土方隼斗・JPBAプロ

第何次成長期?

2013年8月

 

土方隼斗の勢いが止まらない。

 

今もぐんぐん伸び続けている。

強くなり続けている。

 

2013年7月、逞しいプレーで

念願のジャパンオープン

チャンピオンとなり、

 

続けざまに別の2大会でも優勝。

 

気付けば3大会連続勝利である。

 

ここに来て一気に

かっちりとギアが噛み合わさったような、

爆発的なパワーが感じられる。

 

これまでと何が違うのか。

何が変わったのか。

 

ナインボール世界選手権を

間近に控えた晩夏に聞いてみた。

 

写真・文:B.D.

初めてのジャパンオープンは「負けー負け」でした

 

――ジャパンオープン優勝直後のあの誇らしげな表情は、他の大会では見られないものでした。やはり格別な勝利でしたか。

 

はい。僕にとって「3大タイトル」の一つですから。

 

――その3つとは?

 

全日本選手権、ジャパンオープン、世界選手権。絶対に欲しいタイトルです。「夢」といったら大げさですけど、正直以前はどれでも良いなと思ってたんですよ、「勝てたらラッキー」ぐらいで。でも、ジャパンオープンに勝った今は、他の2つに対して自信もつきましたし良いイメージもあります。

 

――世界選手権はさらに上のものだと思ってました。

 

全日本選手権もジャパンオープンも、世界トップクラスの選手が出ますよね。だから、勝つのが難しいという意味では世界選手権と同じだと思っていますし、国内開催なので日本選手への声援が多くてだいぶ緊張感があります。そういう意味で同格ですね。

 

――なるほど。

 

……いや、僕は東京に住んでいて、ジャパンオープンは東京開催なのでむしろこっちが上かもしれませんね(笑)。今回も多くの方が会場で応援してくれましたから。

 

――アマ時代から数えると、ジャパンオープンには10回ぐらい出ていますよね。

 

はい、覚えてますよー。一番初めはBクラスの頃で、1点も取れずにプロに負けたんです(笑)。で、敗者ゾーンでもプロに負けて、「負けー負け」で終了。

 

――今となっては信じられない(笑)。天と地を経験していますね。

 

まさに(笑)。自分がステップアップすることができた大会ですね。アマ時代に台湾のトッププロ(夏揮凱や趙豊邦)に勝ったことも良い思い出ですし。

 

――そんな大会で、初優勝した。

 

優勝したから、大きさが実感できたのかなと思います。「周りの方にこんなに応援してもらっていたのか」というのもわかったし。そして、ビリヤードを知らない人にこれほど説明しやすいタイトルというか肩書はないですよね。

 

――「ジャパンオープン」ですもんね。

 

ええ。それで、「日本人男子10年ぶりの優勝」となると、やっぱり驚かれるし覚えてもらえますから。「ビッグタイトルを獲るということは、それ自体が最高の宣伝になるんだな」ということがよくわかりました。そして、それは自分にとってもモチベーションと自信になるんです。

 

いつこのツケが回ってくるのかなーって(笑)

 

――もう1ヶ月以上経ちますが、今でも思い出す光景はありますか?

 

最終日の朝、ニューピアホールの誰もいない観客席に座って、「やっとここに来られた」と思ったこと。あとはファイナルを部分的に思い出します。難しいショットが全部入ったので(笑)。ゲームボールも覚えてますよ。「あれは遠い」と周りに言われましたけど、僕は全く遠いと思わなかったし(笑)。

 

――赤坂泰彦さんが友情出演で初めてMCをやる時に優勝するなんて、出来すぎてませんか?

 

出来すぎです(笑)。赤坂さんに自分の名前を呼ばれるのは嬉しかったですね。試合前に舞台の裏でアイコンタクトをした時があったんですが、その時に「外国人に勝たせたくない!」と燃えてきたんです。

 

――以前にも聞いていますが、観られながら撞くのは苦手じゃありませんよね?

 

好きです、昔から。緊張はするんですよ。でも、それが楽しいんです。やっぱり僕らは観られてナンボというか、観てもらうためにプロをやっているとも思うんです。

 

――撞いていて、こう、燃えてくる?

 

「自分の一番良いプレーを観てもらいたい」という気持ちになりますね。失敗を恐れたり、ネガティブなことを考えたりはしないです。過去には、大きな試合で緊張しておかしくなったこともあるけど、今は大丈夫ですね。経験を積んで対応できるようになりました。

 

――そして。そのジャパンオープンから3大会連続で優勝です。

 

すごいことを達成したなと自分でも驚いています。嬉しいけど、正直恐いです。

 

――「恐い」というのは?

 

過去2年くらい、自分の状態は良かったんですが、良い流れにならないという時期がありました。ビリヤードはいくら調子が良くても勝てないスポーツだということはわかってはいるんですけど……。でも、その分、今一気に流れが来てるのかなとも思うんですね。

 

――ええ。

 

だから、いつこのツケが回ってくるのかなーって(笑)。

 

――そういうことですか。しかし、確かにツキも流れも優勝には必要でしょうけど、プレー内容も高いところで安定してきたと思うのですが。

 

はい。メンタル面が良くなりましたし、技術的なミスも、量が減って質が変わってきましたね。一皮むけたのかなと思います。やっと世界を回っているプレイヤー達と同じくらいになれたのかな。実はそれが一番嬉しいことです。

 

――間違いなく強くなっていますよね。

 

自分もそう思います。それにしても運があると思うし……あれ? ミスをしなくなったから運が良く感じるのかな? メンタルが良いからツキが来るのかな? 色々考えてます(笑)。

 

――そして、世界選手権が近付いてきました。

 

ステージ1からの挑戦なので、まずはそこを通過したいですね。今年は『USオープン』にも行きますし、11月には全日本選手権もありますから、この良い流れのまま集中して戦いたいです!

 

土方隼斗プロはこんな人→

 

2005年ナインボール世界ジュニア選手権・銀メダル

2013年ジャパンオープンチャンピオン

 

1989年3月16日生まれ。

東京都出身&在住 A型、山羊座。

JPBA(日本プロポケットビリヤード連盟)40期生。

所属・スポンサーは、

MEZZ、斬タップ、LUCKY 13、Just Do It、自遊空間

 

使用キュー(EXCEED & MEZZ

プレーキュー:EXCEED土方隼斗モデル「EXD-HA2」

Hybrid Alphaシャフト、斬タップ「ハイブリッドマックス」

ブレイクキュー:Power Break PB-T/DI

ジャンプキュー:Airdrive AD-O

キューケース:NPC-35CKR