〈BD〉158分守りっぱなし動画。バンボーニング vs ブスタマンテの『Kick Safe』

 

ワールドトッププレイヤーによる

「守り力」勝負。

 

「隠すセーフティ」とその「返し」

(空クッションからのセーフティ返し)の

パターンの宝庫です。

 

ビリヤードをしない人には

何が面白いのかよくわからない

動画だとは思いますが、

 

世界トップが真面目にやると、

どんなマニアックな設定でも

見るゲームとして成立するという

好例と言えると思います。

 

…………

 

登場するのは、

 

アメリカのS・バンボーニングと、

フィリピンのF・ブスタマンテ。

 

バンボーニングとって

ブスタマンテは、

ビリヤードを始めた頃に

憧れていたアイドルでもあります。

 

場所はラスベガスの個人宅の

ビリヤードルーム。

 

種目はKick Safe(キックセーフ)

というオリジナルゲーム。

 

「ひたすら1番ボールで

セーフティをかけて、

相手のファウルを誘うゲーム」です。

 

1回ファウルをさせると1ポイント獲得。

その7ポイント先取×3ゲーム先取です。

 

勝者が2,500ドル(26万円)を獲得。

 

映像は5編に別れています。↓

 

 

フルゲームのヒルヒル

(第5ゲームの6-6)まで競り合う

スリリングな一戦でした。

 

いつ撮影された映像なのかは

明記されていませんが、

 

ナレーションによると、

このダイアモンドテーブルが、

2015年『モスコーニカップ』

使用テーブルであるということ。

 

そして、バンボーニングのキューの

シャフトがまだカーボンではないこと

(ウッドシャフトであること)

からすると、

 

2016年~2018年の間に

撮影されたのだと思います。

 

どうやら、このKick Safeの

愛好会が存在し、そこがお金を出して

バンボーニングとブスタマンテを

招聘したようです。

 

(なんとなく2000年代後半の

日本のFujiyama(フジヤマ)を

想起させる展開ではあります)

 

バンボーニングもブスタマンテも、

おそらく現場に来て初めて

このKick Safeをちゃんと

やったのだろうと思いますが、

 

すぐさま要点を掴んで

戦術的に撞いていた様子が

ブレイクショット

(弱く当てつつ1番を隠すブレイク)

からもうかがえます。

 

Kick Safeのルールは……、

 

1 使う的球は9個。9ボールと同じようにひし形にラックを組んでブレイクし、3個以上の的球がクッションに入らなければいけない

 

2 必ず手球を1番に最初に当てなければいけない。そして1番を隠すセーフティをして、相手からファウルを奪うことが目的である

 

3 1番を含めどの的球も入ったらフットスポットに戻す

 

4 ジャンプショット不可

 

5 ファウル後はフリーボールで再開。一度ファウルをすると1ペナルティポイントが付く。7ペナルティポイントで1ゲームを失う

 

……となっています。

 

1回相手にファウルをさせれば、

マイターンのまま手球フリーで

リスタートできるので、

よりきついセーフティを

かけやすくなります。

 

そこが連続得点のチャンスでしょう

(上記動画でもそういうシーンがあります)。

 

動画を見ていると、

セーフティや空クッションの

セオリーとして言われている通り、

 

「宙ぶらりんの球(どのクッションからも離れている球)に1クッションで当てることは難しく(ファウル率が高く)、狙った通りにセーフティを決め返すことはさらに難しい」ことがわかりますし、

 

「やむを得ずカーブやマッセなどで当てに行くしかない場合もあるが、当てるだけで精一杯で多くは望めない(効果的なセーフティ返しは難しい)」

という例もいくつか見られます。

 

つまり、

このKick Safeのポイントは、

1番と手球の位置関係をそういう形

(クッションシステムに頼りにくい形)に

することでしょう。

 

このKick Safeはもちろん9ボールの

セーフティの練習になりますし、

 

カイルンやスリークッションや

スヌーカーを撞く人同士で

遊びでやるのにもいい種目だと思います。

 

まあ、地味ではあるんですが……。

 

 

…………

 

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