〈BD〉「一戦一戦が勝負でそれが最後までつながったら優勝」――GPW-4優勝・竹中寛の談話

 

2日(日)の

GPW-4 in 愛知マーシー』で

優勝した竹中寛プロの

談話をお届けします。

 

取材は大会翌日に行いました。

 

今回は普段あまり明かされない

「遠征時の移動」についても

教えていただきました。

 

…………

 

――グランプリウエスト第4戦、最終戦での優勝です。

 

竹中:やっぱり嬉しいですね。優勝は(大会のグレード等に関わらず)どれも同じように嬉しいんですけど。僕は年齢とともに練習のモチベーションが上がらなくなってきた部分があったんです。でも、この夏に球を撞けない時期があって、その後に球が入らなくなったので「これはアカン」と思って練習をしました。「これでは試合に行けへん」と思ってね。それが実ったというか、練習の成果を実感できる優勝だったことが嬉しいです。もちろん試合に行く時は毎回、優勝するつもりで行くんですけど、なかなかそう上手くはいかないですから(笑)。

 

――大会を振り返ってご自身の良かった部分は?

 

竹中:今回はブレイクですね。僕はブレイクが得意でないので、10ボールに比べたら9ボールはブレイクが上手な選手と差が付きにくいというのはありますけど、自分としては上手に当てられたと思いますし、スクラッチもなかったです。イリーガルもいつもより少なかったし、ブレイク後の展開が良くマスワリの数も多く出せました。これが交互ブレイクでの(勝つ)ポイントになったと思います。

 

――反対に良くなかった点はありますか?

 

竹中:準決勝と決勝はダメでした。腰も痛くなってくるし、集中力は落ちてくるし、やっぱり体力強化が課題ですね。これは内容の言い訳とかと違って、正直な自分の中の課題という意味です。ただ、試合は自分が良くても負けるゲームもあるし、その反対もあるので、今回は僕がラッキーやったと思います。いつも言ってることですけど、僕はビリヤードが大好きで勝負が大好きで試合も大好き。だからゲームに勝ったら「もう1回出来る」から嬉しい。その積み重ねで最後まで勝てる日もある。それが昨日やったという感じです。

 

――今回のラッキーを具体的に挙げるとするとどこでしょう?

 

竹中:やはり決勝戦ですね。浜ちゃん(浜田翔介プロ)のブレイクに流れがなくてイリーガルばっかり。ホンマは僕がシュッと勝たなアカン展開やったんです。でも、そんな中で浜ちゃんもおかしくなったりして、結果として僕が勝てたという感じのゲームでした。まあ決勝戦で上手く撞くっていうことは、なかなか出来ることやないんですけど。

 

――決勝戦で普通に撞くのはやはり難しいのですね。

 

竹中:やっぱり人間なんでね(笑)。機械のようになろうと思ってずっとやってきたけど、やっぱり決勝戦になると出てしまいますね。雑念も入ってしまうし、勝ちたいっていう欲も出てくるから。それが試合の面白さと言えば面白さなんですけどね。ただ(ヒルヒルの)最後のラックを取り切れたのはナイスやと思います。キレイな取り切りではないけど、まあ僕は普段からそういうスタイルなので(笑)。

 

――ここで遠征の移動などについて聞いてもいいですか?

 

竹中:そんなん誰か興味あります?(笑) 今回、金曜日は店(兵庫県加東市『SAMURAI』)を閉めるのが遅かったんで、3時間くらい寝て車で出発。兵庫、大阪、奈良で4人のプロを拾って名古屋に入って、会場の『MARCY』(愛知県名古屋市)で練習をして夕食に行きました。そうそう! 入ったお店が思ったより高級な店でメニューを見たら(値段の高さに)みんなチビってあんまり注文できひんで(笑)、その後にラーメンを食べに行きました。そしてホテルに入ったらすぐに寝落ちして、いい睡眠が取れたと思います。

 

――こうした舞台裏も面白いですね(笑)。

 

竹中:ほな帰りも話しますね(笑)。行きと逆の順番にプロ達を送って行って、家に着いたのは午前3時半くらいでした。みんなと走っている間はしゃべって楽しいんやけど、最後の山P(山川英樹プロ)を下ろしてから1人になる50分くらいは長かったです。そして風呂入って「やっと寝られる!」と思ったら嫁さんから「今日、ゴミ当番やで」と(笑)。朝の7時から9時まで町内で当番しました。さすがにそれからもう一度横になりましたけどね。そうでなかったら今こんなに元気な声が出てません(笑)。

 

――(笑)無事のご帰宅、体力の回復何よりです。次のジャパンオープンが今シーズンの最終戦になるかもしれません。

 

竹中:どの試合も同じで「一戦一戦が勝負でそれが最後までつながったら優勝」という思いは変わりません。そのために練習をして、試合ではいつも通り楽しく体も動かして(笑)、そして今までより上に行けるよう頑張るしかないと思ってます。ジャパンオープンでは過去最高が3位なので、決勝を撞けるように頑張りたいです。「頑張る」しか言ってないですけど、試合はやっぱり頑張るしかないんでね(笑)。

 

(了)

 

Hiroshi Takenaka

JPBA44期生

1972年1月17日生

大阪府出身

2012年『北陸オープン』優勝

2013年『北海道オープン』優勝

2017年『ハウステンボス九州オープン』優勝

『グランプリウエスト』では7勝(※今回含めて)

『Pool&Darts SAMURAI』(兵庫県加東市)所属

タップは『斬』

プレーキューは『HOW』

グローブは『OWL』

 

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