〈BD〉おかえり、羅立文

羅立文プロ(JPBA)
羅立文プロ(JPBA)

 

日付けが変わって今日、

長崎では『プレ国体』が行われます。

 

正式名称は

『全国アマチュアビリヤード

都道府県選手権大会』、です。

 

長崎と言えば、

1850年頃に出島にビリヤードが伝わったのが、

 

日本ビリヤードの起源と言われています。

長崎こそは「ビリヤード伝来の地」なのです。

 

由緒ある場所でキューを握る出場選手の皆さんの

健闘を祈ります。

 

…………

 

木曜日、横浜の『ハイランド』に行きました。

 

ここを練習拠点にしている羅立文プロ(JPBA)が

長い長い海外遠征から帰国し、

 

いつものように練習をしていたので、

コメントを頂いてきました。

 

羅プロはカタールで開催された

『ナインボール世界選手権』(ベスト16)と、

 

イギリス開催の『WorldCup of Pool』

(ベスト8。大井直幸プロとのペア)

というビッグマッチ2大会に出場していました。

 

特に後者のワールドカップオブプールは、

 

僕もネットライブを食い入る様に観ていたので、

色々と聞きたいことがありました。

 

羅プロの目の下のクマは遠征の疲れが癒えきっていない

ことを悟らせるに十分でしたが、

 

僕の顔を見て、

 

「はーい! こんにちは!」と

いつもと変わらず明るい挨拶をしてくれました。

 

…………

 

――長旅お疲れ様でした。3週間ぐらいでしたか。

 

「そうですね。一昨日(9/24)帰ってきました。

まだ疲れが残ってますね(笑)。

 

帰りはロンドンから24時間ぐらい掛かりました。

 

昨日もここ(ハイランド)に来て練習はしたけど

1時間ぐらいで止めてしまいました。疲れてましたね(笑)。

 

でも、たくさん眠れたから時差ボケは治ったと思います」

 

――イギリス、どうでしたか?

 

「僕はイギリスは初めてでした。

というか、ヨーロッパが初めてだったんです。

 

観光はほとんどしていないですが、楽しい滞在でした」

 

――ワールドカップオブプール、

日本チームは5位タイ(ベスト8)でした。

 

「あのチームでもっと試合がしたかったです。

結果は残念でしたけど、大会はとても楽しかったですよ」

 

――ネットライブで観ていましたが、

日本は笑顔が多いチームでしたね。

 

「そうそう(笑)。

 

他のチームも見ましたけど、笑顔は日本がNo.1でしたね。

 

相棒の大井直幸プロにとても感謝しています。

本当に良いチームだったと思います。

 

僕はワールドカップオブプールは2度目の挑戦で、

1度目も良い経験になりましたが、

 

今回はさらに楽しめました。得るものも多かったですね」

 

――羅プロと大井プロ、コンビネーションが良さそうでした。

 

「はい、すごく良いコンビネーションがあったと思います。

よく相談して、よく笑って、良いプレーもできました。

 

大井プロと僕、プレースタイルはもともとだいぶ違います。

 

僕は細かいテクニックが得意で、大井プロは攻撃力がすごい。

 

でも、その違いは、チームを組む上では

大きな問題ではありませんでしたし、

 

お互いに良い影響があったと思います」

 

――試合中にあれだけ笑顔を見せる羅立文というのも

観たことがありませんでした。

 

「そうですよね(笑)。

 

『ああ、こういう精神状態で戦うこともできるんだな』と

自分でも新たに発見したぐらいです。

 

プレイヤーとしてまた僕は強くなったと思います」

 

――ベスト8敗退という結果は、

羅プロ自身はどう考えているんですか?

 

「うーん。僕はファイナルまで観ていましたけど、

 

冷静に言えば、本当の世界トップの強豪ペアと比べると、

少し足りてないところもあったのかな、と思いました」

 

――例えばどんなところが?

 

「単純にもっと練習できたら良かったですね、2人で。

 

それは、僕が横浜に住んでいて、大井プロは大阪なので

もともと難しかったですけどね(笑)。

 

僕らは試合の本番でたくさん喋って相談して、

どちらがどう撞くかということを決めてきました。

 

それはとても上手く行きましたし、全く後悔してないです。

 

ただ、強いチームのあり方として、

『喋らないでわかり合える』というのもあるじゃないですか」

 

――ああ、そうですね。

 

「多分、強豪と呼ばれるチームの中には、

喋らなくて良いぐらいたくさん練習してきた国もあると思うんです。

 

大井プロと良いチームワークがあったからこそ、

『もっと練習できていたら、どうだったかな?』と思いました。

 

そういうことを、負けた後も試合を観ながら考えていました」

 

――なるほど。

……あ、大会最終日、ネットライブを観ていたら、

観客席にいる羅プロが映ってましたよ。

 

「あ、ホントですか(笑)。

 

やっぱりベスト4まで行った台湾(羅立文の母国)を含めて、

『強いペア』を観たいから、会場にいました。

 

もちろん自分は来年以降もこの大会に出たいですから、

どんなことでも観て勉強したかったです。

 

今回、たくさんの人に、

『ネットライブで観ていたよ』と言われました。

 

応援してくれた皆さんにありがとうと言いたいです」

 

――こちらこそ、良い試合を観せてくれてありがとうございます。

週末はグランプリイースト第6戦ですね。

 

「はい! 頑張ります」

 

…………

 

わざわざ練習の手を休めてコメントをくれたフミ

(羅立文プロのニックネーム)、ありがとう。

 

僕は羅プロがベスト32のスウェーデン戦の終盤で見せた、

3インからの4ポジションのあの絶品ショットが忘れられません。

 

また今度ゆっくり話を聞かせてもらおうと思います。