明日、国内ではプール（ポケットビリヤード）の
『ジャパンオープン』が開幕しますが、
現在、韓国ではスリークッションの
新国際イベントの第1回大会が行われています。
以下、少し説明が長くなりますが、
過去に例がなく、興味深い大会なので
お付き合いください。
…………
大会名は、
『3 Cushion Challenge World Masters』
（スリークッションチャレンジ・
ワールドマスターズ。以下「3CC」）。
世界のトップランカー達24名がソウルに集結。
日本からは森雄介プロ（JPBF）が
ワイルドカードで選出されています。
3名×8組でグループリーグを行い、
各組2名（計16名）が決勝トーナメントに進出。
この大会が（恐らく）
「史上初の試み」と言われるのは、
こちらの記事の下の方にも書いたように、
その競技ルールに理由があります。
一般的な「◯点先取」
（国際マッチでは「40点」が多い）
という形式ではなく、
20イニング限定の「指定配置」対決。
1イニング目は「初球」。
2イニング以降の配置はコンピューターで
ランダムに決定。
台上に、レーザーでラインが投影され、
縦線・横線の交点にレフェリーがボールを置きます。↓
指定の配置を当てられれば、
そのままミスをするまで（ランが途切れるまで）
撞き続けます。
当てられなければ相手に交代し、
相手も同じ配置からプレーします。
それを全20配置行い、
合計得点の多い方が勝者となるルールです。
つまり「よーいどんの当てっこ勝負」。
トッププロ達の攻撃力が試されます。
…………
昨日（7/12）から始まった本大会。
森雄介プロは、
初戦のマ・ミンカム（ベトナム）戦を
落としてしまいましたが、
本日先程終わった、“最強プレイヤー”、
F・コードロン（ベルギー）戦は、
49-38で勝利。
試合で対戦したのはこれが2回目で、
今回が初勝利だったそうです。
森プロは、
1勝1敗でグループリーグの戦いを終え、
A組（3名）で暫定1位
（マ・ミンカムvsコードロン戦の結果により、
決勝ラウンド進出が決まります）。
↑14日午前0時追記：
森プロの決勝ラウンド進出が決まりました。
ベスト16は7/14の11時から
S・シドム（エジプト）と対戦します。
BDはコードロン戦をKOZOOM（有料配信）で
見ていましたが、かなり楽しめました。
ワイルドカードで抜擢された
国際的な実績があまりない日本の若手選手が、
韓国でも人気の世界最強プレイヤーに当て勝った。
森プロ、ナイスです。
視聴率も高かっただろうと思いますし、
この1試合で名が売れたはず。
内容面について言うと、
BDの記憶では、20の配置のうち、
両者が違う取り方を選んだのが2、3ありました。
また同じ取り方でも、
撞点やスピードが違う球もありました。
2人のプレイヤーの
取り方・撞き方が比較出来るのは、
この試合形式ならではの面白さだと思います。
参考までに、2人が撞いた20の配置はこちら。↓
皆さんならどう当てるでしょうか。
気になる方は（恐らくyoutubeなどには
上がってこないと思うので）、
KOZOOMで見ることをおすすめします。
…………
韓国にいる森プロ本人と連絡が取れたので、
コメントをいただきました。
森雄介・談：
「会場は五つ星ホテルで、
前日のレセプションパーティーも含めて
演出などもしっかりしてますし、
華やかなイベントという印象です。
ただ、プレイヤーもスタッフも観客も、
誰もが初めての試合形式で慣れていないですし、
勝負所も皆イマイチわかってないので、
まだなんとも言えないですね。
勝っているプレイヤーは
『いいんじゃない？ こういうのも』と言うし、
負けたプレイヤーは
『ダメでしょう、これは』と言うし（笑）、
そういうものですよね。
僕個人もまだなんとも言えないですけど、
気持ち的には普段の試合形式の時と
同じように撞けています。
1試合目（マ・ミンカム戦）は
緊張もしていたし、状態も良くなくて負けました。
コードロンとの試合は、
『楽しんでやろう』と思い、全然緊張もせずに
試合に入って行けました。
『アレナ（森プロの所属店）で、
普通のおじさんと撞いている』という設定で
やってたら上手く行きました（笑）。
でも、途中から
『やっぱり上手い。普通のおじさんじゃない。
コードロンだ』と思ってしまい、
僕が当たらなくなってしまったけど（苦笑）。
最後（20イニング目）の球は、
コードロンが先に撞いてくれたので、
キスのかわし方がわかって助かりました（笑）。
試合前は誰もがコードロンの勝ちだろうと
思っていたと思いますので、
勝てて嬉しいですね。
この大会は、KOZOOMだけでなく、
MBC（韓国のスポーツチャンネル）や
カカオトークなんかでも
生中継されているみたいです。
僕、試合が終わって、
初めてサイン攻めにあいました（笑）」
…………
森プロ、ありがとうございます。
引き続き健闘を祈ります。
