2016年

1月

04日

〈BD〉アプルトン本人が振り返る2015年

Darren Appleton 写真は2015ナインボール世界選手権
Darren Appleton 写真は2015ナインボール世界選手権

 

プール(ポケットビリヤード)の

世界トップ選手の一人、

ダレン・アプルトン(イギリス)。

 

彼が昨年のクリスマスに

Facebookページにアップした

「2015年のレビュー」はなかなかの長文で、

少し重々しい内容でした。

 

アプルトンは、2006年頃に

イングリッシュ8(ブラックプール)から

アメリカンプール(日本で言う

ポケットビリヤード)に転向し、

 

それから10年ほどの間に、

9ボールと10ボールの世界チャンピオンや

ワールドゲームスの金メダリストになった他、

数々のメジャーイベントを制覇。

 

2015年2月の

『チャイニーズ8ボール世界選手権』で

優勝した彼は、

「子供の頃から切望していた」

8ボール世界チャンピオンになったことで、

 

「燃え尽き症候群」と言っていい状態に

なっていたことがこのレビューからわかります。

 

2015年はあまり練習もしていなかったことや

モチベーションの欠如に悩んでいたことを

明かしています(それでも2015年の

メジャータイトルでの成績は

決して悪くはなかったのですが)。

 

昨年(2015年)11月の『全日本選手権』を

直前にキャンセルしてしまったのも

そういう状態にあったからでしょう。

 

その後、またやる気が出てきたようですが、

今年(2016年)の4月までは

2試合にしか出ないことが

このレビュー内で明かされています。

 

このレビュー全体的に、

「プールシーンのトップまで行った人」の

苦悩がにじみ出ていて、興味深く読みました。

 

これまで多くの世界トップ選手が

似たような精神状態に陥ってしまい

なかにはキューを置いたり

半引退状態になった人もいました。

 

アプルトンの場合は、

その後のFacebookページや

個人のFacebookを見ていても

明るいトーンで日々のあれこれを

綴っていますので大丈夫だろうと思いますが、

 

しっかり休んで、またこれからも

闘魂あふれるプレーを見せてほしいですね。

 

彼のレビューを意訳……というには拙すぎますが、

ざっくり大意をすくうと以下の様な感じになります。

 

よく英語がわからなくて

丸々省いた箇所も多いですし、

誤訳や事実誤認の危険性もありますので

そこはご了承ください。

 

…………

 

 

アプルトンの2015年レビュー、そして将来:

 

2015年は実に奇妙な年だった。

1月の『チャイニーズ8ボールマスターズ』から始まり、

タイに行き、中国に戻って、

『チャイニーズ8ボール世界選手権』に出た。

 

8ボールは得意だけど、

まさか優勝できるなんて考えもしなかった。

 

でも、基本に立ち返って準備したことで

生涯一のプレーをすることができ、

 

誕生日の3日前にチャイニーズ8ボールの

世界チャンピオンになることができた。

 

スヌーカーの世界チャンピオンである

マーク・セルビーなどとてつもない強敵たちを倒してね。

 

世界選手権タイトルはこれが3つ目だった。

 

僕はチャイニーズ8ボール、9ボール、10ボールの

3つのタイトルを持つ唯一の人間になった。

WPAに公認されてないけど、

14-1の世界選手権でも勝っている。

 

しかし、このチャイニーズ8ボールの優勝が

その後の僕のモチベーションを

奪ってしまったとも言える。

そして、その状態を変えようとも思ってなかった。

 

というのも、あの優勝で

年末の『モスコーニカップ』(米vs欧の団体戦)に

出られることは確定的だったから。

 

つまり、僕の目標は

2015年が始まってほんの数週間で達成されたことになる。

 

3月と4月はほとんどプレーをしなかった。

首痛とモチベーションの低下で

練習時間は1週間で1~2時間に減り、

全くキューを握らない週もあった。

 

いくつか大会に出たけど、

心から望んで出た訳じゃなかった。

 

その後、どうにか競技意欲は戻ってきた。

2015年のメジャータイトルでの

結果は悪くはなかった。

 

チャイナオープン9位、9ボール世界選手権9位、

ワールド10ボール17位、ワールドプールマスターズ2位、

ワールドカップオブプール3位、ワールド14-1 2位、

USオープン17位、モスコーニカップ優勝……。

 

正直なところ、それ以外の試合は

勝とうが負けようがあまり気にしていなかったし、

おそらく全体的には50~70%の出来だっただろう。

 

今年最も良くプレーできた試合は、

チャイニーズ8ボール世界選手権と

『キングスカップ』(欧米vsアジアの団体戦)の最終日だ。

 

アジアチームに絶対に負けられない状況で

戦ったキングスカップの2試合はとても良かった。

 

それと、『アメリカ14-1選手権』で

タイトルを防衛できたのも良かったね。

 

今年は21試合に出場して10位以内が16回だった。

でも、出場試合数「21」というのは今までで一番少ない。

 

いつもの年なら30~35試合は出ている。

他のトッププレイヤー達は

少なくとも年間30~40は出ているだろう。

 

そんな年ではあったけど、

2015年は僕のキャリアで一番良い年だったかもしれない。

 

その理由の大半は、冒頭で言った通り、

チャイニーズ8ボールの世界選手権で勝てたからだ。

 

8ボールの世界チャンピオンになることは

子供の頃からの夢だった。

 

これが僕にとって最高のタイトルで、

ワールドゲームス金メダル、10ボール世界チャンピオン、

9ボール世界チャンピオンが後に続く。

 

イングリッシュプールから転向した2008年以降、

年間一つ以上のメジャータイトルを獲ることを

目標にしてきたし、なんとかそれは達成できている。

 

良い時も悪い時も僕を見捨てず、

サポートし続けてくれた全ての人に感謝の気持ちを伝えたい。

 

パートナー、両親、兄弟、いとこ、友人、ファン、

そしてスポンサーたち。

これまでのキャリアは本当に素晴らしかった。

もし明日引退することになっても、僕は十分幸せだ。

 

首痛を発症してからの9ヶ月間は

練習もろくにしていなくて情熱も失せていた。

 

ビリヤードというスポーツとこの世界が嫌になりかけていたし、

飛行機嫌いはどんどん酷くなっていった。

 

でも、2015年のモスコーニカップが終わった時、

自分がどれだけこのスポーツを愛していたか気付いたんだ。

 

だから、もう一度健康的な生活に戻って、

練習に打ち込んで、モチベーションを高めて生まれ変わりたい。

 

7、8年前に設定したゴールは全て達成してしまったから、

別の目標がいる。

そうじゃないとだんだん落ちていくだけだし、

過去の業績に満足するだけの人間になってしまう。

 

こんな気持ちを、上の世代の

多くのプレイヤーたちが味わってきたんだと思う。

 

彼らがフラストレーションを溜めていたことが

今の僕にはわかる。

 

良い時の自分なら負けるはずがないと

思っている相手にも負けるし、

この業界の金銭的な面に失望するからだ。

 

でも、これは必ず誰にでも訪れること。

ほとんどのプレイヤーがやり直しがきかないし、

生活するためにプレーをしなくちゃいけない。

これがビリヤード界の現実だ。

 

自分にはビリヤードが必要なのか、

自分は生活のためにビリヤードをプレーするのか。

そんなことが頭を巡る。

 

今年の2月で僕は40歳になる。

僕は1996年にプロになった。

始めの10~12年ぐらいがイングリッシュプールで、

その後の8~10年がアメリカンプールだ。

 

2006年と2007年は両方やっていて、

アメリカンプールの試合には少しだけ出て、

あとはマネーマッチをやっていた。

 

約20年のキャリアで、

20ヶ国以上で試合に出て250回以上優勝した。

そのうち50以上がメジャータイトルだ。

ワールドタイトルは10以上ある。

 

だから明日キューを置いたとしても、

自分の業績には満足できるだろう。

短期間で思った以上の結果を出してきた。

 

でも、幸いな事に僕は

アメリカンプールの世界ではまだキャリアが浅く、

ベストプレーは出ていない。

まだまだ向上の余地はある。

 

これまで地獄の淵を覗くような戦いを

何度も繰り返して今の自分がある。

 

精神や感情が悲鳴を上げるような

接戦を何度も制してワールドタイトルを獲ってきた。

あんなキツイ思いは好き好んでしたいとは思わない。

 

勝てば報われるけれど、

すぐ次の試合が待ち構えている。

 

そこで自分に問うんだ、

またあんな思いをしたいのかって。

そして、ビリヤード界には

オフシーズンがないというのも問題だと思う。

 

だから、僕は2016年の4月までは

2試合にしか出ないことを決めた。

 

それ以外は休暇を取り、

戻って来た時にまたトップに立てるように、

健康的な生活を送り、体を鍛えて、

モチベーションを再び高めておこうと思う。

 

今まで以上に良くなって戻ってくるよ。

 

父さんがよく僕に言っていた言葉がある。

そしてそれは正しかったと思う。

 

「おまえはまだ最高のゲームをしていない」。

 

Thanks for all Support

Merry Xmas and Happy New Year.

Darren Dynamite Appleton 

4x World Champion

Gold Medalist World Games 

Former World No 1.

 

(了)

 

…………

 

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