〈BD〉「諦めずに撞けたと思う」――『GPW-2』優勝・田中雅明の談話

 

5月28日の

GPW-2 in 愛知ダマデノッチェ』で

優勝した田中雅明プロの談話です。

大会2日後に取材しました。

 

…………

 

――5年ぶりの優勝です。

 

田中:素直に嬉しいです。あんまりやらないんですけど、嬉しかったんでしょうね、勝った瞬間、手を上げてましたね(笑)。

 

――合計6試合プレーしました。よく撞けたと思いますか?

 

田中:いや、自分の中では悪かったですね。なんで勝てたのか自分でもわからへんぐらいの状態でした。要所要所で球は入れられてたと思うんですけど、気持ち良く撞ける球が多かったかって言ったら、気持ち悪いなと思う球の方が多かったです。簡単な球にしても、若干不安に思いながら撞いていたというか。もう感触だけの問題なんでしょうけどね。

 

――それでも優勝まで行けたというのは何が良かったのでしょうか。

 

田中:よくあるコメントになりますけど、ほんとに諦めずに撞けたと思うし、「これしかできない」って割り切れてたというか。いつもなら感触が悪いことにストレスを感じて、イライラして負けることが結構あったりしたんですけど、今回はそれがなかったと思います。

 

――決勝戦(vs 浅野正人)、第1、第2ラックあたりはお互いミスもありました。テーブルコンディションに合わせるのに時間がかかったのでしょうか。

 

田中:それがね、決勝戦始まってすぐは、正直テーブルコンディションどころじゃないぐらいの状態でしたね(苦笑)。ずっと気持ち悪いのをいかに気分良くしようかなとか、一生懸命そればっかり考えて撞いてました。

 

――気持ち悪さの理由とは?

 

田中:もう5年も決勝戦を撞いてない訳で。浅野プロは前戦(GPW-1)のチャンピオンですし、以前のGPWですごく球を入れられて負けてるんで(※2021年『GPW-1』ベスト8)、そういうところでプレッシャーもあったんだと思います。

 

――とはいえ、中盤以降は田中プロのペースでした。

 

田中:僕が見てる感じだと、たぶん浅野プロにもプレッシャーがあったと思うんですよ。2戦連続優勝がかかってましたし、硬くなってしまう要素があったと思います。それで僕にチャンスがよく回って来てたと思うし、僕の方がちょっとだけ立ち直るのが早かったから勝ったんかなみたいな。もしあれで僕がお付き合いする展開だったら、浅野プロがどこかで復活したんじゃないかなと思います。

 

――田中プロの3点目~6点目あたりの取り切りはさすがの技術を感じました。でも、ご本人的にはそれほど良かった訳ではない?

 

田中:う~ん、良くはないですね。序盤に比べたらだいぶマシにはなってたと思いますけど、感じよく撞けたかって言われたらそうでもなかったです。

 

――ちなみに、決勝戦は両者ともApple Watchを付けて心拍数を測りながらのプレーでした(※ライブ配信画面にリアルタイムで心拍数が表示されていた)。

 

田中:良い試みだと思いました。試合中は特に違和感なかったです。自分の試合は後で軽く見ました。1マス目の9番を飛ばした時に150くらいになってましたね(笑)(※9番を撞く直前に「147」を記録)。

 

――最終ラックは2番でセーフティー戦がありつつ、最後は浅野プロの5番ミスから田中プロが取り切って上がりました。

 

田中:あまり配置を覚えてないんですけど……ああ、あの5番。あんまり取材で言うことじゃないですけど、あれはちょっと苦手な球なんですよね(笑)。入ることは入るんですけど、好きじゃないから試合になるとちょっとアベレージが下がる球。実際あの5番、厚めいっぱいから入ってましたよね。

 

――その通りです。

 

田中:だから、あの配置が回って来た時「取れる」とは思ってなかったです。でも、あの5番もそうですけど、1日を通して嫌いな球をよく入れられたのは覚えてるんです。だから勝てたんかなとも思いました。それと、集中が切れなかったことじゃないですかね、やっぱり。それだけ頑張れてたということだと思います。

 

――前回の優勝から5年が経ちました。

 

田中:「前いつしたんかな~」とは思いましたけど、あんまり意識してないというか。僕はもともと優勝を強く願うこともないですし(苦笑)。だから、今回も焦りも何もない状態でした。ただ漠然と、「もう優勝できないかもしれん」という思いはありましたけど。

 

――もう少しさかのぼりますが、コロナ禍とその前後、モチベーションが低下したりすることはなかったですか?

 

田中:意外と大丈夫でしたね。仕事の都合などもあって、(公式戦が再開された後)全国オープンを何試合か休みましたけど、自分ではそんなにいっぱい休んだイメージはないんですよね。以前は全部出てたから、2、3試合休んだら結構休んでるように思われるんでしょうけど。

 

――今後の目標や展望は?

 

田中:うわっ、そういうのがないんですよね(苦笑)。でも、今は若い人もどんどん出て来てるし、先輩プロや年上のプロも皆さん頑張って出てはるじゃないですか。やっぱりそういう人達に刺激を受けて付いていくというか、負けないように頑張るぐらいしかないですね。たぶん今後もフル出場はできないと思うので、出られる試合に集中するのみです。

 

――最後に、応援してくれてる方にメッセージなどありましたら。

 

田中:今でもすごく応援してくれたり、「頑張ってや」って言ってくださる人がいたり、映像とかに僕が映ることを楽しみにしてくださる人達がいるので、その人達のためにというのもあれですけど、試合に出る以上は諦めず一生懸命やっていくしかないと思ってます。出られる試合は限られると思いますけど、少しでも良い報告ができるように頑張ります。

 

(了)

 

Masaaki Tanaka

 JPBA37期生

1999年名人位(アマ)

2009年JPBA年間ランキング1位

2010年アジア大会日本代表

2014年&2015年『全日本ローテーション』連覇

『関西オープン』2勝

『東海グランプリ』2勝

『8ボールオープン』2勝

『北海道オープン』1勝

『GPW』では13勝

他、優勝・入賞多数

使用キューは早川工房(シャフトはノーマル中空、タップはNAVIGATORオートマティック)

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