってアマチュアリーグをやっていると聞きました。まず、「ファーゴレートってなんだ?」というところから始まって、調べていくと「イロレーティング」という相対評価のレーティングシステムであることがわかり、これはとても良いなと。すでに130ヶ国の30万人弱が登録していて、約2千8百万の対戦データをもとにプレイヤーのレベルを数値化している。信頼出来るレーティングだと感じました。

 

JCL公式サイト「ルールページ」より。“対戦とレーティング”の表
JCL公式サイト「ルールページ」より。“対戦とレーティング”の表

 

――ファーゴレートは3桁の数字でレベルが示されて、変動もある。そのわかりやすさが特徴です。

 

関:ちゃんと実力に見合った数値が出ている印象がありましたし、これはレベルを問わずプレイヤーのモチベーションになるだろうと直感しました。以前、お店にダーツを置いていたのでダーツブームを体験していますが、あのブームもレーティングシステムの存在がすごく大きかったです。

 

――実力が数値化されると励みになりますね。

 

関:そこが良いですよね。現状のABCクラス分けは自己申告制ということもあり、そのクラスが正しいかどうかがわかりにくいし、同じクラスの中でもだいぶレベル差がある。そして、クラスアップの喜びを実感できるのはCからBとBからAに上がるタイミングの2回だけですよね。でも、ファーゴレートは3桁の数字で出ますし、変動が目に見えてわかります。特にこれから始める人や始めたばかりの人にとって、レーティングが上がる喜びはとても大きなものだと思います。

 

――CSIプールリーグなら「8ボール」と「ファーゴレート」の2つ揃えて日本で行えると。

 

関:そう、両方を導入出来るのはこれだなと。それにリーグ戦は、試合会場となるビリヤード場にも直接プレーフィーという形でお金が入るのもメリットだと思いました。

 

――冒頭に出た「ビリヤード場を元気に」というところですね。

 

関:はい。うちもそうなんですが、地価や物価の高騰に伴ってビリヤード場はどこも固定費が上がっていて経営が厳しくなっていますし、老舗や大型店も閉まっている時代です。ビリヤード場が儲からないとこの業界に未来はありません。CSIリーグはゲーム代が通常通り発生しますし(※プレイヤーはビリヤード場にプレーフィーを支払い、運営事務局にリーグフィーを収める)、飲食しながらのプレーもOKです。少しでもビリヤード場の売上に貢献出来ればと思います。個人的な願望なのですが、脱サラしてビリヤード場を始めようという人がもっと増えてくれたらいいなと常に思っています。そのためにはビリヤード場が儲かる仕事じゃないといけない。アマリーグは収益の柱の一つになると思います。

 

 

――CSI本部(アメリカ)にはどうアプローチしていったのですか?

 

関:YouTubeを通じて知り合ったアメリカ在住の日本人の方がとても熱心にサポートしてくれて、CSIと繋いでくださって、代表のオジー・レイノルズさんと話が出来ました。CSI側も僕のこれまでの経歴や普及活動などを好意的に受け止めてくれたみたいで、日本での開催にOKを出してくれました。動き出したのは去年からで、今年1月に正式に申請して2月に開催権を取得しました。そこから毎日僕もたっくんもCSIの勉強です。プレイヤーハンドブックを翻訳したり、お店でテストリーグをやったりと準備に追われていました。色々やっていたらあっという間に4月になり、ようやくYouTubeで公表して……という流れです。

 

平田:もう来月(6月)始まるのか……という感じです(笑)。なにしろ初めてのことですし、始まってみないとわからないことだらけです。今はまずチームがどれだけ集まるのか、ソワソワワクワクしています。

 

関:最初の1年は上手くいかないことが多くてトラブルもたくさん発生するだろうと思います。そこは暖かく見守っていただきたいと思います。と言いますか、トラブルが起きても許してくださる寛大な皆様にぜひご参加いただきたいです(笑)。

 

――JCLの今後の展望とは?

 

関:この8ボールリーグをしっかりと軌道に乗せてからの話ですが、JCLメンバー限定のクラス別の個人戦を開催したいと考えています。ゆくゆくは9ボールの試合や、特設会場での全国大会もやりたいですね。もちろんどの試合もファーゴレートを使ってクラス分け・ハンデ設定をします。

 

――さらにその先、関さんが思い描く未来像とは?

 

関:5年後かもしれないし、10年後になるかもしれないですけど、リーグ参加者に限らず、多くの人が8ボールを楽しむようになり、ファーゴレートがクラス分けの基準になってくれたらいいなと。ファーゴレートがスタンダードになれば、今ある“クラス問題”はずいぶん減ると思います。僕は以前からアマチュア大会の賞金をなくしたいと思っているんですが、今は賞金を出しているアマ大会があるから、ABC各クラスに留まっている人がいたりしますよね。やはり現状のシステムに無理があると思います。でも、ファーゴレートでプレイヤーの実力を数値化し、アマ大会で賞金を出すのをやめれば、皆が自然に上のレベルを目指すはずだと思いますし、結果的にプロ入りを考える人も増えるんじゃないかと期待しています。「8ボール普及」「ファーゴレート」「賞金なしのアマ大会」――実現する過程では色々と困難もあると思いますけど、健全な業界活性化のためにはこの3つが大事だと思っていますので、その花を咲かせるために今種をまかないといけないと思っています。

 

(了)

 

………… 

 

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