〈BD〉「きっかけは2015年に……」――POOL WORKOUT構想のスタート地点を湯山功プロに聞く

 

“ショット力向上”を主目的とし、

そのためのフォーム・ストローク・

フィジカルの改善をはかる、

湯山功プロ主宰のパーソナルトレーニング、

POOL WORKOUT

(プールワークアウト。以下、PWO)。

 

2018年の設立以来、

BDでは定期的にPWOの

最新情報をお届けしてきました。

 

今回は主宰者・マスタートレーナーの

湯山プロに、改めてPWO設立に至る経緯、

つまり「前日譚」とでも

言うべきお話をうかがいました。

 

2015年、湯山プロが手応えを得たという

あるトッププロへのコーチングが

話の軸になっています。

 

※設立当初(2018年11月)の

この記事合わせてご覧ください。

 

…………

 

――まだコロナ禍が続きますが、湯山プロは昨年末に関東で無料セミナーを開講したり、PWOとZAN(斬タップ)の代表として精力的に動いています。

 

湯山:コロナが広がり始めた2年前からずっとそうですけど、僕はもう「ビリヤードで皆を元気にしたい!」だけです(笑)。ビリヤード場さんもプレイヤーも大変な状況が続いています。幸いにも僕はまだ動きやすい立場にいますので、自分のプレイヤーやトレーナーとしての知識や経験を総動員して、少しでも皆さんが元気になれるようなコンテンツを発信していきたいと思っています。僕のセミナーでもキュー切れでも動画でも、皆さんが見て笑顔になったり、悩みの解決に役立ったら最高です。コロナが収まったらまたあちこち行きたいですね。そうそう、今度あるYouTubeチャンネルにもリモートで出演する予定です。

 

――PWOは4年目となり、名前も浸透してきているように思います。

 

湯山:急いだり焦ったりはしてないのですが、おかげさまでまずまず順調に来ていると思います。立ち上げた頃は、昔からの『通説』や『神話』に引っ張られてPWOのメソッドを頭ごなしに否定したり、認めないというスタンスの人も結構いましたが、最近は少なくなってきたと感じます。

 

――2018年の立ち上げ当時から変わらない理念とは?

 

湯山:『理論的に正しいことを追求し、わかりやすく伝える』だけです。曖昧な理論は教えないですし、雰囲気では教えない。もちろん『正しさ』も時代とともに受け止められ方が変わりますので、メソッドを公開する前だけでなく、公開した後も検証していますし、的確に言語化することを心掛けています。時代に即した新しい言葉を作って発信することも大事です。

 

――立ち上げ当初の取材で「現在のPWOの礎は2015年頃に築かれた」と言っていました。改めて当時のことを教えていただけますか?

 

湯山:2015年は大きな転機になった年でした。日本女子No.1の河原千尋プロとより親しくお話をさせていただくようになり、トレーナーとして河原プロにショット理論をお教えしたのですが、それを河原プロが認めてくれたことで手応えが得られ、将来性が見えてきたんです。あそこがPWOのスタート地点と言っていいかもしれません。

 

河原千尋プロ(※2020年撮影)
河原千尋プロ(※2020年撮影)

 

――河原プロは初期からの斬タップ契約プロですので、その前からやり取りはあったと思います。

 

湯山:2010年頃からやり取りはありましたが、そこまで込み入った話をする間柄ではなくて。2015年の『関西オープン』で河原プロが優勝した後に食事をご一緒する機会があって、そこで技術や道具について深い話をさせていただくようになりました。そこで意気投合して、翌月(2015年2月)に河原プロはチャレンジマッチ担当、私はレッスン担当という形で、関東7箇所のビリヤード場を2人で巡りました。

 

――『MZビリヤードスクールツアー』ですね。

 

湯山:はい。その時に僕の教え方やストロークなどを河原プロが見て、ショット理論に興味を持ってくださり、パーソナルトレーナーとして河原プロに教えるようになりました。僕の地元(倉敷)と河原プロの店(大阪『アンセーズ』)両方でレッスンしました。

 

――河原プロと言えば以前から安定感あるフォームとストロークがトレードマークです。ショットもしっかりしています。

 

湯山:ハイレベルですよね。ですが、当時は今みたいに多くの球の動きを把握していた訳ではないですし、強い向上心をお持ちで、もっとよくしていきたいというショットがいくつもありました。とはいえ理屈を理解できないものには手を出さない人ですので、科学的に裏付けのあるメソッドが必要でした。その当時、僕の中では基本的なストロークやショットの理論はほぼ完成していたので、自信を持って教えることができました。

 

――具体的にはどんな指導をしたのですか?

 

湯山:ショット全般ですね。自身のストロークやショット時のボールの動きなどをハイスピードカメラで撮って確認して、時に僕が実演しながら、改善のポイントを適切なステップを踏みながらコーチングしていきました。今PWOでやっていることとほぼ同じです。あるショットを生み出すために必要な要素、例えばキューアングル、インパクトの意識、フィニッシュポイント、道具の理論などを重点的にお教えしました。

 

――河原プロの理解は?

 

湯山:早かったです。どんどん吸収して反復練習をして身に付けていきました。男女合わせてもあれほど理解力のあるプロはそんなにいないと思います。トップになるほどの方はやっぱりすごく賢いんだなと思いました。

 

――河原プロに湯山プロの指導法やショット理論が合っていたのもあるでしょうか。

 

湯山:そう思いたいですね。河原プロから『自分に合っている・納得がいく』と言っていただいた記憶があります。僕からすれば、初めて一通りのショット理論をパーソナルでコーチングしたのが河原プロ。まだ全然認められてない頃だったので、当時すでに結果を出しているトッププロに受け入れてもらい、必要とされたことは嬉しかったですし、自信になりました。もっと知識を蓄え、研究を続け、コーチングスキルを高めようと決心したきっかけになりました。大げさではなく今のPWOがあるのは河原プロのおかげです。最近はコロナもあってお会いできていないので、また早くビリヤードの話をしたいですね。新しいメソッドもありますので。

 

――その後、約3年半経って2018年11月にPWOという名前で正式にスタート。

 

湯山:約3年半、複数のプロ・アマにパーソナルレッスンをしていましたが、当時はまだ斬タップ事業とキュー切れショーなどのイベントに費やす時間が長かったので、PWOはゆっくりと準備をしていました。その頃も日本各地に出掛けていましたが、冒頭でも言ったように、あちこちで通説に囚われたプレイヤーの方々を見ましたし、プロがプロとして食べていくことが難しい現状も再確認しました。その3年で『理論的に正しいことを追求し、わかりやすく伝える』とか『プロがトレーナーとして食べて行けるようにする』といったPWOの基本方針を固めることができました。まだまだ歩みは遅いですが、それは少しずつ実現出来ていると思います。2022年も様々なプランを立てていますのでご期待ください!

 

(了)

 

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