〈BD〉新作は「フロリアン、世界をゆく」――Venom Trickshots Ⅱレビュー

 

先週、日本で発売されたばかりの

 

ビリヤード・トリックショットDVD

『Venom Trickshots Ⅱ』。

 

(ヴェノムトリックショットツー)

 

皆さんはもうご覧になりましたか?

 

2010年発売の第1弾は本当に衝撃的でした。

 

フランス出身の

稀代のトリックショットアーティスト、

フロリアン・コーラーによる、

 

あの独創的かつ革新的な映像世界に驚いたのは

僕だけではないはずです。

 

その続編となれば、観ない訳にはいきません。

 

……ということで速攻で入手したのですが、

今回も大いに楽しむことができました。

 

このDVDは全編英語で、

日本語の字幕や吹き替えはありませんが、

観ていれば内容はわかります。

 

また、このDVDには、

約23分の「TVバージョン」と

約47分の「ディレクターズカット」が収められています。

 

前者は後者にすっぽりと含まれていますし、

 

フロリアンの魅力が余すところなく楽しめるという点で、

僕は後者のディレクターズカットを「本編」と捉えています。

 

以下、極力ネタバレをせずに見所を。

 

(UR BilliardsのFacebookページにも情報あり。

こちら

 

 

今作の内容を一言で言えば、

「フロリアン、世界をゆく」でしょうか。

 

ほぼスタジオシューティングのみに

終始していた前作とは異なり、

 

フロリアンがキューを携えて

軽やかに外に飛び出して行っています。

 

(※彼のプレーキュー、ジャンプキュー、

マッセキューは全てMEZZです)

 

アメリカ、ヨーロッパ、中国など、

5週間で9ヶ国を巡り、

300ショット以上を披露したという、

 

トリックショットツアーの模様が

全編にわたって収められているのですが、

 

ツアー同行記的なドキュメンタリー映像が

ずっと続く訳ではなく、

 

トリックショットのみにフォーカスした

シーンもあるので、技を堪能したい方もご安心を。

 

前作と同じく、

荘厳な音楽と創造性豊かなトリックショットが

シンクロしているこのパフォーマンスシーンでは、

 

彼が得意とする、

動いている状態の手球を撞くジャンプショットや

マッセも続々と飛び出します。

 

そんなド派手なショットに華を添えているのが

DVDジャケットにも登場している

このセクシーな女性なんですが……、

他にもステキな女性が複数出てきます。

 

また、世界を巡る過程には、彼のホームタウン、

フランス・ミュルーズの映像もあり、

 

フロリアン自らの口から語られる

Venom Trickshotsの「ルーツ」は、

 

すでに彼を知っている人にとっても

興味深いものなのではないでしょうか。

 

さらに、

オランダのトリックショットチャンピオンや、

プールのトッププロとの競演トリックタイムもあります。

 

(※あるプロと、ラスベガスのナイトクラブで

無許可ゲリラ撮影を敢行するシーンにハラハラ)

 

そんな盛りだくさんの内容なのですが、

 

47分間があっという間なのは、

 

ショット自体のスピード感と、

それを活かした矢継ぎ早な編集が成せる技でしょう。

 

加えて、フロリアン本人の「今」が、

とてもアクティブでソーシャルだということも

ドライブ感に拍車を掛けています。

 

密室育ちの孤高の「宅録パフォーマー」が

第1弾のヒットを契機にスタジオを飛び出し、

 

世界各地で縦横無尽の活躍を続けている

この4年間を端的に活写しているようでもあります。

 

パフォーマンスビデオでありながらも

記録映像でもあるという、

この絶妙なバランスを可能にしているのは、

 

唯一無二の地位を確立したフロリアン・コーラー

という傑出した個性に他なりません。

 

……と、長く書いてきましたが、

 

「Ⅱ」が「Ⅰ」の単なる焼き直し作品には

なっていないので、

 

2枚セットで観るとVenom Trickshotsの世界の

広がりが感じられて、より一層楽しいですよ!

 

↑以前紹介したものとは別のトレイラー映像。

 

 

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