〈BD〉「僕自身も予想できない結末でした」――北陸オープン優勝・土方隼斗の談話

Hayato Hijikata won 2016 Hokuriku Open, Ishikawa, Japan
Hayato Hijikata won 2016 Hokuriku Open, Ishikawa, Japan

 

先週末の『北陸オープン』で初優勝。

 

今季7勝目を挙げた

土方隼斗プロの談話をお届けします

(※取材は大会の翌日)。

 

やはりと言うべきか、

ヒルヒル決着(9-8)となった

ファイナルの栗林達プロ戦については、

色々な話が出てきました。

 

あの最終ラック(第17ゲーム)の

隼斗プロ側の心理状況とは?

 

ぜひ以下でどうぞ。

 

…………

 

一つ前の記事の通り、

来週火曜日・夜10:25から、

隼斗プロはNHKにたっぷり出ます。

ぜひチェックを!

 

…………

 

Hayato Hijikata

JPBA40期生

1989年3月16日生 東京都出身&在住

アマ時代の2005年に『世界ジュニア』銀メダル

2005年&2013年『関東オープン』優勝

2007年『ルカシージュニアワールドテンボール』優勝

2008年『北海道オープン』優勝

2010年『エイトボールオープン』優勝

2013年&2016年『ジャパンオープン』優勝

2013年、2014年、2016年『関西オープン』3勝

2013年『東海グランプリ』優勝

2016年『全日本ローテーション』優勝

2016年『ハウステンボス九州オープン』優勝

2016年『北陸オープン』優勝

『GPE』通算15勝、他、入賞多数

2013年JPBA男子年間ランキング1位

使用キューはEXCEED & MEZZ

 

 

――あのドラマティックなファイナルから

一晩経ちました。

 

「今回は一晩経ってからの方が嬉しいです。

 

昨日、勝った瞬間は、

嬉しいのは嬉しかったですけど、

『やったー』という気持ちにはなれなくて。

 

少し時間を置いた今、

自分にとって初めての北陸制覇と、

初の”年間7勝”という記録を残せたので、

単純にそのことは嬉しく思います」

 

――決勝日は隼斗プロにもミスが見られ、

絶好調という訳ではなかったのかなと。

 

「そうですね。

 

調子自体そこまで良くはなくて、

上手くテーブルに入り込めてなかったですね。

 

大会全体的に

良い集中はあまりできてなかったです。

 

それは自覚していたんですが、

気持ちだけは途切れないようにやっていたので、

なんとか最後まで繋がった感じはあります。

それが勝因の一つかなと」

 

――北陸では過去に準優勝があります(2013年)。

『今回は優勝を』と気負っていたのですか?

 

「そこは言い方が難しいんですけど、

 

基本的に『何々だから』とか

『今回は絶対勝ちたい』という風に

意識することは僕はありません。

 

僕の中では、国内では

『ジャパンオープン』と『全日本選手権』が特別で、

 

他のオープン戦に臨む気持ちはどれも同じ。

 

……と思って、これまでやってたんですけど、

 

今年は『九州オープン』(6月)でも優勝できて、

 

国内のオープン戦でまだ勝ってないのは、

全日本と北陸だけだったので……

まあ、『全日本14-1』は

外して考えちゃってますが(笑)、

 

そういう意味で、『北陸、獲りたい』

という気持ちが今年はすごくありました。

 

それと、準優勝だった3年前の

ファイナルの心理状態を思い出すと、

 

今年と同じで、年間ランキング的には

僕が1位を走っていて、

初の年間1位は安泰かなと思った部分が

正直言って自分の中にあったんでしょう。

 

そういう意味で球に甘さが出ていたと思います。

 

ハングリー精神みたいなものはなかった。

今振り返れば、ですけどね。

 

だから、今回はそういうことが

ないようにしたいとは思っていました。

ランキングの状況はあの時とそっくりですし。

 

栗さん(栗林達プロ)が

地元・北陸で勝ちたいはずだとか、

ものすごく応援されているとか、

そういうことはわかってはいましたけど、

 

それを考え始めちゃうと

またファイナルで甘さが出ちゃう。

それだけはないようにという意識でやってました」

 

――ヒルヒル(8-8)の最後ラック、

栗林プロが1-9キャノンインでスクラッチ。

隼斗プロが1番からミスなく取り切れたのは、

その意識があったからだったのでしょうか?

 

「そうですね。

 

3年前までの自分だったら、

あれは取り切れてなかったかもしれない。

 

いや、その前でダメだったかな。

 

その前のラックの、

栗さんのプッシュアウトからの

僕の1番コーナーバンクも、

以前の自分だったら外れてたと思いますし、

 

ヒルヒルまで追い付けて

なかったんじゃないでしょうか」

 

――それにしても最終ラックは……、

ああいう展開もあるんだなと。

 

「僕の側としては、

1-9コンビと1-9キャノンを渡した時に

『終わった』と思いました。

 

特に1-9キャノンの方は、配置を見て

『OK』を出そうかと思ったぐらい。

 

でも、なんか不思議と……、

終わったとは思ったけど、

不思議とどこかで諦めてはいなかったんです。

 

それだから、あのスクラッチで

自分にフリーボールが回ってきた時に、

平常心でいられたんだと思うし、

集中モードに入って行けた。

それで取り切れたんだと思います。

 

でも、一言で言えば、それまでの

展開も含めてやっぱりラッキーでした。

 

互いにナイスショットもあって

互いに普通のミスもあって、

色々あった試合だったけど、

最後、僕がラッキーだったんだと思います」

 

――今更ですが、あの最終ラックの

序盤について聞いて良いですか?

隼斗プロが1番でプッシュアウト。

手球をクッションに近付けました。

それを栗林プロがパス。その後の、

隼斗プロの1-9コンビのようなショットは

なんだったんですか?

 

「あれはもう、神頼みの1-9コンビでした。

 

9ボールなので、フロック(ラッキーショット)

OKじゃないですか。

 

だから、強く撞いて、1番を9番に当てて、

どのポケットに入ってくれてもいい、みたいな。

 

10ボール(コールショットルール)

だったら、絶対にやってないです(笑)。

 

そもそも、あのプッシュアウト、

パスされるとは思ってなかったんです。

 

『パスしたら、僕、1番を遠いコーナーに入れますよ』

というプッシュアウトでした。

『強気を見せる』というか。

 

だから、相手はパスせずに何かしら

やってくるだろうと予測してたんです。

 

……と思ったら、見事にパスされて、

『これは困った……。難しいぞ』と(苦笑)。

 

最終的に1-9コンビを選んだのは、

 

単純にセーフティが

難しかったというのもありますけど、

 

9ボールだからこその心の弱さが出たと思います。

 

1番を単独で遠いコーナーに狙い切れなかったし、

フロックだろうがなんだろうが、

9番がどこかのポケットに入れば勝ち

というのが頭にあった。

 

だからもう、しっかり強く撞いて、

1番が9番に当たってどうにかなれ、

という気持ちでああ撞きました」

 

――そうだったんですね。

 

「セーフティが決まる確率も低いし、

1番を単独で入れられる確率も低い。

 

その2つと”ラッキー9”を天秤にかけて

勝負に出たんです。

 

ラッキー9の方がまだ少しは

確率が高いだろうと思ったので。

 

結果としてそれは大失敗だったんですけど、

そこからあんな展開になって……

僕自身も予想できない結末でした」

 

――今年これで国内7勝。今年、残すは

『GPE-7』と『クウェートオープン』と

『全日本選手権』です。

 

「年間7勝っていうのは本当に

もう二度とできないんじゃないかって

思うような数字ですけど、

 

欲を言えば、ここまで来たら『8』にしたい。

あと一つ、積み上げたいですね。

 

『ジャパンオープン』(7月)の優勝の後、

3戦続けてベスト16止まりだったので、

ちょっと嫌な流れを感じつつ

この北陸を迎えたんですが、

 

ここで優勝できたのは

色々な意味で本当に大きいと思ってます。

 

このリズムのまま、

今年最終戦の全日本選手権まで

期待に応えられるような

プレーをしたいと思います」

 

(了)

 

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