〈BD〉3位の人が何て言う?

JPBF水内誠ニプロ
JPBF水内誠ニプロ

 

先日、『ARAI世田谷店』に行きました。

 

このビリヤード場には

JPBFの水内誠ニプロが勤務しています。

 

そうです。

 

先般の『スリークッションジャパンカップ』で

見事3位に入ったけれども、

浮かない顔をしていたあの水内プロです。

 

僕は前もって決めていた言葉を発しました。

 

「ジャパンカップ3位、お疲れ様でした」

 

水内プロ、笑顔と苦笑いの間でした。

 

「中途半端ですみません(笑)」

 

僕はあの写真を手元に用意しながら

水内プロと喋りました。

 

――表彰式のこの写真、

水内プロの表情が険しくて険しくて。

 

「うーん、

負けた後なんていつもこんな感じですよ(笑)。

 

やっぱりプロプレイヤーとして

試合に出ている以上、3位では喜べないですしね」

 

――そうでしたか。しかし、

ビッグトーナメントでの3位ですから……

 

あれ? ちょっと待ってください。

そもそもプロ公式戦での3位は初ですか?

 

「はい、そうです。

 

ベスト8(5位タイ)は結構あるんですけど、

いつもそこで負けちゃってまして」

 

――ということなら、今回の3位は、

手放しで喜べないにしても記念にはなるのでは?

 

「うーん、それもどうでしょう。

 

やっぱり欲しいのは優勝ですから。

 

ただ、まさかこのジャパンカップで

準決勝を撞くチャンスが来るとは

思ってなかったですね。

 

気付いたら僕以外に日本人がいなかったというのも

初めてのことです」

 

――準決勝はベトナムのビン選手との対戦でしたね。

勝ち気が出たり、緊張したりは?

 

「そういうのはなかったですね。

 

いつも『自分の番で当てるだけ』と思っていて、

この時もそのことだけを意識してました」

 

――相手のプレーをどう見てましたか?

 

「バンドゲームなどが強いというだけあって、

基本がしっかりしたプレイヤーでしたね。

 

でも、僕にも十分にチャンスがあったんですが、

行ける時に行けなかったです。

 

それと……

 

これは相手もそうだったと思いますけど、

序盤はちょっとやりづらかったかな」

 

――と言いますと?

 

「その前日、つまり、大会初日に

ビン選手は自分のメガネを壊してしまって

困っていたんです。

 

そこで、僕が街のメガネ屋さんに

彼を連れて行くという一幕がありまして」

 

――おお。メガネの絆。

 

「その時点では

互いに全く想像してなかったと思いますよ、

まさか翌日の準決勝で当たるなんて(笑)。

 

身振り手振りで『メガネは大変だよね』

みたいな話をして打ち解けてたぐらいで」

 

――それは……

試合がやりづらいかもしれません(笑)。

 

「ええ、僕もやりづらかったし、

 

準決勝の時、向こうもそんな顔をしてましたねぇ、

『いやぁ……』みたいな(笑)」

 

…………

 

そんなあれこれがあっての3位。

 

でも、JPBFプロ・水内誠ニとしては

生涯初の3位な訳ですし、

 

試合が終わってから時間も経っていますし……

 

ここは一つお願いしてみたいと思います。

 

――はい、一枚だけ、笑顔お願いしまーす。

 

「え、あ? 今ここで撮るっすか?

 

笑うんですか? いや、ちょっと

 

そういうのやってな。あっ」

 

ブレちゃいましたし、表情はなお硬いですが、

今はこれを使わせて頂きます。

 

最高の笑顔は表彰台のてっぺんで!