〈BD〉「どの試合も上がり際は上手くこなせたかな、やっと(笑)」――全日本3C選手権初優勝・界敦康の談話

Nobuyasu Sakai
Nobuyasu Sakai

 

5/4に閉幕したスリークッション日本一決定戦、

『第74回全日本3C選手権』

 

初優勝を飾った界敦康プロ(さかいのぶやす)の

談話をお届けします。

 

表彰式直後にお話を聞きました。

 

…………

 

本人が語っているように、

今大会での界プロは「普段通り」の自然体。

試合の合間のみならず試合中も

リラックスしているように見えました。

少なくとも入れ込んでいる様子は

全くうかがえませんでした。

 

集中すればするほど

周囲がよく見えてくるのでしょうか。

試合前後にサポーターとアイコンタクトを取ったり、

BDのカメラに気付いて笑顔を見せたりというシーンも。

 

そういう姿は今まで他の大会でも見られましたが、

誰もが硬くなるはずの全日本選手権でも変わらず、

「いつもの界敦康」のまま頂点まで登ったところに、

過去2度のファイナル経験と

現在の心技体の充実ぶりを感じます。

 

※大会フォトギャラリーはこちら

※界敦康プロの「初めて物語」はこちら

 

…………

 

Nobuyasu Sakai

1974年8月29日生

愛知県出身・東京都在住

JPBF(日本プロビリヤード連盟)1996年度入会

『全日本アーティスティック選手権大会』優勝5回

(2001/2003/2004/2005/2009)

2011年『世界アーティスティック選手権』3位

2013年『全関東3C選手権大会』優勝

キュー:Sasaki

所属:MARS(東京・笹塚)

 

 

聞き手:BD

語り手:界敦康

 

 

――優勝直後の今の感想を。

 

「勝ったという実感はまだないですが、

”3度目の正直”で獲れて良かったです」

 

――今度こそは、と意識していましたか?

 

「してました。

してましたけど、ものすごく冷静に撞けた。

普段のゲームのようでした、特にファイナルは。

 

僕は公式戦のファイナルを撞いた回数だけは

10何回ありますので、

そういった経験を活かしつつ、

試合中は冷静に色々と考えながら

プレーしてました。

 

自分で自分の調子を下げることがないように

気持ちをコントロールしながら、

集中してプレーできていたと思います」

 

――特にファイナルは会心の出来だったのでは?

 

「はい、2アベを越えてますし、良く撞けてましたね。

プレッシャーや緊張感は全くなく、普段通りでした」

 

――上がり際も?

 

「全然緊張してなかったです、今回は。

上手く集中できてました」

 

――上がった瞬間の感情は?

 

「嬉しいという気持ちと、

『やっと』と思う気持ちの両方です。

 

これでやっと自分も

島田さん(暁夫プロ)や新井さん(達雄プロ)など、

全日本チャンピオン達の仲間入りが

できたなという実感があります。

 

やっぱり日本のキャロムの世界では、

全日本選手権を獲るか獲らないかというのは

大きな違いがあるんです。

 

なので、やっと『あそこに入っていけた』

という思いがありますし、

同時に『ここが新しいスタート地点だ』

という感覚もあります。

ここからさらに突き抜けて行きたいと思ってます」

 

――大会3日間を振り返ると?

 

「前半はちょっと良くない試合もありました。

 

それと、セミ・ファイナル(vs 新井達雄)も

あまり良くなかったんですけど、

接戦を競り勝てたことがとても大きくて、

あそこが今大会のキーだったかもしれません。

 

最後のワンモアのバタバタは、

もう目をつぶって撞いてました(笑)。

あの一発は大きいですよ。

 

ベスト8(vs 鈴木剛)もゲーム際は良く撞けました。

 

最後、僕が3点取り切って先に上がったんですが、

あれを取り切れてなかったら、

間違いなく相手に追い付かれて、

サドンデスになっていたと思います。

 

そう振り返ると、どの試合も

ゲーム際は上手くこなせたかなと思います、やっと。

やっとです(笑)」

 

――大会前の調整は? 

 

「普段通りです。特別な準備はしてないです。

 

でも、体力作りはしっかりやってきました。

1年ぐらい前からスポーツクラブに通って、

体重を8キロぐらい落として、筋肉量を高めて、

昔剣道をやってた頃まで体を戻そうと。

 

実際はそこまで戻らなかったですけど、

その甲斐あって、今大会は身体が疲れなかったです」

 

――それがメンタルコントロールにも

良い影響を及ぼした?

 

「そうですね。集中力も持続してましたし、

総合的に上手く撞けました。

大会全体を見ると、自分でも

『一皮むけたかな』という実感があります」

 

――100点満点で自己採点すると?

 

「優勝したんで100点なんですけど、

もうちょっと良いプレーができたはずの

ゲームもあったんで、90点ぐらいでしょうか。

 

アベレージも、

ファイナルとベスト8は良かったですけど、

トータルで見るとそんなに言うほど出てなくて、

1.4ぐらいですよね。

そこはもう少し上げられるはずだと思ってます」

 

 

――JPBF入会が1996年。

全日本3C選手権には毎年出ていたのですか?

 

「いや、出てないです。

これが恐らく10回目ぐらいだと思います。

 

スリークッションの試合に出てない時期

(=アーティスティックに注力していた時期)も

5年ぐらいありましたし、たぶんそのぐらいです。

 

昔はとにかく全日本3C選手権の予選が

キツかった印象があります。

地獄の予選会でした(笑)。

 

ここのところ何年もランキングシードで

予選なしで出られるようになって、

その点ではだいぶ楽になったんですが、

良いことばかりではありません。

 

試合感とかモチベーションを高めて行くという

意味では、予選を撞くことは結構大事です。

その考えは今でも変わりません」

 

――以前から、全日本3C選手権を

獲りたいと強く願っていましたか?

 

「はい、獲りたいと思ってました。

 

一度これを獲れば、あとはなんでもできる

……と言いますか、

気兼ねなく活動の幅を広げていけるだろうと

思っているところがあります。

 

例えば、バンドゲームやボークラインに

本格的に挑戦して、国内キャロムの

全日本選手権グランドスラムを目指すのも

面白いんじゃないかと思ってます。

 

僕はアーティスティックは獲っていて

(全日本アーティスティック選手権優勝5回。

世界3位)、これで3Cも獲ったので、

あとバンドゲームとボークライン。

 

4タイトル全部持っている選手はいなくて、

それに近いのが小林プロ親子です。

 

小林伸明先生はアーティスティック以外をお持ちで、

小林英明プロはボークライン以外を持っている。

 

ですので、そこに挑戦していくということも、

近い将来あるかもしれません」

 

――その前にまず、国内3Cランキングの

年間MVPと海外戦でしょうか?

 

「そうですね。

僕は今まで2位はありますが、MVPはないので、

やはり今年はそこが目標になります。

 

海外に関しては、全て行ける訳ではないので、

行ける時になるべく行くということに

なると思います」

 

――最後にファンや応援団にメッセージを。

 

「応援してくださった皆さん、

ありがとうございました。

 

競技活動を長いことやっていると、

良いこともあれば辛いこともあって……

いや、辛いことの方が多いぐらいで

なかなかすぐ報われることはないですが(笑)、

 

楽しみながらやっていると、

どこかでご褒美がもらえるものだと思います。

 

僕自身、苦しいことをたくさん経験してますが、

楽しむことを忘れずにやってきて、

そして今日こういうタイトルを手にすることが

できました。

 

皆さんも、楽しさを感じられるような形で、

ぜひビリヤードを長く続けてください」

 

(了)

 

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