〈BD〉MEZZ『AVANT』(アヴァント)オレンジ、6月20日発売!/西尾祐プロに聞くウェイトセッティングのヒント

 

5月に発売された

MEZZ『AVANT』(アヴァント)。

 

フォアアームとバットエンド、

2箇所でウェイトが調整可能な

「デュアルローディングシステム」(DLS)

を搭載した新構造バットです。

 

BDの紹介記事には

多くの反応・反響があり、

注目度の高さがうかがえました。

 

デビュー時は「ライトブルー」のみの

発売でしたが、6月20日(月)に

新色「オレンジ」のリリースが決定

 

本稿で西尾祐プロが

手にしているのが「オレンジ」です。

 

 

撮影ではリネンラップモデル

(『AVT-O/UJ』)を使用。

ノーラップモデル(AVT-WO/UJ)も

販売されます。

 

価格はライトブルーと同じ。

ノーラップ=¥44,000(税込)、

リネンラップ=¥51,700(税込)です。

 

※シャフトは別売り

※工場出荷時は、

フォアアーム=0.5オンス(約14.2g)、

バットエンド=1オンス(約28.3g)の

ボルト内蔵

 

…………

 

さて今回は、

MEZZ / EXCEEDプロの

西尾祐プロにご登場いただき、

 

プロ視点でのAVANTの特徴・特色に

ついてインタビュー形式でお聞きし、

DLSのセッティングのヒントも

うかがいました。

 

※取材協力:BAGUS道玄坂店

 

 

――西尾プロが思うAVANTの特徴とは?

 

西尾:ウェイトバランスのカスタマイズ性をとても大きく広げたことです。今までキューのウェイト調整と言えば、バットエンドのウェイトボルトだけで行うのがほとんどで、重量を重くするとどうしても後ろバランスになっていました。でも、AVANTのDLS(デュアルローディングシステム)はフォアアームとバットエンドの2ヶ所で調整が出来るので、『重量を変えずにバランスだけ変える』ことも出来るようになりました。これは画期的なことです。そして、別売りのウェイトボルトも使えば、0.25 oz(オンス)単位で細かく調整ができます(※ボルト8種がセットになった『WBS』〈ウェイトボルトセット〉も発売中)。待ち望まれていたシステムだと思います。

 

――この機構をイメージしていたメーカーやプレイヤーは以前からいたと思いますが、商品化は簡単ではなさそうですね。

 

西尾:そうですね。多くのプレイヤーがこういうウェイトシステムを想像したことはあるんじゃないでしょうか。ですが、実際に製品にするのは簡単ではありません。例えばバットを分割出来るプレーキューとなると、打感や性能に影響が出ないか気にする人もいると思います。MEZZ開発チームはじっくり時間をかけてそういった課題をクリアしていったのだと思います。バット分割については、ジョイント部に付いているワッシャーがタイトな結合を可能にしています。そんな風に様々なアイディアを形にできる技術と体制がMEZZにはあります。

 

――西尾プロは普段EXCEEDを使っていますが、そのバットとAVANTの打感を比べると?

 

西尾:AVANTはコンポジットウッドなので、キューによく使われる銘木に比べるとやや硬めの印象です。でも、ガチガチな感じはないですし、シャフトの特性がそのまま素直に感じられる印象です。そして、AVANTが分割出来る構造だということは言われなければ気付かないかもしれません。

 

――西尾プロはこれまでのMEZZ製品と同じように、AVANTのテスターも務めたのですか?

 

西尾:はい、発売前からテストさせてもらったのですが、カスタマイズ性の高いDLSのおかげでプレイヤーとして色々な発見がありました。今までそれほど意識してなかったんですが、同じ重さでもウェイトバランスを前寄り・後ろ寄りに変えることで、キューの特性が変わることが割とはっきり感じられて勉強になりました。

 

――具体的には?

 

西尾:大まかに言えば、後ろバランスにするとキューはしなりやすくなるので、打感は柔らかめになり、タッチが長くなってスピンの乗りが良くなります。反対に、前バランスにすると自然にキューが前に行きやすくなりパワーが出て、その分ヒネッた時の手球のカーブが減ります。付けるシャフトやグリップ位置、撞き方にもよるので一概には言えないですが、僕がAVANTにIGNITEシャフトを付けて試した範囲ではそういう傾向がありました。

 

――フォアアームとバットエンドに入れるウェイトボルトの組み合わせは膨大な数になります。セッティングの自由度が高いがゆえに迷ってしまう人もいるかもしれませんね。

 

西尾:数値とバランスだけで決めるのではなく、やはり実際に撞いてみて、振りやすさ・打感・ボールの動きなども確認しながら微調整していくといいと思います。以下で紹介しますが、マイキューを持っている人はそのバットの重量とバランスをAVANTで再現するところから始めてもいいと思いますし、極端な前バランス・後ろバランスを体験するところから始めてもいいでしょう。

 

――AVANTシリーズに今後期待することとは?

 

西尾:今の黒ベースのデザインもスポーティーでカッコいいですが、選択肢がライトブルーと(6月20日発売の)オレンジだけなので、これからさらにデザインが増えていくことを期待しています。DLSは優れた機構ですし、ユナイテッドジョイントなら付けられるシャフトも多く、初めてのマイキューにも適していると思うので、デザインの選択肢が増えればより多くの人が他の人とかぶることをあまり気にせずにAVANTシリーズを手にしてくれると思います。早く多くの方にウェイトバランスをカスタマイズする楽しさを味わってほしいですね。

 

(了)

 

…………

 

最後に、西尾プロに

ウェイトセッティング例を

3つ挙げていただきました。

 

※別売りのMEZZキュー用

バットウェイトボルトも使用しています

(取材では8種セットの『WBS』を使用)。

 

※工場出荷時はフォアアーム=0.5 oz、

バットエンド=1.0 ozのボルトが入っています

 

 

○ 参考セッティング:

「マイキューと同じバランスを再現」

【前:1.25 oz / 後ろ:0.75 oz】

※シャフトと合わせてトータル19.9 oz程度

 

まず、西尾プロ自身の『EXCEED』のバット(2インチエクステンダー込みで440g=約15.5 oz)と同重量・同バランスをAVANTで再現。工場出荷時のボルトを取り外し、フォアアームに1.25 oz、エンドに0.75 ozのウェイトを入れました。

 

西尾・談:「持ったり振ったりした時の重さとバランスの感覚はほとんど一緒。でも、同じシャフト(IGNITE)を付けて撞いてみると打感やボールの動きは異なります。これはバット材と構造の違いからくるものだと思いますが、コンポジットウッドを使っているAVANTの方が気持ち硬めかなと思います」

 

…………

 

 

○ その1:

「ジュニアや小柄な女性にオススメ。やや軽めの前バランス」

【前:1.0 oz / 後ろ:なし】

※シャフトと合わせてトータル18.9 oz程度

 

次は、身体が大きくなくて、ストロークスピードもまだそこまでないジュニアプレイヤーや小柄な女性に試してもらいたいセッティング。

 

西尾・談:「ジュニア向けのショートキューもありますが、それだと届く範囲が狭くなるので、通常の長さのキューを前バランスかつ、やや軽量にして使うのもいいのではないかと思います。今までの一般的なウェイトシステム(エンド側だけにボルトを入れる機構)では出来なかったそんなセッティングがAVANTなら出来ます。このセッティングならキューがある程度勝手に前に出て行ってくれる感じがあって、重さもそこそこあるのでしっかり撞ける。ジュニアや女性でも振りやすいと思います」

 

…………

 

 

○ その2:

「後ろバランス派・しなりを出したい人に」

【前:なし / 後ろ:1.5 oz 】

※シャフトと合わせてトータル19.4 oz程度

 

次にキュー重量としては平均的ながら、前のボルトは抜き、はっきりとした後ろバランスにしてみました。

 

西尾・談:「後ろバランスのキューを使っている人やエクステンションを付けっぱなしにしている人には馴染みやすいウェイトバランスだと思います。キュー全体のしなりが出やすいセッティングでもあるので、これで撞くと【その1】とは打感や球の動きが違うのがわかると思います。少し柔らかい打感になり、スピンを乗せやすくなります。僕個人としては後ろすぎると感じますが、キューの重みを利用するというより自分でキューを振って撞きたい、しなりを利用して撞きたいという人には適していると思います」

 

…………

 

 

○ その3:

「フロントヘビーでドーンとキューが前に出る」

【前:2.0 oz / 後ろ:0 oz 】

※シャフトと合わせてトータル19.9 oz程度

 

最後は、AVANTだから出来る極端な前バランスセッティング。シャフト込みのキュー重量は標準(19.0 oz~19.5 oz)より重めです。

 

西尾・談:「今までの一般的なウェイトシステムだと、この重さにすると相当な後ろバランスになっていましたが、これはかなりの前バランス。DLSだから出来ることです。【参考】に比べるとバランスポイントが3cm近く前側になり、僕には前バランスすぎて、ストロークがフラつく感じもありますが(笑)、キュー任せで撞ける印象です。特にグリップ位置が前寄りの人なら、それほど違和感なく小さなストロークでもパワー感のある球が撞けるんじゃないかと思います」

 

(了)

 

…………

 

西尾プロが挙げてくれたセッティング例は

わかりやすさ重視で取材用に

考えていただいたものにすぎません。

ぜひ皆さん自身にピッタリな

ウェイトバランスを探してみてください。

 

「セッティングの常識が変わる」AVANT。

お求めは国内MEZZ取り扱い店で。

 

※MEZZ公式サイトAVANTページはこちら

 

※MEZZ / EXCEED / MIKI(株)三木

関連記事はこちら

 

………… 

 

BD Official Partners :  

世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED 

創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN 

ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt 

ビリヤード台・用品のことなら。レッスン場「Poche」併設。日勝亭

カーボン繊維構造REVOシャフト発売中。PREDATOR JAPAN

徹底した品質の追求。信頼できる道具をその手に。KAMUI BRAND

カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation 

国内外トッププレイヤー達が信頼する国産積層タップ。斬タップ

ジャストなビリヤードアイテムが見つかる。キューショップジャパン

13都道府県で開催。アマチュアビリヤードリーグ。JPA

2021年11月25日『船橋店』グランドオープン。 BAGUS

川崎と横浜でビリヤードを楽しむ・習う・競う。MECCA 

カスタムオーダーシャフト『focus1』新登場。Geezシャフト

極上の撞き味を今ここに。国産牛革積層タップ。BIZEN TIP

徹底的なプレイヤー目線でできたJapanタップ。NISHIKI PREMIUM TIP

「チャンピオンのタップ」HOW Tip(ハオ)登場。SHOP FLANNEL

世界が注目。東京発のキューケースブランド。3seconds

第3巻発売中! ビリヤード漫画『ミドリノバショ

Cue Ball Samurai―ビリヤードサムライLINEスタンプ 

 

 


<<<前の記事   次の記事>>>