〈BD〉カスタムの輝き・「ロン・ヒーレー」編

 

カスタムキューを多数取り扱っている

UK Corporation。

 

その代表、大原秀夫氏が所蔵している

キューを見ていく本企画。

 

(※過去記事はこちら

 

今回ご紹介するのは

Ron Haley(ロン・ヒーレー)です。

 

アメリカ南部のアーカンソー州に工房を構え、

1990年に第1号キューを製作。

 

伝統的なデザインを中心に、

ハンドメイドで少量しか作らないスタイルを

貫いているメーカーで、

新規オーダーはほぼ受け付けておらず、

市場に出回ること自体が珍しいという

人気メーカーです。

 

…………

 

 

今回紹介するのは、

バーズアイメイプルをベースに、

4剣ハギが入ったモデル。

 

ハギはブルーとグレーのベニアと

エボニーとシルバーから成り、

ハギとハギの間にはスクリムショウが。

 

スリーブはエボニーベースで、

フォアアーム側と同じ材料で

インレイが施されています。

 

ハンドメイドとは思えない精緻さと

洗練されたデザイン、そして、

スクリムショウのもたらす温かみが同居した、

非常に完成度の高いモデルです。

 

 

大原氏・談:

 

「本当に完成度が高いですよね。

 

これはヒーレーが2001年に

ACA(アメリカン・キューメーカーズ・アソシエーション)に

加入する際に提出した、

いわば”オーディション作品”です。

 

その前に約10年ほどのキャリアがありますが、

これが実質的なメジャーデビュー作品と

言えば良いでしょうか。

 

それがこのレベルですから、すごいと思います。

もちろん一発合格でACAに加入を認められました。

 

ちょうどその頃ACAの要職に就いていたのが、

(人気メーカーの)マクウォーターで、

彼を介して僕がこのキューを手に入れたのです。

 

当時は日本円で25万円ぐらいだったかな。

その後ヒーレーは爆発的人気を博すようになったので、

今なら7,000~8,000ドルにはなるでしょう。

 

これは売るつもりはありません。

……というか、実は一旦売ったんですが、

後日オーナーから『買い戻していただけませんか?』

という連絡が入り、喜んで買い戻しました。

『手元に残しておくべきだった』と思っていた

ところだったのでかなり嬉しかったです(笑)。

 

買い戻してからヒーレー本人に渡して

リフィニッシュをお願いしたら、

このキューをとても懐かしがってくれて、

本来なら新規のシャフトも作れないということでしたが、

ニューシャフトを2本作ってくれて

革巻きの革も巻き直してくれました。

 

作られて15年以上経ちますが、

全く色褪せないデザインセンスを感じさせる一本です。

 

当時の第一印象として、

ブルーのベニアがとてもお洒落で、

 

スクリムショウが入っているということあり、

ウェッジウッドなど西洋の陶磁器にも通じる

感覚があるなというものでした。

 

もっともこのスクリムショウの

デザインモチーフがなんなのかは

僕にもわかりません(笑)。

 

アメリカにはスクリムショウの

分厚いデザイン集があるぐらい

広く親しまれている技法なので、

ヒーレーも恐らくそういうところから、

インスパイアされたのだと思います。

 

また、ヒーレーは、

他メーカーとの差別化を図る上で、

常にオリジナルのリングワークを追求することを

ポリシーの一つとして掲げています。

 

このキューのリングワークはシンプルで

控え目ですが、とても効いていますよね。

 

もともとヒーレーは鉄工場を経営していて、

パートタイムでキュー作りを始め、

メジャーデビュー以降、人気が急上昇したので、

鉄工場は息子だったか家族の誰かに継がせて、

今はフルタイムのメーカーになっています。

 

注文がいっぱいあるから、

今は新規オーダーは受け付けていません。

 

新作はコレクターやディーラー間だけで

回っているような状態で、

市場にはまず出てこないですし、

日本にもほとんど入って来てません。

 

本人は誠実な人柄ですが、

きっちりマーケティングコントロールもできる

クレバーなおじさんという印象です。

 

拡張路線には行かずに、少量しか作らず、

新規オーダーを受け付けないというのも

ステータス、すなわち人気と価格を

高く保つための戦略でしょう。

 

一方で、恐らく親しいコレクターやバイヤーには、

『特別にキミだったら新しいものを作るよ』と

言ってるでしょうし、

キュー作りの腕だけでなく、

商売の手腕もなかなかのものだと思います。

 

現在は新興キューメーカーたちに

キューメイキングを教えてもいて、

弟子と呼べる人も10人ぐらいはいるはずです。

 

色々な意味で大御所の域に入ってきたと

言って良いメーカーですが、

素晴らしいデザインセンスがありますので、

これからも彼の作品には注目したいですね」

 

(了)

 

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世界に誇るMade in Japanのキューブランド。MEZZ / EXCEED 

  

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末永くビリヤード場とプレイヤーのそばに。ショールームMECCA 

  

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