〈BD〉師を越える日は。

森雄介(アマ)vsサンチェス
森雄介(アマ)vsサンチェス

 

先週末の

『3Cヤマニカップ』での話。

 

ファイナルステージに

19歳の森雄介選手(アマ)が残っていました。

 

昨年に続き2度目です。

 

ファイナルステージを撞けるのは

たったの9名。

 

9名中3名はT・ブロムダール、

D・サンチェス、梅田竜二という

ここから登場のシード選手なので、

 

下から勝ち上がって来た選手は

実質6名です。

 

そこに2年連続で入るのは

プロでも相当に難しいこと。

 

森選手に力があることがわかります。

 

昨年は大会史上最年少の18歳で

ファイナルステージに残りました。

 

そのことをこんな原稿にしていました

(ちゃんと昨年6月2日のWEB CUE'S

ニュース記事にリンクされるでしょうか)。

 

あの原稿の時点では「予定」でしたが、

森選手は大会後に実際にスペインに渡り、

 

サンチェスの元で1ヶ月ほど

ビリヤード短期留学をしました。

 

つまり、師匠がサンチェス。

なんだかとても素敵な響きです。

 

「どこで誰に教わったの?」

「スペインでサンチェスですが」

 

来世で言ってみたい……。

 

そして、迎えた今年のヤマニカップ。

 

サンチェスvs森の試合は、

22キュー、40-31で師匠の勝利。

 

森選手はこう振り返りました。

 

「途中までは僕も良かったんですけど、

何回かイージーミスをしたら、

 

あっという間に20点差つけられてしまい、

やっぱりすごいなと思いながら見てました。

 
最後の方でサンチェスが何回かミスをしたので、

逆転してやろうと思って頑張ったんですけど

少し手遅れでした。

 

とても悔しかったです」

 

試合直後、師匠は静かに

「12キュー以降、自分のプレーは

良くなかった。『ダメデス」と語りました。

 

もっと圧倒的に当て倒して

突き放したかったに違いありません。

 

それが師弟対決のお作法

というものでしょう。

 

この2人、

師が39歳で弟子が19歳と

年齢が倍ほど違います。

 

今大会のアベレージは

師が2.201で弟子が1.125。

こちらも倍近く違いました。

 

でも、歳は絶対に追い付けませんが、

アベレージは追い付き追い越すことが

できます。

 

いつの日か、師匠が不機嫌になって

黙っちゃうぐらいの勝ち方を

してもらいたいですね、森選手には。

 

それもまた、

師弟対決のお作法、

というか通過儀礼なのです。

 

これから楽しみにしたい

対戦カードが一つ増えました。

 

……とはいえ、

 

この手の周囲の勝手な期待というヤツは

本人にとって、特に10代男子にとって

普通は重いだけのものに違いありません。

 

しかし、森選手は朗らかに言うのでした。

 

じゃんじゃんブログに書いて下さいね!」

 

……いい。

 

試合直後、言葉を交わす師弟
試合直後、言葉を交わす師弟
サンチェスの勝ち
サンチェスの勝ち