〈BD〉「自分を褒めたいのと残念なのと、どっちもです」――女子9ボール世界選手権準優勝・河原千尋の談話

Chihiro Kawahara ©Alison Chang, Taiwanese Passion for Pool 2016
Chihiro Kawahara ©Alison Chang, Taiwanese Passion for Pool 2016

 

中国で開催された

『女子9ボール世界選手権』

 

日本のエース、河原千尋は、

自身初(=日本女子選手初)の

準優勝という成績を収めました。

 

先週金曜日に行われた決勝戦。

 

フリーズしがちなネットライブに、

祈るような気持ちでかじりついていた人も

多いのではないかと思います。

 

負けたら良いも悪いもないのかもしれませんが、

良い試合でした。興奮しました。

 

これまでの12年間のプロ活動で、

河原プロは、『ジャパンオープン』、

『全日本選手権』、『世界選手権』、

『アムウェイカップ』などの国内外の

ビッグゲームで一歩ずつ成績を伸ばしてきました。

 

一足飛びには駆け上がらず、

着実に一歩一歩上り詰めて行くところが

河原プロらしいと言えばらしいです。

 

昨年の世界選手権は4位で、

今年は「世界一」の扉に

手をかけるところまで行きました。

次はきっと開けてくれるでしょう。

 

帰国した河原プロから談話をいただきました。

以下でどうぞ。

 

…………

 

Chihiro Kawahara

1985年1月5日生 

JPBA39期生

JPBA女子年間ランキング1位・6回

(2010年、2011年、2013年、2014年、2015年、2016年)

『ジャパンオープン』優勝2回(2013年、2015年)

『全日本女子プロツアー』優勝7回

『関西オープン』優勝4回

『東海グランプリ』優勝3回

『全日本女子ナインボールオープン』優勝3回(3連覇)

『セントラルレディースオープン』優勝2回

『北陸オープン』優勝1回

『関東レディースオープン』優勝1回

『大阪クイーンズオープン』優勝2回

『全日本選手権』準優勝3回

アジアンインドアゲームズ銀メダル2回、銅メダル1回

2015年『女子9ボール世界選手権』4位

2016年『アムウェイカップ』3位

2016年『女子9ボール世界選手権』準優勝

その他、優勝・入賞多数

『アンセーズ』(大阪)所属

使用キューはEXCEED & MEZZ

 

©Alison Chang, Taiwanese Passion for Pool 2016
©Alison Chang, Taiwanese Passion for Pool 2016

 

――世界選手権で初の準優勝。

ご自身を褒められる成績ではないでしょうか。

 

「そうですね、どっちもあります。

 

まず、目標としていた

ファイナルに行けたということは、

自分を褒めてあげたいかなと思いますし、

 

一方で、あそこまで行ったんだったら

優勝したかった。残念だなという思いもあり。

 

半々ぐらいです」

 

――日増しに悔しさが増していく感覚は?

 

「あります。

やっぱり悔しさの方が大きくなってきてはいます」

 

――世界選手権の初の決勝戦という舞台は、

それまでの試合とは違うものでしたか?

 

「いざ試合が始まって、

2、3ラック撞いてみたら

落ち着いていられましたけど、

決勝戦が始まる前はいつもと違ってました。

 

起きて、用意をして……っていう時から

ドキドキしていて、

 

練習テーブルで撞いていた時は手が震えてました。

『あぁ、これは初めてだな……』と」

 

――河原プロから「手が震える」と聞くのは

滅多にない気がします。

 

「だいぶ減りましたけど、

試合中のふとした時に震えてることはあるんです。

 

でも、練習の時からっていうのは

さすがに経験がなくて。

『これ、本番、どうなるのかな』と、

覚悟はしていました。

 

だけど、始まってみると、

あまり震えてなかったんですよ。

自然と止まってました。

それで落ち着いて撞けた。

 

もし震えっぱなしだったら、

決勝戦の序盤をあの内容で撞けたかな、

というのはありますね」

 

――たしかに理想的な序盤の入り方でした。

 

「本当に良いスタートダッシュでしたよね。

 

結構イヤな難しい配置も取れていたので、

相当良い集中状態・良い緊張状態に

入れていたんだと思います」

 

――中盤、韓雨も追っ掛けて来ている中で、

7-5の時に河原プロがブレイクスクラッチ。

動揺したり、ガックリきたりは?

 

「いや、動揺っていうのは、

あの試合の間、一度もなかったです。

 

むしろああいう展開になること……

スコア的にあそこまで差が開いた状態で、

私が先行していることの方が、

不思議だなっていう感じでした。

 

普通に考えると、

シーソーゲームになるか、

私が劣勢の時間帯が続くんじゃないか

というところだと思いますし。

 

なので、あのブレイクスクラッチの

場面もそうですが、

 

彼女が追い上げて来た時は、

『こうなるのが普通だろう』

という風に思ってました」

 

――7-7で迎えた第15ラックで、

7番を厚くシュートミス。

あれは、9番に対して狭い方に

ポジションしたかった?

 

「そうです。

 

9番に対しては初めから狭い方に出すと

決めていました。

 

6番を撞いて、7番に向かった時に、

『思ったより手球が7番に厚く出ちゃったな』

とは思ったんですけど、

 

ちょっとキュースピードを上げれば、

問題なく出せると判断しました。

 

気持ち的には、あの7番を撞く時には

全然『あ、やばい』とかは思ってなかったです」

 

――そこから韓雨が取り切って、

マスワリで上がりました。

彼女がラストラックを撞いていた時、

『もうワンチャンスほしい』と

思っていましたか?

 

「撞き番が回って来るとしたら、

相手のブレイクの後、プッシュアウトか

セーフティからだろうなと思ってましたけど、

 

実際に彼女のブレイク後の配置を見た時に、

『ああ、これは決められてしまうな』と

覚悟してました」

 

――最後、ゲームボールを入れた韓雨とハグ。

あの時は、悔しい気持ちはなく、

素直に相手を讃えていたのでしょうか?

 

「はい、もう純粋に讃えていました。

 

あの内容を撞かれたので、

『あなたこそ世界チャンピオンにふさわしい』

と心から思いました」

 

――日本女子として初めての世界2位。

歴史に一歩足跡を残したという実感は?

 

「いや、ファイナルに行ったぐらいでは

そこまでは思っていないです。

 

さすがに優勝してたとしたら

快挙だったかなとは思いますけどね」

 

――4日間トータルで見ると

よく撞けたと思いますか?

 

「めちゃくちゃよく撞けました」

 

――会場は体育館タイプの特設会場でしたが、

テーブルコンディションは?

 

「テーブルの高さがだいぶ高かったです。

 

昔は台湾も中国も、

高い台がだいぶ多かったんですが、

この3、4年は標準的な高さに

設定されている大会が多かったと思います。

 

だから今回、久々にあれだけ高いので

撞いたなという感じでしたね。

 

ちょっと撞きにくいなと思うほどだったので、

自分のフォームのバランスを

少し調整して対応していました」

 

――振り返ってみて、

ファイナル進出のカギとなった試合とは?

 

「どうでしょうか……、

 

準決勝(vs 高夢。9-8)ですかね。

あれは完全に負けている流れ。

勝てたのは奇跡に近いです。

 

もう一つ印象に残ってるのは、

ベスト32の周豆豆戦ですね。

 

彼女とは過去に2回ほど当たっていて

2回とも負けていて、

あまり良いイメージはありませんでした。

気合いを入れて頑張って撞けたと思います」

 

――今年の台湾『アムウェイカップ』(3位)を

観ていても思ったのですが、

海外戦の方が集中力のスイッチを

入れやすいのではないですか?

 

「ああ、それはありますね。

 

というより、

こういう海外の大きな試合は、

試合のスケジュールがかっちりと

決まっているので整えやすいです。

体調も気持ちも。

 

もちろん海外戦の経験を積むことによって

慣れてきているから、落ち着いて

力を発揮できるというのもあると思います」

 

――世界一まで「あと2点」でした。

その2点を取るために何が必要か、

ご自身にはすでに見えているのでしょうか?

 

「あの決勝戦での『あと2点』を取るため

……という訳ではないですが、

 

世界でも国内でももっと活躍するために、

磨いていかなければいけないものは

わかっています。

 

前から言っていますけど、

クッションの技術ですね。

 

クッションがだいぶ下手なので、

それがもうちょっと上手くなれたら、

だいぶ気が楽になるだろうなと思います。

 

今は、セーフティをされた時に、

クッションから行って上手いこと

難しい形をお返しすることができてない。

 

どこかで『やだな』って思っている自分がいます。

 

そこで、

『全然セーフティしてくださいよ。私、返しますし』

っていうぐらいの

クッションテクニックがあれば、

 

もっと落ち着いて撞けるでしょうし、

そうすることで全体的な勝率も上がると思います。

 

それは海外だけでなく、日本国内でも一緒。

 

やっぱり皆、取り切る力はあって、

取り切る配置は取り切るんで。

 

取り切る力だけでずば抜けた成績を

出し続けるというのは日本でも難しい。

 

だから、それ以外の部分ですよね。

クッションとかブレイクとかセーフティとか。

 

そこを上げていけば、

もっと勝てるようになるし、

自ずと世界でもコンスタントに活躍できるだろうと。

 

今回の世界選手権は全体的に良く撞けましたけど、

ああいう内容の試合をコンスタントにできるかどうか、

というところにかかっていますよね。

海外で勝てるかどうかは」

 

――これで2016年の試合は全て終わりました。

2017年に向けての抱負を。

 

「2016年は日本の試合では

そこまで良い成績は出てなくて、

 

全日本選手権と世界選手権で

準優勝のポイントをもらえて

1位になれたようなところがあります。

ギリギリといえばギリギリでした。

 

ですので来年は、

世界のファイナルまで勝ち進んだ自分というものを、

もっともっと日本の試合でも

出していきたいというか……

もっと勝たないといけないですね。

 

『河原はやっぱり違う、抜けている』

という風に印象付けられるような

プレーと結果を出したいと思います」

 

(了)

 

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