〈BD〉「ハマのキュー集会! The 2nd TOC Nippon」――Detective “K” season 2 inside story 2

 

私はDetective K.。

 

ビリヤードキューの調査を引き受ける探偵だ。

 

皆からは”K”と呼ばれている。

 

玉屋で撞いていても、

目立たないのがオレの流儀。

 

よって、「キュー集めるだけで、

玉撞いている姿、見たことないですよ~」

と言われることすらあるぜ。

 

*****

 

ピコッ! 

 

今月もBDからメッセージだ。

仕事の依頼だな。

 

『10月14日、横浜で行われる、

第2回トップ・オブ・キューズ・ニッポンを

調べてください。』

 

ああ、族の集会だな。

集団でハデなヤツを大量に並べて、

それを目当てにギャラリーが集まるという……。

 

『暴走族の集会じゃないですよ!

コレクター・メーカーが一堂に集い、

自慢のキューを展示するイベントです。

大丈夫ですか?』

 

週末のハマで、カスタム持ったやつらが

大勢集まるって点では、同じだろ?

 

『うまいこと言いますね……って、違うでしょ!

忘れずに調査してくださいね!』

 

わかった、オレはキュー探偵。

その依頼、引き受けた、バリバリだぜ。

 

*****

 

10月14日(土)朝。

 

オレは愛車のホンダを飛ばして横浜に向かった。

 

時々強く雨がフロントガラスを叩く。

10月にしては、やけに寒い。

 

交通量が少ない首都高をカッ飛んで、

無事MECCA Yokohamaに到着した。

 

*****

 

発起人・松實伸之氏
発起人・松實伸之氏

 

トップ・オブ・キューズ・ニッポン、

略して『TOC Nippon』は、

カーセンブロックの作品収集で

世界的に有名なコレクター、

松實伸之氏の発案によるキュー展示イベント。

 

そのコンセプト云々は、

先日のBDのブログを参照して欲しい。

 

今回は、昨年の麻布十番『God Dragon』で

行われた第1回に続く2回目。

ちなみに第1回の様子はコチラ

 

今回は15名のコレクターと、

4つのキューブランド(早川工房、

ILC、9Hearts、ハク・カスタム)が展示する。

 

一般公開は午後3時から7時という

限られた時間のイベントだ。

 

*****

 

 

午前10時過ぎ、MECCA Yokohama到着。

 

店内では、松實氏特注のキュー展示用ラックの

組み立てが出展者によって始まっていた。

 

展示には、ビリヤード台3台と卓球台1台を使用。

ブランズウィック・ゴールドクラウン

『メトロ』1台が、

試し撞きやゲームのために確保された。

 

ビリヤード台に特製の布を掛けたり、

展示するカスタムキューが運び込まれたり、

 

梱包材を片付けたり、腹ごしらえをしたりと

店内はカオスな状態。

 

しかし、全員ある種の熱に浮かされたように

動き回り、みるみる準備が整ってゆく様は、

ある種の感動すら覚えた。

 

*****

 

プレゼンする早川氏(早川工房)
プレゼンする早川氏(早川工房)

 

午後1時~3時、関係者限定の内覧会。

 

ざっと数えて、およそ200本の名キューと、

数えきれないぐらいのビリヤード関連

コレクションが並んだ会場は、壮観の一言。

 

オレのブースは、マニアック過ぎた昨年を反省し、

わかりやすさを心掛けた。

タッドだけ14本並べ、タッドに関する

資料や思い出の品と合わせて展示した。

 

各出展者には5分の時間が与えられ、

自己紹介と展示ブースをプレゼンした。

 

出展者が、互いのプロフィールを知り、

一般入場者と接するウォーミングアップでもある。

 

だが、おそらく全員が、自分の感覚以上に

速く時が過ぎると感じたに違いない。

 

互いのコレクションをじっくり鑑賞する

ヒマなどなく、開場時刻を迎えた。

 

*****

 

ILCの最新作
ILCの最新作
酒巻博行氏とブース
酒巻博行氏とブース
UK大原氏とブース
UK大原氏とブース
手前に置かれた2本のジョシュ・トレードウェイは…………
手前に置かれた2本のジョシュ・トレードウェイは…………
今年のICCSで展示されていたもの
今年のICCSで展示されていたもの

 

午後3時、TOC Nippon開場。

 

ザンボッティ、カーセンブロック、ジナ、

タッド、マンジーノ、ブラックボア……

などといったカスタムキューに加え、

国産カスタムメーカーの作品が

同時に並ぶ機会は滅多にない。

 

菱沼巌氏の手によるILCの最新作、

ピンクアイボリーに鶴のインレイが

施されたキューは見応えがあった。

 

コレクターのブースは、

キューだけでなく自己表現の場でもある。

 

「アメリカ愛」を表現した酒巻博行氏のブース、

 

銘木「バックアイ・バール」を使った

キューとベースギターを並べた

UKコーポレーション大原秀夫氏のブースなど、

 

展示方法を競って工夫するのが、

TOC Nipponの流儀だな。

 

また、思いがけないキューに出会うこともある。

 

北海道出身コレクター共同の「道産子ブース」では、

8月末にラスベガスで行われた『ICCS 2017』

展示されていたジョシュ・トレードウェイを発見した。

 

まさか買おうかと思って見送ったキューに

ここで出会うとはな……。

 

*****

 

クレイボールを撞く銘苅プロ
クレイボールを撞く銘苅プロ
ザンボッティで撞く小川名人
ザンボッティで撞く小川名人
クレイボール
クレイボール

 

各ブースでは入場者とアツいキュー談義が

交わされたり、特定のキューを無言で見続けたり、

一本ごとに撮影したりと、

展示者に60人以上の入場者が加わり、

会場は活気に満ちた。

 

内垣建一プロ、北山亜紀子プロをはじめ、

トップアマの小川徳郎、持永隼史の両氏も来場。

 

MECCAのオーナー、銘苅朝樹プロも登場し、

キューのデザインだけでなく、

性能や特性について、深い意見を聞くことができた。

 

プレー台では、

「キューのことはキューに語らせろ」ってワケで、

カスタムキューの撞き比べが随時行われていた。

 

さらに金沢在住の珍品コレクター、

飯田安保氏所有のクレイ・ボールの

試し撞きには皆興味深々。

 

20世紀半ばには姿を消した、

粘土を焼き固めて作られたポケット用ボールで

プレーした経験のあるヤツは、

日本に何人いるか?

ってぐらい貴重な体験だった。

 

オレはこのテーブルで、

勝ち残り方式10ボール1先ペアマッチ

「TOCN CUP」を主催した。

 

プロもアマチュアも、コレクターもメーカーも

入り乱れてのプレーは異様な盛り上がりを見せた。

 

やはりキューは眺めるだけでなく、

撞いてナンボだということだな。

 

*****

 

 

午後7時、閉幕・撤収。

 

達成感と疲労感がないまぜになった撤収時には、

悪かった点も含め様々な感想が出てくるものだ。

 

しかし、TOC Nipponが来年以降も継続して欲しい、

という考えはおそらく共通の意見に違いない。

 

しかも数日後、SNSを通じてこのイベントを知った

海外コレクターからの参加打診もあったという。

 

開催時間の延長や出展者数の拡大、

更にはプロやアマチュアの試合との

コラボレーション等、

もしイベントとしての拡大を本気で考えるならば、

TOC Nipponは国際的に、

より大きな存在となる可能性を秘めている。

 

2018年はどうなるか、楽しみだぜ。

 

もし新たな依頼があれば調べるぜ。

よろしくな、BD!

 

(to be continued…)

 

Detective “K”についてはこちら

 

 

…………
BD Official Partners :  
世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED 
創造性と匠の技が光る伝統の国産キュー。ADAM JAPAN 
ビリヤードアイテムの品揃え、国内最大級。NewArt 
末永くビリヤード場とプレイヤーのそばに。ショールームMECCA 
カスタムキュー、多数取り扱い中。UK Corporation 
JPAでハワイへ行こう! ALOHA ! Challenge 8-ball 2018
プライドをかけて遊ぶ! 10/29池袋ロサ。 PREMIER SEVEN vol.0
徹底した品質の追求。信頼できる道具をその手に。KAMUI BRAND
11/21まで「Let's enjoy ビリヤードキャンペーン」。BAGUS
カーボン繊維構造REVOシャフト発売中。PREDATOR JAPAN
大井直幸プロ使用OWLグローブなど販売中。OWL PRODUCTS
プレイヤーをサポートするグローブ&パウダー。TIE UP 
最寄り駅は中延(品川区)。工藤孝代プロ所属。Billiard Oops !
………… 
Cue Ball Samurai―ビリヤードサムライLINEスタンプ