〈BD〉「ムチャせずに撞けたんが良かった」――全日本ローテ優勝・竹中寛の談話

 

19日(日)の

全日本ローテーション』で

優勝した竹中寛プロの

談話をお届けします。

取材は大会翌日に行いました。

 

竹中プロのプロランキングポイント

対象試合での優勝は、

昨年(2022年)10月の

GPW-4 in 愛知マーシー』以来

約5ヶ月ぶりです。

 

…………

 

――優勝の感想を。

 

竹中:いつもと同じで「ああ、勝てたな」みたいな感じですね。

 

――今回はシード選手として決勝ラウンドから登場しました。4試合の出来は?(※初戦のベスト32は不戦勝)。

 

竹中:久しぶりのローテーションの試合だったし、攻めよか守ろか迷ったところもあって、展開を握れない時もありましたけど、先球(的球)はまあまあ入ってたと思います。ネキストは全然ダメでした(笑)。

 

――それはボールが多い種目だからなのか、テーブルコンディションへの対応のところなのか。

 

竹中:メインTVテーブルはコンディションの難しさもありました。でも、自分のネキストが全体的に良くなかったですね。だから、セーフティしながら逃げて逃げて取ったみたいな感じです。

 

――決勝戦(vs 黒田祐介)の序盤から中盤は劣勢でした。

 

竹中:僕が全然ダメだったんで、先に黒田プロに行かした感じですね(苦笑)。2マス終わった時点で結構差が付いて(竹中 53-187 黒田。300点先取)、「ちょっとやばいな」と。

 

――「回って来たらなんとかする」という気持ちも?

 

竹中:もちろんそういう気持ちではいましたけど、僕がやらかしたからああいう試合になったんでね。「アカンな~。情けない」と心が折れそうにもなってました。でも、3マス目で相手が外した3番が、絶対かぶる(隠れる)はずのところをサイド穴前でカンチャンで見えたんで、「あれ、神様がまだ頑張れ言うてんのかな」と思って頑張れた感じでしたね(※その3番を入れた竹中プロがセーフティも挟みながら取り切って170-190と追い上げた)。

 

――254-226で竹中プロが逆転して迎えた最終第5ラック。相手の6-7番コンビミスから取り切りました。気持ちは整っていましたか?

 

竹中:いやいや、整ってたということはないですけど、あと50点ぐらいの所まで来てたんで「チャンスやな」と。最後まで頑張って必死に撞いてました。

 

――ゲームボールの10番は少し微妙なフリ・距離に見えましたが……。

 

竹中:僕は11番か12番が最後かなと思ってたんですけど、10番で「ゲームボール」と言われて。あの10番はサイドとコーナー、どちらにも行けたんですけど、もともとコーナーに取りながら11番に出すつもりであそこに出してたんで、そのままコーナーに狙いました。

 

――緊張感は?

 

竹中:それはやっぱり、「これで勝てる」と思ったらどんな試合のどんな球でも緊張感はありますよ。あの1球をやったら(ミスしたら)終わりやったしね。

 

――『全日本ローテーション』では初優勝。ですが、1991年、アマ時代に決勝戦を撞いています(優勝は奥村健プロ)。当時のことは覚えてますか?

 

竹中:まあまあ覚えてますよ。あの頃はローテーションの試合でセーフティっていうのがまだ少なかったですね。皆、攻め主体で、難しい球も「抜け」(アンドセーフ)で撞くみたいなのが普通でした。当時僕も19歳で、入れれる穴があったら全部入れたらぁぐらいのノリやったんで(笑)、攻めて攻めて失敗したら隠れてくれてみたいな感じで、なんやかんやあって勝ち上がって行きました。最後の奥村プロとの決勝戦はもう……奥村プロに完璧にやられましたね。さすがプロっていう球を撞かれて負けました。

 

――ローテーションはお好きですか?

 

竹中:今は試合前にちょっと撞くぐらいで普段はほとんどやらないですけど、面白いのは面白いです。取り方が難しいし、試合はショートゲームでやることが多いので、運勢もだいぶ絡むし、すごくスリル感があります。

 

――ローテーションの300点はプロが撞く競技種目としては短いでしょうか。

 

竹中:おそらくプロは皆同じでしょうけど、僕は短いと感じています。早いと3マスで終わりますし、9ボールで言うと4先(4ラック先取)ぐらいの感覚ですかね。

 

――では、改めて昨日の勝因は?

 

竹中:ムチャせずに撞けたんが良かったんじゃないかなと。調子に乗って攻めずに、守るところは確実に守ってっていう。そうしたら、良い球が自分に回って来てくれることが多かったのが勝因ですかね。

 

――19歳の頃とは違う、成熟したローテーションで。

 

竹中:そうですね(笑)。全然違います。

 

――2010年にJPBAに入ってから年1回ぐらいのペースで優勝しています(※それ以前はJBCプロとしてJBC大会でも多数タイトル獲得)。コンスタントに活躍出来る秘訣とは?

 

竹中:秘訣とかはないですよ。ただもうビリヤードが大好きで勝負が楽しいんでね。ビリヤード自体は今も上手くなってると思ってますし、いつも試合を頑張ろうと思ってやってるだけです。ただ、遠い球はちょっと入りにくくなってるなと思うし、体力もなくなってきてるんで、この先どうなるかですけどね。

 

――今年の目標や達成したいこととは?

 

竹中:ランキング上位を目指しています。そして、先月は自分の不手際でラスベガスに行けなかったですけど、また海外に行きたいですね(※2月~3月の『ラスベガスオープン』&『10ボール世界選手権』。竹中プロは出場予定だったが、渡米に際してワクチン未接種者が所持するべき書類が足りておらず、渡航を断念した)。最近の世界大会は権利(※出場枠。各国・各大陸のビリヤード連盟に事前に割り振られることが多い)を持ってないと出られないのが多いので、国内でランキングを上げて権利を取って行きたいです。もともと「今年が最後ぐらいかな」という感じでラスベガスにエントリーしてたんですけどね。今ももちろん行きたい気持ちがありますし、今回の優勝でラスベガスの旅費は半分ぐらい取り戻せたので(笑)、行けるチャンスが欲しいですね。

 

(了)

 

Hiroshi Takenaka

JPBA44期生(2010年プロ入り)

1972年1月17日生

大阪府出身

2012年『北陸オープン』優勝

2013年『北海道オープン』優勝

2017年『ハウステンボス九州オープン』優勝

2023年『全日本ローテーション』優勝

『グランプリウエスト』では7勝

『Pool&Darts SAMURAI』(兵庫県加東市)所属

タップは『

プレーキューは『HOW

グローブは『OWL

 

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