〈BD〉TADの輝き vol.1「ストレートフォアアーム」編その1

 

カスタムキューを多数取り扱っている

UK Corporation

 

その代表、大原秀夫氏が所蔵している

キューを見ていく本企画。

 

(※過去記事はこちら

 

今回からしばらく、

大原氏のキューコレクションの中で

重要な位置を占める「TAD Custom Cues」

(タッドキュー)をご紹介します。

 

…………

 

日系二世であり、日本で木工を学んだ

タッド・コハラ氏が、地元カリフォルニアで

キューを作り始めたのが1963年。

1968年から専業メーカーとなります。

 

1970年代には、アメリカを訪れた

日本選手などによって、高い評価とともに

TADキューが日本に持ち込まれるようになり、

また、正規に輸入されるようにもなり、

日本におけるアメリカンカスタムキューの

代名詞的存在に。

 

プロや上級者がこぞって

使っていた時代があったため、

「いつかはTAD」という言葉も生まれました。

 

大原さんも当時は、そんなTADを使う

プレイヤーたちに憧れていた一人。

 

1980年代に1本目のTADを手にして以来、

その撞き心地やデザインに魅せられ、

収集するようになりました。

 

大原さんがキューディーラーとなってからも、

TADだけは売買の対象ではなく、

コレクションの対象。

 

ごくたまに、人から懇願されて譲ったり、

コレクションから外れることになった

モデルを手放すことはありましたが、

あくまでTADは趣味のキューであり、

メインのプレーキューも20数年間TADでした。

 

タッド・コハラ氏。2006年のICCSにて。撮影/K.Kagomiya
タッド・コハラ氏。2006年のICCSにて。撮影/K.Kagomiya

 

そのポリシーは1990年代後半に

タッド・コハラ氏本人に会い、

親交が深まってからも変わらず、

ビジネスの話は全くしなかったと言います。

 

タッド・コハラ氏は2013年10月に逝去

(※現在、TAD Custom Cuesは

息子のフレッド氏が製作を続けています)。

 

5年経った今、改めて大原氏に、

様々なエピソードとともに、

TADキューを見せていただきました。

 

まず今回は、ストレート(柄なし)の

バーズアイメイプルのフォアアームを

持つこの2本を紹介します。

 

…………

 

 

トップ画像の左のキュー

 

バーズアイメイプルに

ステイン(着色)または

「焼き」を入れたフォアアーム。

 

スリーブはエボニーに

アルミとステッチ状の木材をインレイ。

 

…………

 

 

右のキュー:

 

フォアアームはバーズアイメイプル

(ステインなし)。

 

スリーブのインレイデザインは

TADでよく見られる

ウィンドウとスロッテッドダイヤモンド。

 

大ぶりなドットとステッチラインから

成るリングも定番。

 

…………

 

大原氏談:

 

「製作年代は正確にはわかりませんが、

左のキューは1970年代で

右は1990年代初期でしょう。

 

『ストレート(柄なし)のフォアアーム

+インレイ入りスリーブ』

というパターンのTADキューは

珍しくはありません。

 

たしか当時のカタログでは、

『上下ストレート』のキューが

7万円ぐらいで、こういった

『上:ストレート+下:インレイ』だと

11万円ぐらいだったと記憶しています。

 

左のこげ茶色のキューは、当時は

結構な本数が作られていたと思いますが、

このスリーブのデザインは

あまり人気がありませんでした。

 

今となってはアルミを使った

このデザインは珍しく、また、

初期のものということで手に入れました。

 

フォアアームのメイプルが

ステイン(着色)か『焼き』かは

判別が付きませんが、

 

『焼き』というのは本当にオイルを塗って

火にくべることを言います。

それで表面を削るとこんな色になります。

 

タッドさんは日本の木工の学校を出ていて、

木のことを熟知している人なので、

こういった仕上げもお手の物でした。

 

そもそもキュー製作の基本である、

寝かし(乾燥)の技術が素晴らしく、

TADのバットは本当に曲がりにくいです。

 

仮に曲がったとしても、

だいたいのものならタッドさんは

熱を加えるなどして直してしまいます。

 

ただ『水没キューと火災キューだけは

直せない』と語っていました。

 

右の明るい色のキューは、

ステインでも焼きでもない

バーズアイメイプルを使っていて、

なおかつ、スリーブのデザインの一部が

少し珍しいなと思って手に入れました。

 

ウィンドウの中にマザーオブパールの

スロッテッドダイヤモンド

(切り込みの入りのひし形)を配する

デザインはTADではよく見るものですが、

 

ウィンドウとウィンドウの間に

『矢羽』ではなく、シンプルなひし形の

木材を使っているところが

少しレアだと思います。

 

ですが、これにそっくりなキューを

『キュー探偵K』も持っていることが後で

わかり、2人で大笑いした覚えがあります。

 

このキューのように、

古いTADはインレイに木が使われることが

多かったですが、だんだんとプラスティック

(白樹脂)が増えていきます。

アメリカ国内では象牙を使ったものも

流通しています。

 

我々が『いかにもTADらしい』と感じる、

こういった作り込んだスリーブデザインは、

タッドさんによると製作にだいぶ手間が

かかり、面倒なのだそうです。

 

でも、そのおかげで他のメーカーに

真似されにくく、オリジナリティが

確立出来たという側面もあるでしょう。

 

もはやTADのトレードマークのように

なっているので、大きくデザインを

変えることもなく今に継承されています。

 

 

そして、このモデルには、

TADのデカロゴが入れられています。

 

デカロゴは1990年頃から

3年間ぐらいしか使われていないので、

このキューが作られたのは

その頃ということになります。

 

『T』と『A』と『D』の3文字を、

一つずつ重ねるようにして刻印していますが、

 

その後、

一発で『TAD』と刻印出来るようになり、

より小さなサイズのロゴになっています。

 

ちなみに、デカロゴが入った

第1号モデルは、私がメインの

プレーキューとして使っていた8剣です。

それもいずれご紹介します」

 

(了)

 

…………

 

次回も、

フォアアームがストレート(柄なし)の

モデルをご紹介します。

 

 

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