〈BD〉【寄稿】オサリバン世代の次は……!? 現代ワールドスヌーカープレイヤー Top 10 vol.3

 

日本ではまだ競技人口が多くないものの、

世界で最もメジャースポーツ化

(≒ 観るスポーツ化)に成功している

キュースポーツと言えば、『スヌーカー』です。

 

そんなスヌーカーの人気は、

時代時代を彩るスター選手達の存在に

支えられてきたと言っても過言ではありません。

 

近年最も人気のある選手といえば

ロニー・オサリバン(41歳)ですが、

メジャーイベントの優勝争いの中心は

彼の5歳~15歳下の世代に移ってきています。

 

……ということで、

本場イギリスのスヌーカー事情に明るい、

ブログ「The First Break」さんにお願いして、

 

オサリバンの下の世代の

「今見るべき選手」を10名、注目動画とともに

ピックアップしていただきました。

 

3回目となる今回は、

3位と2位の2名をご紹介します。

 

※Vol.1はこちら 

※Vol.2はこちら

※Vol.4はこちら

 

…………

 

The First Break記:

 

こんにちは、スヌーカーブログ「The First Break」です。早速、前回に引き続き、3位と2位のプレイヤーを紹介していきます!

 

…………

 

■第3位   ロニーのスタイルを継承する男、ジャッド・トランプ

 

 

大一番での信じがたいセンチュリー・ブレイク-――『マスターズ2016』より↓

 

世界選手権でのクリアランス――『世界選手権2016』より↓

 

 現在のスヌーカー人気の一端を担っているのは間違いなくこの人、ジャッド・トランプでしょう。現在28歳の天才はアマチュアの頃から頭角を現していました。イングランドのジュニア大会で優勝を重ね、14歳の時には『U-21 IBSF世界選手権』で147を達成してロニー・オサリバンの記録を破り、試合での最年少147記録を更新しました。

 

 トランプがスターダムに駆け上がったのは2011年からでした。『チャイナオープン』でランキング・イベント初勝利を挙げると、翌月の『世界選手権』では連戦連勝の末、決勝戦まで辿り着く大活躍。最終戦ではジョン・ヒギンズに惜敗してしまいましたが、この大会で見せたセンセーショナルなポッティング、異常なまでのアグレッシブなセレクションは多くの観客を魅了しました。まさに新時代スヌーカーの到来を予感させるゲームとなり、歴代の世界選手権・決勝戦で屈指の名勝負と言われています。

 

 

 トランプが3回登場――『世界選手権2011』Best Shot↓

 

 そして、同じ年には『UKチャンピオンシップ』でマーク・アレンを下し、遂にビッグタイトルを獲得、結果世界ランキング1位になりました。それ以降も安定した成績を残し、世界ランキングでは一桁台を常にキープしています。2017年の『世界選手権』では最有力候補として名前が挙がっていましたが、Last 32で“最も優勝から遠い男”、ローリー・マクレオドに敗北を喫するという大波乱。これは「歴史的な世界選手権1回戦での悲劇」と呼ばれ、ファンを落胆させた試合として長く記憶されることになるでしょう。まだ『世界選手権』と『マスターズ』の優勝経験が無いだけに、それがいつ達成されるのか注目されています。

 

…………

 

■第2位 東洋のスター、ディン・ジュンフィ(丁俊暉)

 

 

ブラック縛りのスーパー・クリアランス――『プレイヤーズ・チャンピオンシップ2017』より↓

 

クルーシブルでの139――『世界選手権2017』準決勝戦より↓

 

 ディン・ジュンフィ。彼こそはスヌーカーの歴史の中で最も活躍しているアジア人です。ディンの強みはなんといっても安定したブレイク・ビルディングです。現在は450を越えるセンチュリー・ブレイク、6回の147を記録しており、歴代のプロでブレイク・ビルディングのクオリティの高さは確実に5本の指に入るでしょう。


 9歳の時にスヌーカーを始め、アマチュアの『アジア大会』と『IBSF U-21世界選手権』を優勝した時は15歳でした。これは最年少記録として現在も破られていません。翌年の2003年からプロとしてメインツアーに参加。そして2005年には18歳でビッグタイトルの『UKチャンピオンシップ』のトロフィーを手にしたのでした。ディンは20歳までに3つのランキング・イベントで優勝しており、これを他に達成しているのはロニー・オサリバンとジョン・ヒギンズだけです。

 

 ディンはその後も着実に大会で優勝を積み重ねていき、2009年には2度目の『UKチャンピオンシップ』の優勝、2010年は『マスターズ』も制覇し、2013/2014年シーズンでランキング・イベント5勝と、それまではスティーブン・ヘンドリーしか達成していない圧倒的な強さでスヌーカー界を支配しました。アジア人初のビッグ3獲得まで残すは『世界選手権』だけとなり、中国からは熱烈な期待がディンに注がれていました。しかし、世界選手権では上位まで残れない期間が続きます。


 そして、クルーシブルに参戦し続けて10年目の2016年、準決勝でアラン・マクマナスに対してクルーシブル史上最多となる7回のセンチュリー・ブレイクを浴びせ、満を持して決勝の舞台に辿り着きました。このステージで対峙したのは、どんなタイプのプレイヤー相手でも崩れることのない2014年世界チャンピオン、マーク・セルビーでした。攻めのディンか守りのセルビーか。試合開始から激戦が予測されましたが、ディンはアジア人初の決勝戦進出の重圧からか思うようにプレイできず、セルビーに大きくリードを許してしまいます。それ以降のセッションで追い付く直前まで行きますが、試合巧者のセルビーはするするっとかわして結局一度もフレームカウントで追い付かれることなくディンを葬り去りました。しかし、この経験はディンをより一層強いプレイヤーにしました。


 翌2017年の世界選手権でディンは絶好調で、準々決勝ではロニー・オサリバンと戦う事になりました。ちなみにディンはロニーとの相性が圧倒的に悪く、これまで「ビッグ3」では一度も勝ったことがありませんでした。象徴的な試合が『マスターズ2007』です(下記映像)。この時ディンは初のマスターズ決勝戦進出を果たし、中国全土の期待を一身に背負っていました。しかし、試合が始まるとロニーの出色の出来栄えの前に、為す術もなく座っているだけでした。この時19歳の少年は目の前の強大な存在に圧倒され、戦意喪失から涙を流したのでした。

 

 

 それからちょうど10年の月日が流れました。スヌーカー界最高の舞台でロニーと戦うのは初めてです。これまでの集大成を見せるにはこれ以上の場所はありません。

 

 

 この結果、ディンは遂に10年目にしてロニー超えを果たしたのでした。歴代最高のプレイヤーと評されるロニーを倒すことは、それだけでステータスになります。しかもクルーシブルというこれ以上無い舞台で。この時ディンはこの大会で間違いなく一番勢いがあるプレイヤーでした。続く準決勝の相手はマーク・セルビー。ここで前年の準優勝の雪辱を果たすことが出来れば、ストーリーとしては完璧でした。しかし、現実はそう簡単には行かないものなのでした。


 ディンは今年の9月には中国の玉山県で行われた『ワールドオープン』で優勝し、これでランキング・イベントで13勝を記録しました。これは現役の30歳代までのプレイヤーの中では最多勝利となっており、今後もスヌーカー界の最前線に立つ存在として活躍し続けるでしょう。

 

…………

 

次回は、1位の紹介です。

もう誰だか想像が付いている方も多いと思いますが、

あの選手をご紹介する予定です! 

 

※Vol.1はこちら 

※Vol.2はこちら 

※Vol.4はこちら 

 

…………
BD Official Partners :  
世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED 
創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN 
ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt 
末永くビリヤード場とプレイヤーのそばに。ショールームMECCA 
カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation 
JPAでハワイへ行こう! ALOHA ! Challenge 8-ball 2018
徹底した品質の追求。信頼できる道具をその手に。KAMUI BRAND
11/21まで「Let's enjoy ビリヤードキャンペーン」。BAGUS
カーボン繊維構造REVOシャフト発売中。PREDATOR JAPAN
大井直幸プロ使用OWLグローブなど販売中。OWL PRODUCTS
プレイヤーをサポートするグローブ&パウダー。TIE UP 
最寄り駅は中延(品川区)。工藤孝代プロ所属。Billiard Oops !
………… 
Cue Ball Samurai―ビリヤードサムライLINEスタンプ