〈BD〉……だから私はMEZZ & EXCEED。~西尾祐編(前編)~

 

「信頼のジャパンメイド」として

世界のビリヤードシーンに浸透している

2つのキューブランド、

MEZZ(メッヅ)& EXCEED(エクシード)

 

そんなMEZZ / EXCEEDのキューをテーマに、

契約プロスタッフに道具のこだわりを

語っていただく企画。

 

今回ご登場いただいたのは、

『バグース』のチーフインストラクターであり、

キューを始めとする各種ビリヤードアイテムに

精通している西尾祐プロです。

1999年にMEZZプロとなった西尾プロは、

最古参のMEZZプロでもあります。

 

前編となる今回は、

『EXCEED 西尾祐モデルEXC-8TN』に始まり、

シャフト、ブレイクキュー、

ジャンプキューといった、各キューについて

たっぷりと語っていただきました。 

 

…………

 

 

↑ EXCEED 西尾祐モデルEXC-8TN。シャフトは『ハイブリッドアルファ』、タップは『エルクマスター』。シャフトの先端寄りに引かれた縦の黒線はキューラインの確認用。西尾プロ自ら描いたもの

 

…………

 

語り手:西尾祐プロ

聞き手:BD

取材場所:バグース道玄坂店(東京・渋谷)

 

 

――まず、プレーキュー『EXCEED EXC-8TN』について教えてください。

 

「完成したのが2008年の12月頃です。僕は1999年にMEZZ((株)三木)プロになって、これが5本目のキューで、EXCEEDとしては2本目です。出来て10年経ちますけど、未だに自分のキューが一番カッコイイと思っています(笑)」

 

――特徴はキュー尻まであるグリップ部。

 

「一つ前のキューを使っていた時、革巻きが擦れてきたから替えようと思ったんですが、好みの革がなかったので、仕方なくグリップの上にゴムを巻きました。そうしたら段差のさかい目が気になって。そこでキュー尻までゴムを伸ばしたところ、思いのほかそれが良かったんです。なので、このキューを作る時に『後ろまでグリップ部があるキューは作れますか』と聞いたところ、『出来ます』とのことだったのでお願いしました」

 

 

――フォアアームはボコテをベースに、バーズアイメイプル・白樹脂・パウア貝からなる長短8剣が入っています。

 

「『パウア貝を大きく使ってジャギジャギジャギーンとした剣を入れてください』とお伝えしました。イメージはファンタジーもののアニメやマンガで出て来るようなながーい剣です(笑)。パウア貝が綺麗で好きなので剣の内側にいっぱい使ってもらいました。リングにもパウア貝を使っていますが、EXCEEDの限定モデルか何かで見たことがあったので、『同じものを』とお願いしました」

 

――この革巻きの革はなんですか?

 

「サメです。僕は手汗をかく方なので、ちょっと硬めで、溝のしっかり入っている革が好みです。最初は牛革の型押しを巻いていただきましたが、僕は自分で革巻きが出来るので、擦れてきたタイミングで巻き替えました。

 

後ろの方までグリップ部がありますが、常に後ろの方(一般的なキューで言う「スリーブ部」)を握って撞いている訳ではないです。たいていは通常のグリップサイズでも大丈夫なぐらいの所を握っています。でも、レールブリッジなど、キュー先を長くしてバットの後ろの方を持つ時に、握った感触が変わらないというのがこのグリップの良いところ。普通のキューだと、後ろの指(薬指と小指)だけグリップ部から外れたりしますよね。僕はそれが気になっちゃうんです」

 

 

――重さやバランスについてこだわりは? そして、EXCEEDの『2インチエクステンダー』を付けている理由は?

 

「僕は結構重めが好きです。今、エクステンダーを付けた状態で19.5oz~19.75ぐらい。エクステンダーを付ける前は1オンスのウエイトボルトを入れていました。今はそのウエイトボルトを抜いてエクステンダーを取り付けています。

 

エクステンダーを付けることによって、重量増加によるパワーアップ効果が期待できますが、僕はそれが目的ではありません。単純にちょっとキューが長くなることで届かない球が減って助かるなと。前にもお話した通り、試合以外の時には『DIGICUE BLUE』を付けています。DIGICUE BLUEと2インチエクステンダーは重さがほぼ一緒なので、付け替えてもバランスは変わりません。僕のためにあるような奇跡的な組み合わせだと思っています(笑)。2インチエクステンダーにもサメ皮を巻いています」

 

――ジョイントは『UJ』(ユナイテッドジョイント)ですね。

 

「一般発売モデルは『ウェイビー』ですが、僕個人のは『UJ』です。ウェイビーに比べるとUJはわずかにしなりが出るジョイントなので、ショットの細かいニュアンスが出しやすいかなと思って、僕はUJにしてもらいました。僕はもともと叩いたりするようなパワーをかける球は得意ですが、柔らかく撞くのがそれほど上手くないので、UJなら柔らかく撞く球がやりやすいだろうと」

 

――メインシャフトは『ハイブリッドアルファ』。

 

「一般発売モデルには『ハイブリッドプロ2』が搭載されていましたが、僕は『ハイブリッドプロ』の方がトビとカーブの感覚が合っていたので、ハイブリッドプロにしました。その後アルファに移りました。

 

僕はもともとノーマルシャフトでビリヤードを覚えているので、ヒネる時にトビが出にくい撞き方がある程度身に付いています。なので、個人的にはトビがなさすぎるシャフトは少し扱いづらいと感じています。

 

ハイブリッドプロはトビとカーブが良い感じで相殺されている感覚があったのですが、プロ2はトビはすごく少ないけどカーブは出る感じがして、それが僕には難しかった。その点、アルファは僕にとってはトビとカーブのバランスがちょうど良いシャフトです。そして、アルファはハイブリッドプロよりもスピンのノリが良くなって、引き球がすごく楽になりました。アルファの打感も好きですね。マイルドすぎず、カツンと来るところがあって。

 

ただ、今、MEZZのハイテクシャフトで何をおすすめするかと聞かれたら、その人が今どのシャフトを使っていて、どういう要望があるのかにもよりますが、一般的には、まず『EX Pro』を挙げます。トビが少ないんですけど、パワーがあるおかげでカーブもそれほど出ない。そして、打感が硬すぎることもなく、すごく良いシャフトだと思っています」

 

――タップは何をお使いですか?

 

「長いこと『エルクマスター』です。単層タップの打感が好きだということと、チョーク乗りが良く、摩耗に強く、同じ状態で使える時間が割と長いタップだと思っています。でも、単層タップの当たり外れの選別とコンディションの維持は慣れている人じゃないと難しいと思います。そのあたりが自分で出来ないという人には、今は国産の高性能な積層タップがたくさんあるので、そちらをオススメすることが多いですね」

 

 

――ブレイクキューのバットは2本あります。『パワーブレイクKai(魁)』(青い方)と『パワーブレイク2』。シャフトは『ディープインパクト2』。

 

「10ボールの時はKaiを使っています。パワーとコントロールのバランスがすごく良く、強く撞いても手球が安定しているし、コントロール重視で撞いてもパワーがある。強めから弱めまで、どんな力加減でブレイクしてもコントロールがしやすいキューです。僕は強くブレイクする方ですが、ブレイクで手球が場外に飛び出すことはありません。価格的にもお手頃で、初心者から上級者までレベルを問わずおすすめ出来ます」

 

――パワーブレイク2はどんな時に使うのですか?

 

「9ボール用です。9ボールのブレイクは10ボールほどパワーを必要としないので、より安定感を求めて打つ時に使っています。パワーブレイク2は手球が暴れづらく、適度なパワーもあります。先日日本に来たA・フィッシャーも使っていましたね」

 

――ブレイクキューの2本とも後付けでグリップを巻いていますね。これは……?

 

「釣具のラバーチューブです。加熱すると収縮するタイプのもの。20年ぐらい前に結構流行っていましたよね。これをプレーキューに巻く人もいます。テニスラケット用のグリップも試したことがありますけど、あれは結構摩耗が早いのでこちらの方が良いかなと。あと、僕はブレイクキューは重めが好きなので、これを付けることで少し重くなるところも気に入っています」

 

 

――ジャンプキューは『エアドライブ』。

 

「ショートレンジからロングレンジまで、どの距離でも飛ばしやすい万能ジャンプキュー。僕はダーツストロークもこのシャフトのままやっています。飛ばしやすいキューなので、方向や着地点のコントロールに集中出来ます。

 

今年の夏にはカーボンシャフトを採用した新モデル、『エアドライブ2』が出る予定です。あれは相当良いみたいなので、早く使ってみたいと思っています」

 

(了)

 

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近日、本インタビューの

「後編」をお届けします。

キューケースや小物類、そして、

MEZZとの出会いを語っていただきます。

 

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※土方隼斗プロ編はこちら→ 「前編」「後編

※河原千尋プロ編はこちら→ 「前編」「後編

 

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