〈BD〉「優勝出来るだけのプレーをした実感はある」――『第31回全日本プロ3C選手権(アダム杯)』で初優勝 & 年間ランキング初MVP、宮下崇生の談話

 

先週末の、プロ3C公式戦、

第31回全日本プロ3C選手権(アダム杯)』で

初優勝を飾った、

 

宮下崇生プロ(JPBF)の談話を

お届けします。

 

最後に語ってくださった

「コロナで試合のない期間に

やっていた研究」にとても驚きましたが、

宮下プロらしいなとも思いました。

 

…………

 

Takao Miyashita

1977年7月29日生まれ

0型・獅子座・東京都在住

JPBFプロ(2004年度入会)

2007年『第64回全日本スリークッション選手権』優勝

2017年『第67回全関東スリークッション選手権』優勝

2020年『第31回全日本プロ3C選手権・アダム杯』優勝

所属は『キューベスト』(東京)、

プレーキューはADAM MUSASHI(シャフトはHAMAカーボン、タップはKAMUI BLACK)

プレー歴は約21年

 

…………

 

 

――まずは優勝の感想から。

 

「嬉しいですし、

試合で力を発揮できない時期が長かったんで、

『やっと……』という気持ちです。

 

今回は総当り戦で一番多く勝てたし

(6勝2敗)、

 

アベレージもまあまあ良かったので

(G.A.は梅田プロ〈1.529〉に続く

2番手〈1.507〉)、

 

『ようやく自分の実力で勝てたな』

というか。

これなら文句ないでしょうと(笑)。

 

ただ、今年はコロナ禍で、

試合開催も少なくて(※プロ3C

ランキング対象試合は3試合のみだった)

特殊な1年だったじゃないですか。

 

その影響で状態が良くなかった人も

いただろうし、そういう意味で

ツキもあったのかなと思います」

 

――冷静に自己評価していますね。

 

「少なくとも『全日本選手権』を

勝った時(2007年)とは全然違いますね。

 

あの時は夢のような気持ちでしたけど、

今回は自分は優勝候補の一人という

意識で出てましたし、勝てるだけの

プレーが出来た実感もあるので、

 

なんだろう……

変に盛り上がってはいないですね」

 

――大会前から明確に

優勝を意識していたんですか?

 

「もちろん優勝したいと思ってましたけど、

実は大会前は絶不調で(苦笑)。

 

この2、3ヶ月、

メガネでプレーしてたんですけど、

それが良くなかったのかも」

 

――もともと視力は……?

 

「生活に困るほどではないけど、

若い時に『もっと目が良ければ

球も当たるんじゃないか』と思って、

レーシックをしたんです。

別に当たるようにはならなかったけど(笑)。

 

最近また見え方が手術前の状態に

戻ってきてたのでメガネにしました。

 

11月の『プロ3Cグランツ戦』は

メガネで出て、

アベレージは低かったけど

予選を通過して、本戦は1回戦負け。

 

そしてこのプロ選手権の予選も

メガネで出て、

やっぱりアベレージは低くて。

 

本戦の2日前に思い切ってメガネを

外してみたらまあまあよく撞けたんで、

本戦もメガネなしで行こうと。

 

そうしたら優勝できたので、

やっぱり不調の原因はメガネだったのかな。

 

でも、この先メガネは

必要になると思っているので、

今から徐々に慣れていこうと思います

 

あのブロムダールもメガネを

かけ始めた頃は当たらなくなってましたし、

時間がかかるんだろうと思います」

 

――大会2日間、

プレー内容についての自己評価は?

 

「最終戦一つ前(7試合目)の

萩原(孝昌)プロ戦以外は

普段通りプレーできていて、

よく当てていたと思います。

 

テーブルコンディションに

合わせられてる実感がありました。

 

迷いながら撞くような球がなくて、

ホームで撞いているような感覚でした。

 

萩原プロ戦だけは

良くなかった(32-40〈36 inn〉)。

 

あそこを勝っていれば、

もっと早く優勝を決められていた

と思うんですけど、

それを意識してしまったのかな。

 

ボロボロになってしまって、

アベレージもだいぶ下げちゃいました」

 

――優勝を意識したのは

大会のどの辺りからでしたか?

 

「初日を終えた時です。

 

僕が初日で対戦したのは、

梅田(竜二)さんや

船木(耕司)さんなど、自分より

上位枠にいる人達が多かったんですけど、

 

そこを3勝1敗で終えて、

アベレージも1.7ぐらい出ていて、

暫定2位でした。

 

暫定1位は4勝0敗の新井(達雄)さん。

 

その新井さんと僕は2日目の朝イチで

当たることになっていた。

 

新井さんは2日目に上位勢との

対戦を多く残していたので、

もし僕が勝てばだいぶ有利な

展開になるんじゃないかと思ってました」

 

――その新井プロ戦は、

40-37(24 inn)で宮下プロの勝利。

 

「10キューで25-25ぐらいの、

お互いに当て合う展開で進んで、

終盤になるにつれて重い戦いになって。

 

最後は3モアタイになったところから、

僕がフロックも出しながら上がりました。

 

すごくラッキーでしたけど、

考えていた通り、あそこで勝てて

暫定1位になれたのが大きかった。

 

そこから楽に逃げ切れたということはなく、

最後の一つ前(萩原プロ戦)で

負けちゃうんですけどね(苦笑)」

 

――タイトルの行方は最終節

(8試合目)までもつれ込みました。

宮下プロは梅田プロと優勝争いをしていて、

互いに最終節に勝つと同ポイント。

その場合はアベレージ勝負でした。

 

「はい、それはわかっていたので、

僕は最後(vs 竹島欧)は

ベストゲームで勝ちたいと思ってました。

 

だいぶ緊張感がありましたけど、

自分に有利な展開になることが多くて、

2アベペースで走ってました。

 

途中でちょっと失速したけど、

またツキもあって、なんとか勝てた

という感じです(40-35〈26 inn〉)。

 

ちょっと不安な気持ちで

別テーブルで同時に行われていた

梅田さんの試合の結果を待ってました」

 

――梅田プロは甲斐譲ニプロに敗戦。

 

「僕が先に上がったことで、

梅田さんにはプレッシャーが

かかっていたのかもしれないです。

 

そして、このレベルのリーグ戦で、

全8試合当て続けるというのは難しい。

 

どこかで当たらない時も来るんですけど、

僕にとって萩原プロ戦が

そうだったように、

梅田プロにとってはそれが

最終節だったのかもしれません」

 

――初めてのプロ選手権優勝。

このタイトルの重みは特別ですね。

 

「そうですね。

 

プロ選手権は総当たりリーグ戦なので、

少なくとも実力がなければ

絶対に勝つことはできません。

 

ここで優勝できれば、日本では

皆が認めてくれると思います。

 

プロ達はここで勝つことの難しさを

よく知っているんじゃないかと思います。

 

だからこそ、

『ここで勝ち切りたい』という

気持ちを皆が持っていると思います。

 

そういう特別なタイトルを獲れたという

嬉しさはもちろんあります」

 

Photo courtesy of On the hill !
Photo courtesy of On the hill !

 

――そして、今大会の結果を受けて、

宮下プロが2020年JPBFプロ3C

年間ポイントランキング

MVPになりました。初のMVPです。

 

「全く意識してなくて、

試合が終わった時に『MVPだよ』と

言われて『えーっ』と驚きました。

 

もちろんMVPというのはすごいものだし、

皆がそこを目指していると思いますが、

 

僕は大当たりか三振かっていう

ホームランバッタータイプなんで(笑)、

ランキングで上に行くという発想が

なかったです。

 

このプロ選手権のポイントが

大きいことはわかってたし、

もし優勝したら良い位置に行けそうだな

ぐらいは思ってましたけど、

まさかMVPとは……。

 

『ラッキー! これもいいの!?』

という感じです。

 

特殊な1年だったからこその

結果だと思います」

 

――少し脱線しますが、

コロナ禍で試合が全くなかった

春~夏にかけて、練習量や

モチベーションはどう変わりましたか?

 

「やる気がなくなって、

練習量はだいぶ減ってましたね。

 

でも、家族とゆっくり過ごす

時間が増えたんで、

それはそれで良かったと思います。

 

ビリヤードは、練習というより

研究がメインだったかな」

 

――と言うと?

 

「ビリヤード用品店にあるタップを

全種類買ってみて試し撞きしてました。

 

ポケットビリヤードの

ブレイクキュー用の

樹脂タップも含めて全部」

 

――えぇっ。全部ですか。

 

「はい(笑)。

お金もだいぶ使いましたし、

交換するのがとにかく手間で(笑)。

 

でも、タップの働きやボールの動きを

よりよく理解できるようになりました。

 

左右や上への飛び、カーブ、反発力

……タップによって全然違うんだなと。

 

そして、樹脂タップを使うと

当然いっぱいキューミスするんですけど、

キューミスしにくい撞き方って

なんだろうと考えたり。

 

おかげでボールを捉えるということに

対してだいぶ敏感になったし、

ストロークのいい練習になりました。

 

今僕はタップには詳しいですよ、

全部使ったんで(笑)」

 

――ぜひ今度教えてください。

最後に、今後の目標とは?

 

「これからも国内で活躍して、

もう1回MVPを獲りたいというのが一つ。

 

あとは、もう一度

海外遠征に行きたいです。

 

今43歳なんで、

そろそろラストチャンスかなと思ってます。

 

コロナが落ち着いたら

なるべく早く行けるように、

コロナ中に準備をしておきたいです」

 

(了)

 

 

 

…………

 

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