〈BD〉あなたならどの出し方を選ぶ? あのデュエルのスーパードローを検証

 

久しぶりに技術的な記事を。

 

…………

 

2001年の『USオープン』覇者であり、

アメリカンプールの申し子と言っていい

コーリー・デュエル。

 

今はあまり国外の試合に出ておらず、

国内外の実績と評価も

S・V・ボーニングの後塵を拝する

格好になっていますが、

 

彼のショット力を前面に出すプレースタイルや、

積極果敢でクリエイティブな

オフェンスが好きな人は今も多いと思います。

 

数多くのスーパーショットを

トーナメントで決めてきたデュエル。

 

中でも、2004年のUSオープン、

vs M・イモネン戦での

ドローショットが非常に有名です。

 

一つ手前の③を空クッションで入れる

ところから始まる動画 ↓

 

 

たぶんこの③は、空クッションから

セーフティに行ったら入っちゃった系でしょう。

 

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ブレイクショットから始まるバージョン。↓

 

 

⑨を撞く姿が写ってないですが、

ミスしたという話も聞いてます

(だとしたらスーパーショットの意味が……^^;)。

 

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会場もやんやの喝采の④のスーパードロー、

尋常じゃないぐらいの引きのキレが出てます。

撞点は恐らく引き+やや右でしょう。

 

魅せるというか見せつけるようなショットですね。

 

余談ですが、この時は、

懐かしの「サルドタイトラック」を使って

ラックが組まれていました。

 

この数年後、このメカメカした道具が、

一枚のシートにあっさり取って代わられる。

それが2000年代ビリヤード史トピック。

 

そして、ラック全体の位置を

見ていただくとわかる通り、

最近日本のプロ公式戦でも

採用されることが多くなった

「9オンフットラック」です。

 

ですので、デュエルはブレイクで

下+右ヒネリで、1番のやや右に当てている模様。

 

…………

 

さて、ここからが本題なのですが、

 

この有名なデュエルのドローを、

 

ビリヤードインストラクション映像で

お馴染みのサイト、「Dr. Dave」が分析し、

代替案の実演までをしています。

 

それがこちら。↓

 

 

映像は、Dr. Daveが

デュエルのドローを撞くところから始まります。

 

さすがに本家ほどのキレは感じられませんが、

これだけ引けたら十分。

親しみやすいカバーと言えますね。

 

Dr. Daveは、

 

「私はあの時のコーリーほど

いいスピンをかけられてない。

 

そして、

恐らくあのUSオープンのテーブルは

もっとスリック(つるつる滑る)で、

ファスト(速い)なのだろう。

 

(だから、ボールアクションが

若干違って見える)」

 

と語っています。

 

さらに、

 

「やってみたら難しかった。

なんで彼はこれを選んだんだろう。

もちろんできる自信があったからだろうけど。

 

ESPN(TV局)が

観客を喜ばせるようなショットに対して

追加料金を払うと言ったのかもね」

 

という冗談も。

 

「だけど、大半のプレイヤーは、

この球を迎えたら、

他の出し方を選ぶんじゃないか」

 

と続け、

実際に他の選択肢を撞き始めます。

 

それが以下の6つ。

 

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①右ヒネリ(順ヒネリ)2 or 3クッション

 

「まず、これがごく自然な選択肢ではないか」

(Dr. Dave)

 

撞点をあまり上げずに右ヒネリがメイン。

しっかりヒネって

そこそこ強く撞く必要がありますが、

鬼引きよりは手堅い選択肢でしょうか。

 

…………

 

 

②逆押し(押し+左ヒネリ)1 or 2クッション

 

「逆ヒネリが好きな方に。

速いテーブルなら選びやすいのでは」

(Dr. Dave)

 

押しも逆ヒネリもしっかり使った”逆押し”。

Dr. Daveはこれがお気に入りの様子。

 

ラインはシンプルで、

他の球に当たるリスクもないので良いですが、

 

逆ヒネリを苦手にしている人には

選びづらいショットでしょうか。

 

…………

 

 

③気持ち逆押し(押し+気持ち左ヒネリ)1 or 2クッション

 

「押しメインで少しだけ左ヒネリ。

⑦の左側を通すように」(Dr. Dave)

 

これは繊細な出し方でしょうか。

毎回きっちり⑦のすぐ左を通すのは難しそう。

 

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④気持ち順押し(押し+気持ち右ヒネリ)2クッション

 

「押しメインで少しだけ右ヒネリ。

⑦の右側を通すように。

 

2クッション目でサイドポケットへの

スクラッチも見えるのでリスキー」

(Dr. Dave)

 

その通りで、スクラッチが怖いラインです。

プロやハイアマは選ばないでしょうか。

 

…………

 

 

⑤やや順押し(押し+やや右ヒネリ)2クッション

 

「4つ目のショットよりもう少し右をヒネって、

サイドポケットへのスクラッチはないラインで。

 

ただし、⑤にかなり近くなってしまう

可能性はある」

(Dr. Dave)

 

ラインはともかく力加減が難しいですね。

 

…………

 

 

⑥順押し(押し+右ヒネリ)2 or 3クッション

 

「5つ目のショットよりさらに右をヒネって、

⑦の右側を通した後、⑤の左側に出す」

(Dr. Dave)

 

これもまた力加減が難しい。

いっそのことより強めに撞いて、

3クッション使った方が良いかもですね。

 

⑦だけでなく

⑨にも当ててしまう(隠れてしまう)

危険性もあるので積極的には選べないか。

 

…………

 

どうだったでしょうか。

 

4~6番目の選択肢は、

手球を⑦に当てずに動かさないといけないですし、

 

④を入れた時の厚み次第で

結構ラインは変わってしまうので、

「出たとこ勝負」な気もします。

 

でも、ビリヤードって、

この選択肢の多さ自体が魅力ですよね。

 

ロマン派か堅実派か。

チョイスに人柄も現れます。

 

「あなたならどれを選ぶ?

練習になるから全てを試してみるといいよ」

(Dr. Dave)

 

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※ブログ『球バカ日誌』でもこのショットが

採り上げられています。→こちらから。

 

デュエルとイモネンの対戦の歴史、

懐かしいですね。

 

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