〈BD〉もうwho-man? とは言わせない

T・ホーマン 撮影:On the hill !
T・ホーマン 撮影:On the hill !

 

今年のナインボール世界選手権では

ドイツのトーステン・ホーマンが優勝しました。

 

2003年以来2度目の優勝です。

 

On the hill !さんの許可を頂き、

クレジット入りの素晴らしい写真を

そのまま使わせてもらっています。

(ありがとうございました)

 

スーケーやオートマンなどもそうですが、

ドイツ人って堅実なビリヤードをする人が多いですよね。

 

ホーマンもそうです。

 

同じショット練習とかドリルとか、

あなたそれ5万回やったでしょ? という感じのタイトさ。

 

2003年、彼が優勝した1度目の世界選手権を

僕はウェールズのカーディフで取材しましたが、

 

全くの無名と言って良い状態で

てっぺんまで駆け上ったということに驚き

(きっと世界中がそう)、

 

すでにその時も、若さに似合わず実利を取り続けるような

手堅いビリヤードを展開していて驚きました。

 

ルーティンとかメンタルコントロールも

その時からきっちり定まっていました。

 

質実剛健とはこのことか、と。

 

ホーマンはこれでナインボール世界選手権で2勝、

 

14-1の世界選手権も勝っていますし、

IPT(懐かしい……。種目はエイトボール)でも勝っています。

 

真のトッププロの領域に

足を踏み入れた言えるのではないでしょうか。

 

今回のブログのタイトルの意味ですが、

 

僕の曖昧な記憶によれば、

彼が世界選手権で初めて勝った時(2003年)、

 

アメリカのビリヤード雑誌が

表紙か特集で以下の惹句を付けていたと思います。

 

「Hohmann, who-man ?」

 

だったかな。

 

ホーマンって誰なん!? ぐらいのものでしょう

(頑張って日本語でもライムしてみた)。

 

しかし今はもう、

そんなコピーを付けられることもないですね。

 

…………

 

以前、僕は彼のインタビュー記事を

CUE'S誌で編集しましたが、

 

ホーマンは10代前半の頃、

地元のクラブ活動でビリヤードを選択してから、

ずっとビリヤード一筋。

 

兵役中も「ビリヤードをすることが訓練として

公に認められていた」そうです。

 

そんな過去もあって、

なにやらサイボーグのような堅物感を醸し出していますが、

 

彼が来日した際に何度か会話を試みたところ、

喜怒哀楽、自分の感情を素直に表しますし、

フランクでやんちゃな面もあります。

 

下の写真のようにファッションセンスだって

悪くありません。

 

そしてまた、

鍛えぬかれた肉体の持ち主でもありますが、

 

「これでもドイツの成人の平均より小柄な方だよ」

とのことでした

(どんだけデカいんだ、ドイツ人……)。

 

驚くべきは、左右で肩の筋肉の付き方が違うこと。

 

実際に触らせてもらったことがありますが、

(その時はTシャツ姿だったので

見た目にも明らかだったのですが)、

 

「ビリヤードでそうなった」のだそう。

 

「小さい頃から、フォームを組む時に

左肩をがっちりロックすることを心掛けていた。

 

たぶんそのせいだよ」と笑っていました。

 

プロのロックミュージシャンなどで、

ギターやベースのストラップの掛けすぎで、

左右で肩の高さが違う人というのは知っていますが、

 

ビリヤードでもそうなる人がいるんですね。

 

そうそう。

 

ミュージシャンといえば、

 

彼は大のDream Theater

(米プログレッシブハードロック/メタルバンド)

好きで、ライブを観に行ったりしていることを

Twitterにちょいちょい書いています。

 

自分と音楽の趣味が一緒だったということが

判明したのでテンション上がりました。

 

次に会った時にはそんな話もできたら良いなと

思っている昨今です。

 

ホーマン、優勝おめでとうございます。

 

昨年の全日本選手権で撮影
昨年の全日本選手権で撮影