〈BD〉「勝つためにどうするか。自分で考えることの大事さに気付けた」――『大阪クイーンズオープン』優勝・平口結貴の談話

Photo : On the hill !
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先週末のJPBA女子プロ公式戦

大阪クイーンズオープン』で

優勝を飾った平口結貴プロの

談話をお届けします。

大会翌日に取材しました。

 

先日発表されたように、

平口結貴プロは日本代表選手として

7月中旬の

『ワールドゲームズ2022バーミングハム』

ビリヤード競技・女子9ボールに挑みます。

 

それまでJPBA女子公式イベントの

開催予定は今のところないので、

今回がワールドゲームズ前の

最後の国内試合でした。

 

※講師として参加した

函館でのビリヤード体験イベント

 

…………

 

――優勝の感想からお願いします。

 

平口:東京に来て初めての優勝なので嬉しいです。昨年(2021年)北海道から東京に出て来たんですけど、コロナ禍で女子プロ公式戦(ランキング対象試合)は開催がありませんでした。開催を待ち望んでいましたし、やっぱり早く結果が欲しかったので優勝出来て良かったです。

 

――勝因は?

 

平口:決勝戦に対しての抵抗感というか邪念みたいなものを置いてプレー出来たと思います。先月の『関東レディース』は準優勝だったし、前回のこの大会(2019『大阪クイーンズ』)も含めて2019年は準優勝が多かったです。決勝戦になるとそれまでとはどこか違う精神状態になっていました。でも今回は最後までそうならずにプレー出来たと思います。

 

――優勝まで6試合。自己評価は?

 

平口:自分の中では「よく撞けた」というよりは、会場(『マグスミノエ』)のテーブルコンディションに「よく対応出来た」という感じです。湿度が高かったせいかクッションが速くてラシャが重い感じで、特に女性には引き球が難しいコンディションでした。以前の自分ならキャパオーバーになってもおかしくない状況でしたけど、今回は「こういうテーブルで試合するのは面白い」という感じで捉えていました。前はコンディションのことなんて何も考えてなかったけど(笑)、少しは成長出来たのかなって思います。

 

――コンディション対応以外の面はどうでしたか?

 

平口:すごく集中してるって感じでもなく、でも集中出来てない訳でもなく、周りが見えていて頭も動いていました。ベスト8からの3試合全て、上がりで1回ミスって次のチャンスで上がったことは覚えてますけど、その上がり方までは覚えてないです。最終ラックだけ記憶があいまいです(苦笑)。

 

――上がり際は完全に没頭していたのかもしれませんね。とはいえ、今回はライブ映像を見ていてもプレー姿に焦りの色がなく、ショットも安定していたように見えました。

 

平口:そうですね。今回は「自分で優勝を勝ち取る」ということを念頭に置いて、じゃあ、そのためにはどうすればいいのかということを考えて試合に臨んだんですけど、それが良かったのかなと思います。今までは例えばテーブルコンディションへの対応とか、ちょっとしたことでメンタルとパフォーマンスのレベルがすぐ上がったり下がったりしてたんで、そうならないためにどうするかを前もって考えてました。「一生懸命やったら勝てる」んじゃなくて、「勝つためにどうするかを考える」という発想の転換が大事だということを、先月の『関東レディース』決勝戦での敗戦も経験して、はっきりと意識しました。

 

――ゴールとそこへのアプローチを設定していたんですね。

 

平口:はい、自分に『しっかりやれ!』って言うんじゃなくて、優勝というゴールに向かうために、どうテーブルコンディションに対応して、どうショットに集中するか。そのためには何をどう考えるのか。集中の仕方もワンパターンじゃなくて臨機応変さが求められるなとか……そういうことにようやく気付けた気がします。

 

――それは今後にも応用できそうですね。

 

平口:そう、「これ、むっちゃ応用できるな」って自分でも試合しながら思いました。この状態を上手く維持していきたいし、これをベースにしながら修正するべきところは修正していけばいいんじゃないかなって。

 

――何度か話に出て来ていますが、先月の『関東レディース』(平口プロは久保田知子プロに敗れて準優勝)は気負っていたのでしょうか。

 

平口:はい、すごく。今までに全くなかったような精神状態で試合に出てました。あれは自分でも異常だったなと(苦笑)。東京に来て初めての女子プロ公式戦だったし、『絶対結果を出さないといけない』って、大会前も、決勝日の前夜も、決勝日の試合中も思い詰めてました。プロスポーツは結果が全てだというのもありますし、環境を変えて悪くなったとは思われたくない……そういうのを自分で背負い過ぎたかなと思います。でも、そんな状態になり、決勝戦で負けたことは自分を見つめ直すいい機会になりました。毎回あんな精神状態で試合してたらとてももたないし、それならどうすべきかを自分で考えてから試合に臨まないといけないなって認識出来ました。

 

――そういう背景もありながらの今回の優勝。喜びもひとしおですね。

 

平口:すごく嬉しかったです。ただ、今回出来たことが次も出来るとは限らないので、ここで落ち着いてる時間はないなっていう風に思ってます。気持ちを切り替えてやっていきます。

 

――7月の『ワールドゲームズ2022バーミングハム』のビリヤード・女子9ボールの日本代表として初めて参加することが発表されました。本番まで約1ヶ月半、どんな準備を?

 

平口:今のこの状態を維持していきながら、今回見付けた反省点に取り組みたいと思います。国際大会では自分が持っている以上のものは出したくても出ないので、あと1ヶ月半、もちろん技術の向上にも取り組みますけど、どうやったら自分の力を最大限に発揮出来るかを考えながら準備したいと思います。

 

――最後に。応援してくれている方に向けてメッセージを。

 

平口:去年東京に出て来たばかりですが、変わらずたくさんの方に励まされ、支えられていることを実感しています。ありがとうございます。まだコロナ禍は完全には収束してないですが、試合が再開されてそこでプレー出来ることは本当に幸せなことだと思っています。スポンサー様、所属店やレッスンの生徒の皆様、応援してくださっている方々、北海道の皆さん、お母さん、とても感謝しています。ワールドゲームズでも応援よろしくお願いします!

 

(了)

 

Yuki Hiraguchi

 

JPBA50期生(2016年プロ入り)

1997年7月11日生

北海道出身・東京都在住

アスリート事務所 A’s land所属

所属店:NIKKA5(東京・武蔵小山)

 

主な戦績:

 

アマ時代:

2013年『全日本ジュニア』

(JOCジュニアオリンピックカップ)優勝

2013年『世界ジュニア』(南アフリカ開催)準優勝

2015年『アマナイン』優勝

2015年『アジア選手権』ジュニア女子の部3位

2016年『第8女流球聖戦』球聖位

 

プロ入り(2016年7月)以降:

2016年・2020年『関東レディースオープン』優勝(2016年大会は最年少優勝記録)

2017年『ジャパンオープン』優勝(女子の部最年少記録)

2018年『東海グランプリ』優勝

2019年『全日本女子プロツアー第2戦』優勝

2019年 中国『CBSAツアー 泰順戦』3位、同『北京 密雲戦』3位

2022年『大阪クイーンズオープン』優勝

 

使用キュー:MEZZ / EXCEED

使用タップ:BIZEN

使用キューケース&グローブ:3seconds

公式サイト: https://www.asland.co.jp/ 

 

 

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