〈BD〉「赤狩山幸男のタップ論」。その1~タップに求める条件とは~

Yukio Akagariyama talks about his Kamui Tip.
Yukio Akagariyama talks about his Kamui Tip.

 

2011年ナインボール世界チャンピオン、

赤狩山幸男(JPBA)。

 

彼が世界を獲った時も、そして今も、

使い続けているタップが『KAMUI』(カムイ)。

 

手球に直接触れる唯一のパーツであるタップは、

いわば撞き手の意志を手球に入力する

たったひとつのインターフェイス。

 

もちろん職業選手が、

そんな重要アイテムの取り扱いを

おざなりにするはずもありません。

 

カーリーは一体タップに

どんなこだわりを持っていて、

どうKAMUIタップと付き合っているのか。

 

そこを解き明かすべく、複数回に渡って、

「カーリーのタップ論」をお届けします。

 

初回のテーマは、「タップに求める条件とは」。

 

…………

 

Yukio Akagariyama

2011年ナインボール世界チャンピオン

ニックネームは「カーリー」

1975年3月13日生まれ

大阪府出身・東京都在住

JPBA32期生

2002年『中国オープン』優勝

2006年&2010年『全日本選手権』3位

2006年『ドーハアジア大会』日本代表

2007年『インドアゲームズ』日本代表

2009年&2012年『チャイナオープン』3位

2011年『テンボール世界選手権』3位

2011年『ナインボール世界選手権』優勝

2012年『世界チーム戦』準優勝

2016年『全日本14-1選手権』優勝

他、東西の男子プロツアーでは優勝・入賞多数

BAGUS所属

スルースイーヴォルブドグローブ使用

KAMUIタップ「スタンダードブラックS」使用

※写真のキューケースもKAMUI製

 

…………

 

 

赤狩山幸男のタップ論・その1

~タップに求める条件とは~

Supported by KAMUI BRAND

取材協力:バグース川崎店

 

…………

 

――ずばり、カーリーがタップに求める条件とは?

 

「性能も大事だけど、

安心して使えることが第一ですね。

 

年間8~10個ぐらいは使っているので、

バラつきがなく品質が安定していることは絶対条件。

 

それから積層タップなので、

層で剥がれたりしないこと」

 

――近年はずっと

KAMUIのスタンダードブラックSを使っていますね。

 

「確かにもう長いこと使ってますね。SかSSを」

 

――基本的に柔らかめが好きなんですか?

 

「好みの問題というよりかは、

テーブルコンディションとの相性みたいな

話になっちゃうんですけどね。

 

僕の考えでは、

軽いコンディションのテーブルで撞く場合、

柔らかめのタップの方が“トビ”

(ヒネった時の手球の横ズレ。「見越し」)が

出にくいので、

 

ヒネって撞く時の違和感が少なく、

早くテーブルに対応しやすっていうのがあって。

 

ただ、反対に重たいコンディションでは、

柔らかめのタップだと回転が掛かり過ぎてしまうし、

トビも出やすい。

 

だから、重たいコンディションで撞くことが

多いなら硬めのタップを選ぶでしょうね」

 

――つまり、今は軽いテーブルコンディションで

試合をすることが多いと?

 

「そうですね。

 

2010年頃から海外に行くことが増えて、

特設会場の新(さら)ラシャのテーブルで

試合をすることが多くなりました。

 

そして、東日本に移籍(2011年)してきて、

関東のビリヤード場で

撞くことが多くなりましたけど、

 

東の方が、軽い・重いでいったら軽いですよね、

西に比べて」

 

――ということは、西(大阪)にいた時代は

硬いタップを使っていたんですか?

 

「はい。以前は硬いタップを好んで使ってました」

 

――柔らかめのタップの方が

軽いコンディションではトビが少ないというのは、

撞いていて明らかにわかるものですか?

 

「わかります。

 

あ、『あくまで僕は違うと思う』

としておいてください(笑)」

 

――「品質の安定が大事」とのことですが、

毎回KAMUIタップを付け替える度に

「同じだ」と感じていますか?

 

「ええ、同じだと思ってます。安定してますよ。

 

僕の周囲にはとても敏感な職人の方がいて、

その人は、ロットごとと言うんですか?

そういう微妙な違いがわかるらしいんですが、

僕はそこまではわかりません(笑)。

 

それと、僕は付け替える周期も早い方だと思うので、

仮に一つのタップをもっと長く使ってたら

違いを感じるのかもしれません」

 

――さすがに付け替えた直後は、

それまで使ってたものと新品とでは、

多少の感触の違いはありますよね?

 

「それはありますね。

 

最初の1~2日は気持ち柔らかいかなと思うけど、

少し締まってきたら

もう『いつもの』撞き味になります」

 

――付け替えた直後、

意図的に「撞き締め」はしますか?

 

「僕はしません。ただ、

よく14-1を撞いてますね、タップ交換直後は」

 

――早いリズムで撞きながら、

弱~中のスピードと様々な撞点を駆使する感じですか。

 

「そうそう。

 

14-1を撞きながら、

『どんな感じかな』『どんな反応かな』って、

タップの感触とボールの動きを確かめてます」

 

――カーリー的な

タップの「お取り替えサイン」は?

 

「『硬くなったかな?』と感じた時と

ボールの動きに違和感を覚えた時。

 

それから、僕は滅多にしない方ですが、

ミスキューした時。

 

どれか一つでも発生したら替えますね。

 

試合のタイミングを見ながらになりますが、

だいたい3ヶ月で2個使うような感じかな」

 

――やっぱりプロはシビアなんですね。

摩耗し切るまで使うことはないと。

 

「ミスを道具のせいにしたくないからです。

 

おかしいのは自分の右腕だと思いたいので、

だからこそ、

タップに異変を感じたら躊躇なく替えます」

 

――でも、カーリーが

過去にキューミスした記憶は全くありません。

 

「僕自身もほとんどありません(笑)。

 

普通にやっている限り、

自分の右腕は問題ない……というか、

極力、手球の端を撞かなくて良い

組み立てをしているつもりですから。

 

だから、キューミスをするとしたら、

 

なんらかの原因で、タップの

R(天面のカーブのこと)が変わってしまったとか、

 

タップが硬くなりすぎて

チョークが乗らなくなってしまった時、

ということになると思います。

 

実際、今キューミスをしないということは、

そういう問題は起きてないですけどね」

 

――カーリーとKAMUIタップの付き合いも

7年ぐらいになっていますが、

品質は当時から変わらない?

 

「変わらないですね。

 

初期の頃、SSを使っていた時は

『あれ、タッチ感がおかしいような……?』

と思ったこともありました。

 

柔らかいタップってプレスの問題とかがあって、

作るのが難しいと言うじゃないですか。

 

でも、今はもう全然です。

毎日、毎試合、安心して使っています」

 

(了)

 

※次回、10月以降に

第2弾「KAMUIとの出会い」をお届けします。

 

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