〈BD〉「あのTVテーブルで撞けたのはこの上ない幸せです」――10ボール世界選手権3位・吉岡正登の談話

Masato Yoshioka from Japan gets 3rd prize at Predator World 10-ball Championship in Las Vegas.   Photo : Erwin Dionisio https://www.edionisio.com/ https://www.instagram.com/edionisiophotos/
Masato Yoshioka from Japan gets 3rd prize at Predator World 10-ball Championship in Las Vegas. Photo : Erwin Dionisio https://www.edionisio.com/ https://www.instagram.com/edionisiophotos/

 

柯乗中(台湾)の初優勝で幕を閉じた、

第5回 10ボール世界選手権』in ラスベガス。

 

その柯乗中に準決勝で敗れましたが、

国際マッチで初の3位入賞を飾った

吉岡正登プロの健闘も光っていました。

 

本大会には24の国と地域から64名が参戦。

そのうち13名が世界チャンピオンでした

(WPA公認世界選手権の優勝者)。

 

そんな非常に「濃い」フィールドの中で、

国際的な実績はまだほとんどない

吉岡プロが快進撃を見せて

4強入りを果たした。

 

これで世界のプレイヤー・プールファンも

「Masato Yoshioka」の名前を

覚えてくれたのではないかと思います

(ベスト8のライブ中継実況者は

「ヨシオカ」が上手く言えなくて、

何度か噛んだり、「ヨキオシャ」と

誤読したりしてましたが、

今はもう大丈夫でしょう)

 

表彰式直後に吉岡プロからコメントを

いただきましたので、以下でお届けします。

 

…………

 

もう一つ。

 

YoutubeLive中継の中でMC兼レフェリーの

J・レイマンも言っていましたし、

会場内でもアナウンスがあったようですが、

 

来年(2020年)の10ボール世界選手権は、

「3月下旬」に行うとのことです。

 

『USオープン9ボール』が

4/13~4/18にラスベガスで開催確定

しているので、

 

両方出るプレイヤーは

ラスベガスに長く滞在するか、

2度行くかの選択を迫られることになるでしょう。

 

…………

 

※大会公式サイトはこちら(英語)。

(YouTube試合動画・ライブスコア、トーナメント表)

 

…………

 

――3位入賞。初めて国際大会の表彰式に出ました。

 

「海外で表彰式に出たのが初めてだったので嬉しかったですけど、率直に言うと場違い感はありました(笑)。『僕がここに立ってていいのかな』という。決勝戦(柯乗中vs J・フィラー)がすごく良い試合だったからなおのこと」

 

――準決勝は3-10で柯乗中に敗れました。終わった瞬間思ったことは?

 

「『もうちょっと良い球撞きたかったな』ですね。あの試合が今大会で一番内容が悪かったので。TVテーブルのコンディションが僕には難しかったですし、自分でも予期しないようなミスが多かったです」

 

――内容が良くなかった理由、ご自身ではどう考えていますか?

 

「あまり上手く集中出来てなかったと思います。気負わずにやろうと思ってたんですけど、いざ始まってみると変に気負った感じになってしまった。心のどこかに『これはチャンスなんじゃないか』みたいな思いもあったし、やっぱり欲が出てしまったのかな。思えば、直前の練習の時から少し違和感というか、ちゃんと入り込めてない感覚がありました。緊張は全然してなかったんですけど、メンタルが悪い方向に向いてたかなと思います」

 

――TVテーブルのコンディションはツルツル?

 

「そう、ツルツルでした。日本ではまず撞くことのないコンディション。運営側はクリーンなテーブルを維持するように心掛けてくれてましたけど、僕にとってはありがた迷惑だったかもしれません(笑)。もうちょっと重いコンディションの方がまだごまかしが効くというか、撞きたい撞点、撞きたい加減で撞けたかなと思います」

 

――TVテーブル以外のテーブルも難しかったですか?

 

「日本よりはツルツルで難しかったですけど、前哨戦の『ラスベガスオープン』も含めると結構撞いてきてたので多少は慣れてました。でも、TVテーブルの難しさは想像以上でした。そして、TVテーブルはボールをしょっちゅう取り替えていて、毎回ニューボールを撞くような状態でした。試合前に僕が練習で撞いていたボールも試合が始まる寸前に取り替えられたんで、『練習の意味ないじゃん』と思ったり(笑)。たとえるなら台湾のコンディションに近いですね。ワックスがガンガンにかかっているような感じです」

 

――TVテーブルではベスト8と準決勝を撞きました。2試合とも苦労していた?

 

「はい。自分が好きな……言うなら中途半端な撞点を、自分が好きなスピードで撞きたかったんですけど、そうするとだいたい的球を外したり、ネキミス(ポジションミス)したりするので、安全に安全に撞点を選んで力加減を合わせて……みたいなよそ行きの撞き方になってました。とりあえず引き球は引けるし、出来ることは多いんですけど、何をするにしてもコントロールが難しいので、どうしても合わせに行くような撞き方になってしまう。あのテーブルだとしっかりとしたストロークはほとんど必要ないかもしれません。でも、たまにしっかりしたストロークで難しい撞点を撞かないといけない時があるんですけど、僕にはそれを本番でやる勇気がなかったです」

 

――世界のトップたちはそれが出来ている。

 

「はい、フィラーを見ていてもほんとにヒネリが少ないし、しっかり撞くべき所ではしっかり行って成功させてるし……特設のTVテーブルの撞き方をわかっているんだなと。彼に比べると、僕はTVテーブルでは持ってる引き出しの20%ぐらいしか使えてないような感じです。そこは慣れとしか言いようがないけど、TVテーブル経験が僕には全然足りてないなと思いました」

 

――勝った5試合の自己評価は?

 

「上出来です。上出来すぎました(笑)。もちろん運勢が向いてたというのもあるし、想像以上によく撞けたと思います。『ラスベガスオープン』を含めて、勝った試合では自分の100%以上を出せた時間がずっと続いてた感覚があります。勝因はそれに尽きるというか、それが3位という結果に繋がったと思います。でも、さらに上に行くためには、いつでも100%を出せるようにしないといけないですね」

 

――前哨戦の『ラスベガスオープン』から10日以上におよぶ遠征でした。

 

「ラスベガスオープンでは賞金は獲れなかったですけど、そこから行って良かったと思います。競馬と一緒ですよね。『凱旋門賞』(フランス)の前に現地で前哨戦に出てっていう。ラスベガスオープンに出てなかったら、10ボール世界選手権でこの成績は残せてなかったと思います」

 

――疲労感は?

 

「疲れは全然ないです。10ボール世界選手権は、1日1試合ペースで4日目だけ2試合(ベスト16とベスト8)。その2試合もだいぶ間が空いてたので、部屋に戻ってゆっくりしてました。今回の遠征はストレスを感じることがほとんどなかったですね。ルームメイトの栗林(達)プロがこっちでコンロを買ったんで、日本食で自炊してましたし、睡眠もよく取れていて、体調も良かったです」

 

――実り多い遠征になりましたね。

 

「なりましたね~。TVテーブルで撞いている時はもう夢見心地でした。こんな僕でも、こんな内容でも、たくさんの人が見てくれて、拍手をしてくれたり、盛り上がってくれたりして。あのショーアップされたTVテーブルで撞けたのはこの上ない幸せです。競技ビリヤードの世界にいる人であれば、あの雰囲気の中で撞ける幸せ以上のものはないと思います。3位になれてちょっとは名前が売れたかなと思いますし、本当に充実した遠征になりました」

 

――来年、10ボール世界選手権は3月開催のようですね。

 

「はい、またここに戻って来たいです。人生で国際大会でここまで勝ち上がれる機会があとどれだけあるかわからないけど、もう一度このステージで撞くために、海外へのチャレンジは続けていきます。今、出場が決まっているものはないですけど、出来る限り出られるように前向きに検討していきます」

 

(了)

 

…………

 

Masato Yoshioka

1985年10月2日生

JPBA43期生(2009年プロ入り)

京都府出身・大阪府在住

2012年『8ボールオープン』優勝

2014年『全日本14-1』優勝

2019年『関西オープン』優勝

2019年『グランプリウエスト第2戦』優勝

2019年『10ボール世界選手権』3位

他、上位入賞多数

使用キューはPREDATOR

使用グローブはOWL

ビリヤードレッスン場『Poche』(ポッシュ。大阪)代表

スポンサー:日勝亭、ブランズウィック

JPAプロスタッフ 

 

 

 

…………

 

BD Official Partners :  

世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED 

創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN 

ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt 

末永くビリヤード場とプレイヤーのそばに。ショールームMECCA 

カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation

13都道府県で開催。アマチュアビリヤードリーグ。JPA

徹底した品質の追求。信頼できる道具をその手に。KAMUI BRAND

赤狩山幸男プロ参加の平日トーナメント開催中。 BAGUS

カーボン繊維構造REVOシャフト発売中。PREDATOR JAPAN

8月11日大田区産業プラザPiOで『Vol.2』開催。プレミアセブン

2018年4月大阪市淀川区西中島に移転リニューアルオープン。日勝亭

オウルグローブ新モデル「+」(プラス)発売中。SHOP FLANNEL

国内外トッププレイヤー達が信頼する国産積層タップ。斬タップ

 

………… 

 

Cue Ball Samurai―ビリヤードサムライLINEスタンプ 

 

 

 

<<<前の記事