〈BD〉「ずっと苦しくて、得るものも大きい試合でした」――GPE-2優勝・持永隼史の談話


 

3日(日)の東日本男子プロツアー

GPE-2』で優勝した

持永隼史アマの談話をお届けします。

 

創立20年目を迎えたGPE

(グランプリイースト)。

 

132回の開催のうち

アマチュア選手が優勝したのは

わずかに4回。

 

2004年第6戦:早瀬優治(現プロ)

2016年第6戦:持永隼史

2017年第3戦:今野一輝

今回・2022年第2戦:持永隼史

 

持永選手はただ一人、

2勝を挙げているアマチュア選手です。

 

6年前のGPE初優勝の時と今回とでは、

かなり感じ方が違っていると

持永選手は語ります。

 

…………

 

Junji Mochinaga

1983年2月6日生

長崎県出身・東京都在住

2006年『スポレクA級』優勝

2007年~2010年『第47~50期名人戦』名人位

2010年~2012年『第11~13回マスターズ』優勝

2012年・2014年『JPBAグランプリイースト』年間ベストアマ

2013年『長崎プレ国体』優勝

2016年『JPBAグランプリイースト第6戦』優勝

2022年『JPBAグランプリイースト第2戦』優勝

他、『9ボールクラシック』など優勝・入賞多数

プレーキュー:ナビゲーター『ブルーインパクト』(シャフトは314-3。タップはナビゲーター オートマティックM)

所属店:『パラダイスたまプラーザ店』(神奈川県横浜市)

 

…………

 

――GPEで2度目の優勝。ゲームボールを入れた瞬間のお気持ちは?

 

持永:いろんな感情が湧いてきました。嬉しさや達成感よりも「丸2日間乗り切れた。苦しいのがやっと終わった」という開放感に近い感覚でした。それと、久しぶりの試合で自分のダメなところが見えまくったので、「早く戻って練習したい」という気持ちもありました。

 

――1回目の優勝(2016年)の時とは異なる感覚ですか?

 

持永:まるで違います。以前のように素直に「よっしゃ~!」とは思えなかったです。でも、自分はもともと諦めが早くてさばさばプレーしちゃうところがあるんですが、今回は苦しい場面が続いても最後まで諦めずに撞けたので、頑張って戦い抜いたことには胸を張れます。

 

――プロ大会への参戦が2020年以来だったとのこと。

 

持永:久しぶりに場に緊張しました。「あ、これ、試合だ」っていう。普段なら試合展開はだいたい覚えてるんですが、今回は緊張しすぎてはしばししか覚えてないです。ベスト16(vs 松村学)が特にひどくて、気付いたら6-6になっていた感覚で、「え、いつの間に?」ってうろたえました。経過を覚えてないだけならまだしも、プレー中も頭が回ってなかったので、取り方がわからなくなって余計に緊張するということが何度もありました。手の震えも止まらなかったし、ある意味初心に帰ったというか、公式戦に出始めたばかりの頃のようでした。

 

――ベスト8以降もそんな状態でしたか?

 

持永:接戦続きでしたし、そのままでしたね。地に足つかない感じで、腕も上がらず、なかなか構えに入れない球がありました。見ている方には「遅いな」と思われたかもしれません。一球一球が重苦しくて、とても「勝ちたい」なんて思えなくて、ずっと「苦しい」でした。でも、そういう思考になるのは自分が下手くそだからだと思います。「球が入らないのはしょうがないから、諦めるのだけは止めよう。適当に撞くのはよそう」。そう自分に言い聞かせてました。

 

――苦しい中で貫けたものとは?

 

持永:一番良かったのは、最近ずっと撞点を絞って撞くことを意識してるんですけど、そこはやり抜けたと思います。昔はリカバリー球や派手な球が好みで、試合でも「行って来い」で撞くことがありましたけど、今回はほとんどやりませんでした。というかやったら下手でした(笑)。最近は中心付近の撞点を細かく刻んでコントロールする練習をしています。試合だとそこが大味になってしまいがちですが、今回は手を抜かずにやりました。その分時間がかかるショットや、ビジョンがはっきり描けないショットもありましたけど、大事なポジションニングやセーフティではそれが活きたと思います。一長一短あり、まだまだ完成には程遠いですけど、6年前のGPE初優勝の時とは別人のような球で勝てたのは今回嬉しいことの一つです。

 

――今回のGPE参戦で得られたものとは?

 

持永:初めにも言いましたけど、やっぱり試合は今の自分を認識させてくれるものだと思いました。真剣に球を撞いている人達が集まって最善を尽くそうとするあの空気感に身が引き締まる思いをしました。ごまかしはきかなくて、一発の失敗が尾を引くし、動画や見ている人達の記憶に残っていく。だから震えが止まらない。そんな場に出て行くことで、自分の根っこにある挑戦者の気持ちや、負けたくないという思いを再確認できたと思います。同時に自分の甘いところやぬるいところ、妥協していた部分、プロの方々との差なども否応なしに突きつけられました。苦しんだからこそ得るものは大きかったと思います。

 

お店(勤務する『パラダイスたまプラーザ店』)のお客さんにもぜひ真剣勝負の空気に触れてほしいなと思っています。もちろんビリヤードの楽しみ方は人それぞれで、僕自身、競技ビリヤードだけだと息苦しくなりますし、楽しむビリヤードも大好きです。でも、試合は勝った負けた以上に大きなものをもたらしてくれると思うので、競技と楽しみ、どっちもあるのがいいと思っています。

 

――今後の予定や目標は?

 

持永:コロナも少しずつ落ち着いてきたので、今年はもうちょっと試合に出たいと思っています。今回の優勝で改めて自分はたくさんの方に応援していただいてるんだなと実感しました。お店のお客さんをはじめ、各地のビリヤード仲間やSNS繋がりの方や、面識のない方からもメッセージをいただきました。言葉に出来ないような感謝の気持ちでいっぱいです。僕が試合でプレーすることを楽しみにしてもらえるならそんなに嬉しいことはないですし、これからも皆さんに見てもらっても恥ずかしくないプレーが試合でできるよう全力を尽くします。

 

(了)

 

 

 

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