〈BD〉「集中状態への持って行き方が少しわかった気がする」――全日本3C選手権優勝・梅田竜二の談話

 

8日~11日に行われた

全日本3C選手権』 in 霞が関。

 

連覇で5度目の優勝を飾った

梅田竜二プロの、

試合直後の談話をお届けします。

 

…………

 

――連覇で5度目の優勝。心境は?

 

梅田:大会が無事に閉幕を迎えてホッとしています。今年は9年ぶりの霞が関開催。僕は設営の最高責任者として携わっていました。三井不動産さまや霞会館との窓口にもなっていましたので、その意味でも無事に終えることが出来て良かったなと。まずそういう心境です。

 

――「霞が関開催」という言葉にはパワーがあります。

 

梅田:はい、霞が関という東京のど真ん中でビリヤードの試合が開催出来るということは内外へ大きなアピールとなります。今後例えば、他のスポンサー候補の企業さんですとか報道の方々にビリヤードに目を向けていただけるチャンスになると思います。また、ビリヤードファンからすると、交通の便が良く、綺麗な会場ですので、観戦にももってこいの場所だと思います。出来ればここで継続的に開催したいなと個人的には思っています。

 

――そういったお立場ですと、大会前の練習時間は少なかったのでは?

 

梅田:こんなに少ない練習量で臨んだ全日本選手権は初めてでしたね(笑)。でも、短時間集中でチェック事項も決まってましたし、ダラダラ撞くことはなかったので、それがかえって良かったのかもしれません。

 

――会場やテーブルのコンディションへの対応は?

 

梅田:このあたりは江戸時代はお堀の中でしたし、昔から湿度は高いと思います。それは撞いていても感じました。ですが、会場の空調の効きも良いですし、気になるほどではなかったです。テーブルコンディションにも問題なく対応出来たと思います。今回のテーブルは韓国の『MIN』。僕は昨年の『世界選手権』と先月の『アジア選手権』で韓国に行ったんですが、ブランドは異なりますが現地のテーブルと感じが似ています。韓国遠征で向こうのテーブルに慣れておいて良かったなと思います。

 

――今大会では7試合プレーしました。はじめからエンジン全開で臨んだのでしょうか?

 

梅田:いや、はじめのうちは設営や準備でバタバタしていたこともあって、予選グループリーグはまだそんなにギアを上げられてなかったですね。3人中2人残りという方式だったのでそこまで焦ることはなかったですし、ほどよい集中で撞いてました。

 

――決勝トーナメント(ベスト32~)は?

 

梅田:意識的にギアを上げて撞きました。そうしたらベスト32とベスト16はすごく上手く撞けて、アベも良くて。帰り道、「もしかしたら僕に風が吹いてるのかもしれないな」という気がしました。でも、そんなふうに意識すると集中が甘くなっちゃうから、気を引き締めて最終日に望みました。

 

――最終日。ベスト8で板井篤信アマを退けて、準決勝は6度の優勝を誇る新井達雄プロ。

 

梅田:出足は良かったんですけど、気が付いたら新井プロのペースになっていて、「あ、このままではダメだ」と。でもそこで変に自分の気持ちを重くしてしまうと、ますます新井プロペースで押し切られてしまうから、吹っ切って行くことが大事だなと。そう頭を切り替えたら6点ランも出たりして、なんとか先に上がれました。最後はさすがにお互いにキューが出てなかったですけどね。

 

――決勝戦は?

 

梅田:さすがに連日の試合で少し疲れを感じていましたし、あまりじっくり行き過ぎると体力が切れる恐れがあるなと。なので、体力温存の意味もあって、スタートから早めにテンポ良く撞くことを意識していました。それが上手くハマってくれてスタートダッシュが決まりましたね。その後も良い流れで集中して撞けましたし、あのスタートが全てだったかなと思います。

 

――5回目の優勝。これまでの4回とは違う感想でしょうか。

 

梅田:そうですね。初優勝の時(2006年)はすごく「勝ちたい」という一心で獲りに行って優勝したという感じでした。去年(4度目)は去年で、公式戦優勝から3年遠ざかっていた中での勝利だったので格別の嬉しさがありました。今回はまた別物です。プレイヤーとしてという部分は後回しで、なにしろ瑶子女王(寛仁親王殿下の第二女子)がご臨席になるということで、なんとか無事に進んでくれと。まずそれを願っていました。

 

――では、今回の勝因はどこに?

 

梅田:さっきも言いましたが、忙しかったからこそテーブルに向かった時に高い集中が引き出せた気がします。キューを握っている時だけは他の仕事をしなくて済むから、すごく気が楽だった訳です。ビリヤードの球のことだけ考えることが出来ました。ふと思ったのはこれこそ僕が求めていた「良い集中」なんじゃないかということです。

 

――と言いますと?

 

梅田:去年の全日本選手権で優勝してからずっと考えていたんです。「どういうふうにすれば昔みたいに上手く当てられるようになるのか、高いアベレージで行けるのか」と。でも、結局去年はその後1回も勝てなかった。そして今回、あれこれ忙しい中で試合をしてみて、「ああ、こういう感じかな」と集中状態への持って行き方が少しわかった気がします。むしろ他のことで忙しいぐらいの方が球撞きに対してピュアになれて良い集中が生まれるのかなと。この感覚はヒントになると思います。

 

――わかりました。今後の目標は?

 

梅田:去年も同じようなことを言ったと思いますけど、この大会で優勝すると『世界選手権』(トルコ。9月開催予定)に行けるので、一つそこが大きな目標です。その前にまず来月(5月)の『ワールドカップ・ホーチミン戦』にエントリーしています。今年は出来る限り海外に行き、もう一度「日本の梅田竜二が活躍しているぞ」というところを見せたいなと思っています。

 

(了)

 

Ryuji Umeda

1968年10月22日生まれ

A型・天秤座・東京都出身&在住

1991年度JPBF入会

2006年『アジア大会』スリークッション金メダリスト

2007年『世界選手権』優勝

2006年、2009年、2015年、2022年、2023年『全日本選手権』優勝

『ニッカオープン』優勝9回

『全関東3C選手権』優勝4回

JPBFスリークッション年間ランキング1位/8回

他、優勝入賞多数

使用キューはADAM JAPAN(シャフトはADAMノーマル、タップはNAOLLY H)

東京・小岩『ヤマニ』所属 

 

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