〈BD〉ビリヤードの「写経」

赤狩山幸男プロ(左)&西尾祐プロ
赤狩山幸男プロ(左)&西尾祐プロ

 

現在「写経」中です。

 

映像、あるいは手書きメモを見て、

 

それを「テーブル図」

(「配置図」「ショット図」とも)

に起こす作業を続けています。

 

例えばこういうの(適当に作った「逆押し」ショット)。

 

ビリヤード誌などでよく見るヤツです。

 

こういう風に

テーブル図に起こす作業を、

僕は勝手に「写経」と読んでいます。

 

今は、CUE'S誌の赤狩山幸男プロの連載ページ

『カーリーのしっとり10-BALLランアウト!』

などのテーブル図を作っています。

 

テーブル図 作り続けて 11年。

 

テーブル図職人を名乗れる自信がありますが、

他業界・他業種では全く役に立たないこと甚だしい(笑)。

 

(※Adobe〈アドビ〉社の

Illustrator〈イラストレーター〉というソフトを

使って作っていますが、

 

僕はほぼボールを配置して、

ラインを描く機能しか触れません……。

 

ベースとなるテーブルそのものは

プロのデザイナーさんに作ってもらってます)

 

作図点数がたくさんあると、

もちろん時間もかかるし、

 

締め切り間近だったりすると

泣きたくなるんですが、

 

「うわっ、この手球、巧いっすなぁ」と

ニヤケながらラインを引くこともありますし、

 

あまりの作図点数に、

「テーブル図ハイ」になることもしばしば。

 

そして、間違いなく言えるのは、

 

これを作り続けてきたことによって、

僕はビリヤードが巧くなりました。

 

ただプロ達が撞いたショットを描き写すだけなのに、

 

続けていたら不思議なもので

球の動きが感覚的に

わかるようになったと言いましょうか。

 

なので、「写経」と言っています。

 

そのショットを

再現できる腕があるかどうかは別として、

 

頭に正解が、

くっきりとしたラインのイメージを伴って

インプットされているというのは、

 

ものすごく直接的にプレーに役立ちます

(※観戦にも取材にも役立ちます)。

 

迷うことが少ないので

キューもしっかりと振れますし、

判断も早くなって、

単純にプレーリズムも良くなります。

 

さらには、ショット図を通して、

押し球や引き球の動きや、

クッションに入ったボールの出方なんかも、

自然と理解が進みます。

 

……ということで、この「写経」、

決して嫌いな仕事ではなかったですし、

今も楽しんでいます。

 

(最近は描いたそばから忘れてますが)

 

ビリヤードをする皆さんにもオススメします。

 

自分、仲間、対戦相手のショット。

 

上級者やプロのショット。

 

映像で海外プロがやっていたショット。

 

気になるものを図でメモしてみましょう。

 

ビリヤード映像を録画するとか、

パソコン画面をキャプチャーするとか、

ビリヤード場で写メを撮るだけでは、

 

効果がないとは言いませんが薄いです。

 

やっぱり手を動かして、

球の走ったラインまで描いて記憶するのが一番。

 

なので紙に手描きでメモをするか、

 

こういったデジタルなアプリケーションを

利用しても良いでしょう。

Pool Layout Memo

 

(※以前このアプリの監修をしました。

売れても僕にはお金は入ってこないですが(笑))

 

僕の知人はビリヤード場に方眼紙を

持って行ってました。

 

テーブルの盤面だけが描かれた紙を

大量にコピーして使っている個人や

ビリヤード場は今もあるでしょう。

 

なんでも良いんです。描けて、残せれば。

 

そして、作った図を必要な時に、

ノートやスマフォから、

 

あるいは脳内から引き出せるようにし、

実際にそれを撞く。

 

以上のことを習慣化できれば……

上達スピードがアップします。

 

もっと言えば、

 

学生さんやサラリーマンの方など、

何かと時間に制約がある人が、

 

限られた時間内で

効率良く上達する方法の一つがこれだと断言できます。

 

…………

 

上の写真は、技術的なことを話している

カーリーと西尾祐プロ(※撮影は昨秋)。

 

確か、「手球の重さの違いで変わる

ボールの挙動について」、だったかな。

 

以前に一度、西尾祐プロの

「インストラクターお仕事ツール」を

見せてもらったことがありますが、

 

やはりテーブル図がザクザクありました

(僕が見たのは手描きのものでした)。

 

ビリヤードを人に教える時にも

マストなアイテムですね。

 

……以上、

 

改めていかにこの仕事が

有益であるかを自分に言い聞かせて、

 

朝までレッツ写経。

 

ううぅ。

 

 

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