千葉県千葉市緑区に1999年にオープンした
JPBA松田渉プロが所属している
このトレスクエアおゆみ野が、昨年4月に
「会員制ビリヤード・ダーツクラブ」へと
移行したことは、千葉のビリヤードファンなら
すでにご存知でしょう。
月額の会費(税込10,800円。入会時には
入会金2,160円も必要)を払えば、
「好きな時に好きなだけ」
利用出来るという形態。
基本的にスタッフは常駐しておらず、
入店から台清掃、片付け、退店まで
全てをセルフで行います。
こういった完全会員制のクラブは
ヨーロッパなど海外では見られますが、
日本ではかなり珍しいもの。
現在も会員募集中だというトレスクエアにお邪魔し、
その特徴をリサーチしてきました。
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BDがトレスクエアに伺うのは6年ぶり。
その時と外観は変わりませんが……
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ドアは常に施錠されており、
会員だけに渡されているカードキーで入店します。
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店内にはポケットビリヤードテーブル7台、
キャロムテーブル1台の計8台があります。
その内訳は、
『ブランズウィックゴールドクラウンⅤ』2台、
同『4』1台、
同『3』・2台、
『ダイヤモンド』1台、
『コロネット』(台湾台)1台。
そして、キャロム台は『ビバーチェ』。
こちらは昨年4月、会員制に切り替わった
タイミングで導入されたものです。
そして、ダーツは
『ダーツライブ2』が3台と
『ダーツライブ』が2台の計5台。
『タッチライブ』もあります。
当然ですが、会員になれば
これら全ての台・マシンで好きなだけ遊べます
(※ゲーム機は別途料金がかかります)。
また、定期・不定期の常連会や
ビリヤードハウストーナメントは
会員制になっても開催されていて、
JPAのチームもあります
(※イベント時にはスタッフがいます)。
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「スタッフレスの会員制クラブ」であることを
物語る設備もあちこちにあります。
画像1枚目:入り口近くには、同伴ビジターや
体験利用者の料金を収める「代金投入BOX」が
(中央右側のスチール製のボックス)。
カウンターには「ドリンク専用現金投入BOX」もあります。
また、分別回収のゴミ箱も設置。
2枚目:ソフトドリンクやアルコール類は
この冷蔵庫から取ります。
アルコール類の店内持ち込みは不可。
3枚目:会員が自由に使える「お客様専用冷蔵庫」と
電子レンジも。食べ物の持ち込みはOKですが、
調理が必要な食材の持ち込みはNG。
4枚目:ボールや台清掃アイテムはこちらに。
取材の数日前には会員に向けた
「台清掃講習会」が開かれていたそうです。
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会員も入れないスタッフルームには
24時間モニタリングシステムが。
セキュリティがしっかりしているので、
多くの会員が、移行前と変わらず
お店に置きキューをしています。
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BDが訪れたのは平日の昼すぎでしたが、
ビリヤード・ダーツともに会員さんがいました。
以前、自身でビリヤード場を構えていた
経歴を持つ千葉トップアマの
東郷洋一郎さんも会員の一人。
「会員制になると聞いた時は『大丈夫かな』と
思いました。スタッフはいないし、
無法地帯にならないだろうかと(笑)。
でも、そんなことにはならず、
この1年数ヶ月大きな問題も発生していません。
もともとトレスクエアは和気藹々としていて、
アットホームなお店。
仲間意識は強いと思います。
かといって派閥がある訳でもありません。
個人的にはもっと競技志向のプレイヤーが
増えたら楽しいだろうなと思いますし、
今のこの形態は競技プレイヤーには
最良じゃないかと思います。
練習し放題ですからね」
(東郷さん)
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こちらは左から、
長谷川さん、松田プロ、木嶋さん。
「初めは正直心配でしたね。
キューの管理の問題とか
台のメンテナンスのこととか。
でも、東郷さんなどビリヤード場運営を
わかっている人が会員さんに
複数いたことも大きくて、
今は皆すっかり慣れてきていると思います。
僕は週4ぐらいで来ていますけど、
やっぱり経済的なメリットは大きい。
そして、いつでも好きな時に撞けるので、
日常生活にビリヤードの時間を
より組み込みやすくなりました」
(長谷川さん)
「トレスクエアはもともと常連さんが
多かったビリヤード場だということもあり、
会員制に替わってからも、
皆で気持ちよく利用出来ていると思います。
僕は普段、日中は別の仕事をしていますが、
現場が急遽キャンセルになった時なんかは
朝からここに来ています。
24時間空いてるのはすごく便利です」
(松田プロ)
「週4回程度、車で30~40分かけて来ています。
この価格設定はとても魅力的で、
時間を気にせず撞けるのが良いです。
誰か一緒に撞ける人がいるとどんどん長くなり、
12時間撞くこともあります(笑)」
(木嶋さん)
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最後に、トレスクエアの経営母体である
(有)内山コーポレーションの内山幹治さんに
「なぜ会員制にしたのか」を中心に
話を聞いてみました。
内山さん・談:
「直接的なきっかけは長く務めてくれた店長が退職することになったからです。新しい人を入れて従来通りやるという判断は経営側としてはくだせませんでした。店を畳むことも考えましたが、この地域からビリヤードテーブルの台数を減らしたくはなかった。自分で始めたお店だったので思い入れもありますし、常連さんも多くいたお店だったので、居場所をなくしてしまうのも忍びない。閉めるぐらいなら形態を変えてでもなんとか残せないものかと。
そんな時に参考にしたのが、私が利用していたゴルフ練習場です。月額1万円で夜明けから日暮れまで好きな時に入場してやっていいという所があります。料金の安さもさることながら、自分都合で利用出来る点が良い。そこが会員制のヒントになっています。コンビニもスポーツジムも無人化の動きがありますが、ビリヤード場でも可能だろうかと、ちょっとした実験心もありました。
そこから規約やシステムを考え、説明会を開いて常連さんに伝えました。だいぶ驚かれましたし、反対意見もありました。1年経った今も提案を頂戴することがあります。ですが、好きな時に好きなだけ利用出来ることはとても大きなメリットだと、会員になってくださった方は皆さんおっしゃいます。お弁当を持ってきて一日楽しむという方もいますし、ダーツやスリークッションの楽しさに目覚めたという方もいる。思い思いの利用法で楽しんでくださっているのはこちらとしても嬉しいです。
現在、会員の7割がビリヤードです。そして、我々が思ったよりも広い範囲からお客様が来ています。やっぱりある程度以上ビリヤードがわかっている方や競技志向の方にとっては、自分のペースで思う存分撞ける場は魅力的なのだと思いますし、千葉県はここより南や東に行くと、ビリヤードが出来る場所がさらに少なくなるので、ここに来れば一緒に撞ける人がいるというのも大きいのでしょう。
そういった評判が口コミで伝わって新しく会員になる方もおられますし、体験利用や同伴ビジターとして来られる方もいます。ただ、当初掲げた目標の会員数にはまだ達していません。やっぱり会員制クラブというのは新しい人が入ってこないと新鮮味も楽しさも薄れてしまいますので、より多くの方に入って来ていただきたいと思っています」
(了)
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365日・24時間、いつでも利用OKな
会員制クラブ、トレスクエア。
会員申し込みや、問い合わせは、
k-note@uym.co.jp(担当:内山)までメールを。
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■ Hall Information
トレスクエア おゆみ野
住所:266-0032 千葉県千葉市緑区おゆみ野中央9-15-1
最寄り駅:JR外房線・鎌取駅、京成線・おゆみ野駅
駐車場:20台
電話:043-293-5199
ビリヤードテーブル台数:ポケット7台、キャロム台1台
ダーツ:5台
その他施設:カウンター約10脚。タッチライブ、ゲーム機
営業時間:24時間
定休日:なし
スタッフのいる時間:週末(金土日)の日中とイベント開催時
入会金:2,160円
会費(月額):10,800円
家族会員(月額):6,480円
同伴ビジター(時間制限無し):1,500円
2時間体験利用:1,000円
公式サイト:http://www.uym.co.jp/tre/index.html
FBページ:https://www.facebook.com/tresquares/