女王からのお願い

梶谷景美プロ(JPBA)。日本代表決定戦にて
梶谷景美プロ(JPBA)。日本代表決定戦にて

 

試合の取材で池袋『ロサ』にいました。

 

『アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ』の

日本代表決定戦です。

 

そこでのあれやこれやで

当分ブログは書けそうです(笑)。

 

さて。

 

運営デスクでパソコン作業をしていたら、

すぐ横に「女王」梶谷景美プロ

いらっしゃいました。

 

この時点でもう試合には負けていて、

後輩プロ達の試合を観戦する

モードになっています。

 

「小林くん、

今日私の写真、撮ってる?」

 

「はい、撮ってます」

 

「見たい見たい」

 

「(珍しいなぁと思いつつ)

今日は横からの写真ばっかりですよ」

 

「それがちょうどいいの」

 

「はい(とパソコンで写真を開く)」

 

「(2秒確認)うん。わかった。

ありがとう」

 

「??? どうしたんですか、一体」

 

「いや、今日はね、

どうも逆ヒネリの球でミスが出ていて」

 

「ええ」

 

「その原因がフォームにあるのか

それ以外にあるのかを見たかったの」

 

「えっ。

それって写真を見てわかるものなんですか」

 

「わかるわかる。自分のフォーム写真、

たくさん見慣れているしね」

 

「はい、それで……?」

 

「今見たところ、フォームはいつも通りやね。

特に頭が高いとか、グリップが内や外に

巻いてるってこともない」

 

「ええ」

 

「だから原因はたぶん……

一つ思い当たることがあるのよ」

 

「はい」

 

「タップ。最近使ってるタップが

どうもしっくりこなくてね。

調整したんだけど、まだ感じが合わない」

 

「なるほど」

 

「フォームに問題ないってことは、

きっとそこやねー。

(左右のヒネリを撞いた時の)

手球のズレ方が違うんやね。

つまり、タップの球持ちの度合いが違う。

うーん、やっぱりなぁ……」

 

 

…………

 

僕はただただ、その鋭敏な感覚と、

自己分析能力の高さに驚いたのでした。

 

約25年のキャリアが

モノを言うということでしょうか。

 

いや、単に歴が長いだけでなく、

「ずっと第一線で」というところが

大事なんでしょう。鍛え方が違う。

 

それと、

「今日は何々がダメだった」と

自分で認めるところと、

他者にも言えてしまうところ。

料簡の広さを感じます。

 

女王は一日にして成らず。