ゴルフに学ぶ(続き)

家に転がってたパターを撮影
家に転がってたパターを撮影

 

(前回からの続き)

 

また一方では、この本を読んだ僕は

ゴルフ界が羨ましくなってくるばかりでした。

 

日本のビリヤード界では、

「伝説のトップアマチュア」と言えども、

本が出せて、一般書店でそこそこ売れる、

ということはまずありえません。

 

プロですら、個人名でビリヤードの

思想・哲学・ポリシー本は出せないでしょう

(ハウツー本は多くありますが)。

 

出版物の刊行点数や販売部数というものは、

インターネット時代の今でもなお、

 

あるスポーツや娯楽、趣味の業界規模や

「文化」としての根付き具合を

見るモノサシとして有効だと僕は考えます。

 

この点では、

ビリヤード界は遅れていると

言わざるを得ませんし

(「プレーしたことがある人数」は

相当多いんですよ、ビリヤードは)、

 

まだまだ規模が小さいと認めざるを得ません。

 

また、業界規模が大きく、

プレイヤーの数が多いと、

 

「強い個性」の存在が許される

(まぎれる)点も良いですよね。

 

つまり、こういう本が出ると、

「アマチュアがこんな本を出し、

偉そうに語るなどまかりならん!」

 

と鼻息をあらくする

ベテランプロだっていると

思うんです。どんな業界でも。

 

ゴルフに携わっている人だけが

特別高貴高潔な訳でもないでしょう。

そこは我々と変わらないはず。

 

権威主義や派閥争い、

それに「出る杭は叩く」的な思想や

古くから続く因習だってあるはずです。

 

でも、この本は出せているし、

今も読まれている。

 

それは、「理解してくれる人だけが

買ってくれるだけで十分もとが取れる」という

計算が成り立っているからです。

 

そしてそれは、様々な思想の持ち主が、

独自のやり方で、ゴルフを糧に

「暮らせる」ことを意味しています。

 

全員に認められなければ

何かができない、生きていけない

ということがありません。

 

…………

 

少しでも「そっちの方」へ

ビリヤード界を変えて行きたいと思います。

 

…………

 

 メジャー通算8勝のトム・ワトソンが言います。

 

「ネバー・ギブ・アップ。

 

もしプレー中に諦めたりしたら、

人生でも諦めることになるだろう。

 

そして一度諦めたら、

二度目はもっと簡単に諦めるだろうし、

 

三度目、四度目は諦めるのが

さらに易しくなるはずである」

(本書より)

 

こういう名言が書に残り、

語り継がれていることも、

 

ゴルフという文化の豊穣さを現しています。

 

願わくば、

ビリヤードもかくあらんことを。