中国・広州で12/24～12/27の
4日間にわたって開催されていた
『2019 CBSA広州国際オープン』。
これは9ボールの
ミックスダブルス（男女混合）の大会で、
参加選手は中国勢・台湾勢が大半。
韓国とインドネシアの
プレイヤーも参加していました。
2014年に立ち上げられた本大会。
2016年からミックスダブルスイベントに。
プール（ポケットビリヤード）界では
唯一のミックスダブルス国際イベントです。
今年は、ディフェンディングチャンピオンの
張榮麟&韓雨ペアを含め32ペアが参加。
予選グループラウンド→
決勝シングルトーナメント
という方式で行われました。
優勝を飾ったのは、
呉珈慶&陳思明の中国最強ペア。
予選グループラウンドで1-9で敗北を喫した
国際的には無名の若き潘晨&黃清寧ペアに、
決勝戦では13-4でリベンジ達成。
チャンピオンの座に就きました。
優勝：呉珈慶&陳思明（ともに中国）
2位：潘晨&黃清寧（ともに中国）
3位：柯秉中（台湾）&李梧静（韓国）
4位：劉海濤&劉莎莎（ともに中国）
ちなみに、
3位の柯秉中とイ・ウジン（李梧靜）は
以前から交際を続けているカップルペアです。
…………
さて、そんな『広州国際オープン』を
現地で観戦していた、
佐藤千晶プロ（JPBA。現在は休会中）から、
現地の画像やコメントをいただきましたので、
以下でお届けします。
佐藤プロは現在、ご主人と自身の仕事の都合で、
中国の福建省で暮らしています。
…………
佐藤千晶・記：
皆さん、こんにちは。佐藤千晶です。
ちょうど近くで仕事があったので、
広州で行われた9ボールペアマッチイベントを
観に行きました。
大きな川沿いにあるレンガ造りの建物が会場です。
…………
中は体育館になっていて、二面あり、
一方の面にテーブルが6台。
もう一方の面はTV台1台のみでした。
テーブルまでの距離が非常に近く、
試合が見やすい環境でした。
…………
今回私が驚いたのは、
中国でもまだ全く有名じゃない
潘晨（男性）&黃清寧（女性17歳）という
ペアが、世界のトップ選手に臆することなく
堂々とプレーしていたこと。
予選グループラウンドでは、
呉珈慶&陳思明ペアに9-1で勝利しただけでなく、
あとの2試合も9-0、9-3の圧勝でした。
大会パンフレットには
有名どころの選手の写真が載っているのですが、
このペアは記載されていなかったので、
ホントに無名なんだと思います。
旦那さん（ビリヤードが好きな中国人です）も
全く知らないって言ってました。
この潘&黄ペアは決勝戦まで進みました。
中国の若い子はやっぱり力がありますねー！
…………
これは準決勝の
呉珈慶&陳思明 vs 柯秉中&李梧靜の様子。
11-6で呉&陳ペアが勝利。
…………
一番見応えがあったのはもう一つの準決勝、
潘晨&黃清寧 vs 劉海濤&劉莎莎でした。
ヒルヒル（10-10）の場面で、
潘&黄ペアがブレイクイン。
からのプッシュアウト。
意図的に⑦⑧でトラブルを作ります。
劉&劉ペアはパス。
潘&黄ペアは①バンクを入れて
取り切って行き、⑤まで来ます。
⑤を単体で入れても⑦⑧トラブルに
手球を当てられないフリなので、
潘&黄ペアは長考します。
5-9コンビも考えられますが、
単純に非常に難しいだけでなく、
外れた場合は⑤が⑦⑧に向かって、
トラブルを解消してしまう可能性もあります。
ですが、潘は黄の制止を振り切り、
コンビに行きます。↓
そして完璧に決めるのでした！
めっちゃシビれました！
あの場面で決められる潘の精神力、
圧巻でした(´∀｀)！
…………
決勝戦は若い潘&黄ペアの
3連マスからスタート。
しかし、呉&陳ペア（画像）が
タイムアウトを取ってから、
取り切り&連マスで3-3に追い付きます。
潘&黄ペアは5-3に出来る⑧を、
黄が薄く抜いたのが痛かったですね。
そこからはずっと呉&陳ペアが、
安定のマスワリ量産で、
もう相手はほぼ出番なしって感じでした
（13-4で呉&陳ペアが優勝）。
本当にどのカードも世界で
有名な選手がたくさん出ていて、
想像したよりも見応えのある試合でした。
プレー時の真剣な表情もいいのですが、
時折見せる笑顔やペアの選手とのやりとりなど、
個人プレーではなかなか見れない部分が多くあり、
普段以上に選手を近くに感じられる
大会だったのではないかと思います。
今回優勝した陳思明は以前からの友人なので、
決勝日の前日にご飯に誘ったのですが、
断られてしまいました。「翌日に備えて
もう少し練習したい」ということでした。
近年ずっと世界のトップにいる選手なので
勝って当たり前と思われがちですが、
他の選手が帰っても、一人で練習をする。
この行動の違いが、陳思明が
世界のトップを走り続けられる
理由の一つなんだなと感じました。
そういった点も含めて、
多くの発見や刺激があり、
非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。
観戦に行ってよかったです。
…………
最後に私自身の近況をお知らせします。
今年（2019年）の4月より、
旦那さんと私自身の仕事の都合により、
中国の福建省で生活しております。
それに伴い、一旦プロ活動は
お休みさせていただいております。
日本の試合には現時点では出場出来ませんが、
中国の方で日々鍛錬を重ねております。
私の住んでいる地区は
チャイニーズ8ボールが盛んで、
日々渋いポケットに悪戦苦闘しながら
勉強させてもらっております。
復帰の正確な時期はまだお知らせ出来かねますが、
復帰した際には、さらにパワーアップした
佐藤千晶をお届けすることをお約束いたします。
期待して待っていてくださいね。
…………
佐藤千晶プロ、ありがとうございました！
またお会い出来る時を楽しみにしています。
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