JPBAプロ公式戦『関東オープン』
（男子：テンボール）で優勝した、
高野智央プロの談話をお届けします。
プロ仲間からも、全国各地のファンからも
親しみを込めて「トモヲ（ともお）」と呼ばれ、
優勝できなかったこの7年間も
アツく濃く声援を送れられ続けていた
愛されキャラの高野プロ。
胸中にある、
これまで吐き出せなかった大きな塊を
ゆっくり一つ一つ削り出すようにして
言葉にしてくれました。
※大会のフォトギャラリーはこちらから。
…………
Tomoo Takano
1978年8月20日生
JPBA40期生
2007年『関西オープン』優勝、
2014年『関東オープン』優勝
他、上位入賞多数
――おめでとうございます！
2007年以来の優勝です。
「苦節36年。
僕もようやく大人になりました（笑）。
いやぁ、長かったです。7年は。
この7年で何度も優勝のチャンスはありました
（※プロ公式戦での準優勝は6回）。
何度もそれを逃してきて、
もう優勝できないんだなって思ってた。
今回は2日間で7試合して、
ヒルヒル決着（1点差の勝利）が
3回もありましたし、厳しい試合ばかりでした。
相手がミスしてくれたから
取れたというところもあるけど、
苦しい場面でまず入れることに集中できていたのが
良かったんだろうと思います」
――そういう精神状態で撞けるようになった
元々の要因というのは？
「最近で言えば、
北海道の鳴海大蔵プロと大阪の大井直幸プロの
お陰ですね。
この2人がフラットな精神状態で撞くことの
大切さを改めて教えてくれました。
言い換えれば、楽しんで撞けるようになった。
昔のスタイルに戻したところもありますね。
この何年か、勝つための色々な情報が
身体に入り過ぎていたんだと思います。
それを、一旦取り払って……」
――リセットしたような？
「そうそう。リセットして。
特にタイでビリヤード修行をして帰って来て
（2011年）、
そこからの約2年間は、勝てなくて
結果が出なくて、折れそうでした。
でも、その状態から
いい感じで欲望を諦められたんですよね。
『絶対優勝したい！』という欲を。
そのことはプレースタイルにも現れてきて。
やっぱり技術だけが変わるとか、
精神だけが成長するってことはないというか、
とてもアンバランスなことなんだなって
わかりましたよ。
今の僕は、球（技術）と自分（精神）のバランスが
以前よりはるかに良いっていう自覚があるし、
球が入ってくれたら、ラッキーとか嬉しいとかって
また思えるようになったんですよ。
それが、球に向かえるようになったということです。
ここ何年間は知らず知らずに
球に言うことを聞かせるような感じで、
傲慢になっていたのかもしれないです」
――「新生トモヲ」、今回の完成度は
どのぐらいだったんですか？
100点満点で言えば。
「いや、もう、優勝できたら100ですよ。
あ、100って言ったら終わっちゃいますね（笑）。
100に近いということで。
ただ、『もっとこうしたかった』
『ああすべきだった』という部分はまだまだ多い。
内容だけを見た場合は70点ぐらいでしょうか。
それにしても……7年って長いですよね。
仮に7年前に子供が生まれていたら
7歳になるんですから（笑）。
もし爪で言ったら……」
――つ、爪？？？
「そうです。爪。
もし爪を7年伸ばしっぱなしにしてたら
キュー1本分ぐらいにはなりますよねぇ？（笑）
そう考えるとほんと7年ってすごいな。
いやー、やったな、俺、やったよ……」
…………
高野プロの次の試合は今週末。
2007年大会で準優勝だった
『東海グランプリ』です。
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