〈BD〉「シリーズの方向性を推し進めてグレードアップしたブレイクキュー」――西尾祐プロが語るMEZZ『POWER BREAK G』の性能とPBシリーズの歴史

西尾祐プロ(Tasuku Nishio)
西尾祐プロ(Tasuku Nishio)

 

10月16日に発売された

MEZZのブレイクキュー、

POWER BREAK G

(パワーブレイクジー。以下、PBG)。

 

世界的に人気を博す

POWER BREAKシリーズの最新モデルであり、

 

専用設計された新カーボンシャフト、

『IGNITE G』(イグナイトジー)が

標準装備されているということで、

非常に大きな注目を集めています。

 

本稿では、MEZZプロプレイヤーの

西尾祐プロ(JPBA/バグース)に

ご登場いただき、

 

PBGの使用感や、約18年に及ぶ

POWER BREAKシリーズの歴史から見た

PBGの位置付けなどをお聞きしました。

 

※発売直前のPBG紹介記事はこちら

 

…………

 

西尾祐プロはノーラップモデル(PBGW-H)を使用
西尾祐プロはノーラップモデル(PBGW-H)を使用

 

取材場所:バグース道玄坂店(東京・渋谷)

 

 

――冒頭からいきなりですが、『POWER BREAK G』(以下、PBG)の特長を短くまとめていただくと……?

 

西尾祐(以下、西):今も人気の『POWER BREAK Kai(魁)』(以下、PB Kai)の方向性を踏襲して、さらにグレードアップさせたブレイクキューだと思います。PB Kaiはパワーのない人がキューに任せて打っても良し、パワーのある人が強く打っても良し。どんな人でもパワーと手球の安定性の両立が感じられるブレイクキューですが、PBGはそれをさらに推し進めることに成功しています。

 

――西尾プロはMIKI(MEZZ & EXCEED)の多くの製品のテスターも務めておられますが、PBGも発売前に試していましたか?

 

西:はい。PBGのサンプルが初めて公の場に出たのが2018年『全日本選手権』の会場内のMEZZブースでしたが、僕はその前から関わらせていただきました。その2018年版サンプルの時点で明らかに好印象でしたが、メーカーは時間をかけてさらに改良を重ねていました。試行錯誤の過程は僕も見聞きしていますし、テストもさせていただきました。

 

――新シャフトの『IGNITE G』の打感や性能など、より詳しく教えていただけますか?

 

西:IGNITE Gは、適度なしなやかさがあってちゃんと手球を捉えてくれる感覚です。プレーシャフトの『IGNITE12.2』と似たフィーリングがあります。仮に目隠ししてIGNITE Gを撞いたら、打感と打球音からではカーボンだとわからないんじゃないでしょうか。また、振り抜きやすいのも良いところですね。IGNITE Gの先端径はPB Kai標準装備の『DEEP IMPACTⅡ』シャフトと同じ13mmですが、IGNITE Gはシャフトの中央付近までほぼストレートに近いテーパー形状になっていて、より振り抜きやすくなっています。カーボンファイバー製だから剛性を損なわずに振り抜きやすさを高めることが出来たのだと思います。

 

――パワーやヒット感などは?

 

西:僕はPB Kaiよりも一回り上だと感じています。ですが、ブレイクがあまり当たらないという人なら、一回りどころか2~3割ぐらい向上したように感じるかもしれません。というのは、スイートスポットがさらに広くなっているからです。今までならパワーロスしてしまっていたような打ち方でも、PBGならロスが少なくなると思います。そして、プレーシャフトのIGNITE12.2と同じく、トビはかなり出にくく、スピンは入れやすいので、ヒネッて打つブレイクもやりやすいです。

 

――メーカーは「10ボールのブレイクにおける手球の跳ね(ジャンプ)のコントロールも意識した」と語っていました。

 

西:それは実感しています。手球が全く跳ねないということはなく、跳ねすぎて場外することもなく、ちょうどいい具合です。10ボールのブレイクは、適度に手球を跳ねさせることで、手球の動きとラックの2列目の2つの的球の動きをコントロールしやすくなります。以前から、ブレイクが得意な人は手球の跳ね具合を撞き方で調整していたと思いますが、PBGならよりやりやすくなると思います。

 

2018年撮影。西尾プロ所有のPB Kai(青い方)とPB2
2018年撮影。西尾プロ所有のPB Kai(青い方)とPB2

 

――西尾プロは1999年にMEZZプロになり、2002年の初代『POWER BREAK』(以下、PB)から使っていますね。

 

西:今でもよく覚えているのは、初代PBのサンプル品でブレイクした時のことです。パワーがあって手球が安定していて、『すごいブレイクキューが出て来たな』と驚きました。コンポジットウッドを採用したことで、かなり強靭なバットが作れたことがポイントの一つで、それはPBシリーズの伝統として今も引き継がれています。ただ、当時はミスヒットしたらそのまま手球がポーンと飛んで行くこともあり、手球の安定性は今ほどのものではなかったと思います。

 

――2004年に『POWER BREAK Ⅱ』(以下、PB2)が発売。西尾プロはPB2を長年愛用している印象があります。

 

西:PB2は、僕にとっては9ボールに適したブレイクキューです。バットが短いのでバーンと振り抜きやすくて、それでいて手球が安定するのですごく使いやすい。『マスワリ8連発』2004年。JPBA公認の国内公式戦でのマスワリ連発最高記録)はPB2で出しました。PB2と言えば、世界チャンピオンのM・イモネン(フィンランド)は2004年からMEZZ & EXCEEDプロになりましたが、彼はその年の秋の『全日本選手権』で、MEZZブースにあったPB2のサンプルを試して『これはいい!』と感激して、そのままそれを使って優勝したという逸話があります。他にもPB2のあの仕様を好んでいる人は多いと思います。

 

――その後、『DEEP IMPACT』シャフトシリーズ(2005年~)や、『POWER BREAK PRO』(2010年)などもリリースされました。

 

西:DEEP IMPACT(DI)シャフトシリーズは一通り使ったと思います。DIシャフトシリーズが出て、PBやPB2にも標準装備されて、どんどん手球のスイートスポットが広がってパワーロスが少なくなり、手球の安定性も上がっていった……というのが僕の思うPBシリーズの歴史です。フルブレイクしても手球が暴れにくくなりました。時代的にプロの試合の種目に10ボールが採用されることが増えてきたので、僕はDIシャフトシリーズを付けたPBを使うことが増えました。

 

――2014年にはPB Kaiが出ました。

 

西:木のブレイクキューのほぼ完成形ではないでしょうか。MEZZプロではないプロ達も自腹で買うぐらい良いキューで、6年経った今もお店(西尾プロが所属する『バグース』各店)でよく売れていますし、愛用者がたくさんいます。さっきも言いましたが、軽く撞いても強く撞いてもどちらでも良いブレイクが出来るキューなので、使う人を選ばないところが良いですね。

 

――そして今、PBGが出ました。

 

西:完成の域にあるPB Kaiをさらに越えていくのは難しかったと思いますが、カーボンシャフトを採用しただけでなく、細かいところまでじっくり時間をかけて追求して、越えてきました。これから僕は試合ではもちろんPBGを使います。PBGはPB Kaiと同じようにMEZZの定番ブレイクキューとしてこれから長く愛されていくと思います。個人的な希望を付け加えるなら、今後バットのカラーバリエーションが出ることを期待しています。

 

(了)

 

…………

 

西尾プロ、ありがとうございました。

 

『POWER BREAK G』の

お求めとお問い合わせは

国内MEZZ取り扱い店まで。

 

 

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